私も、この件はよくわからん

 ヨーロッパの鉄道は、たてまえは車イスにも対応していることになっているのだが、現実には、みんな、バスか車。鉄道は、まったく使いものにならないからだ。駅にエレベーターがないところも多い。フランクフルト空港駅にはエレベーターがあるが、ふだんは鍵がかかっている。ボタンを押したら駅員が来ることになっているが、毎度、何分待ったって着やしない。結局、あきらめて、むりやりエスカレーターを使っていた。日本みたいに、駅員が親切に、なんてことを想定しているのなら、大間違いだ。ホームで駅員を見かけることなんて、めったにない。隅っこにたまってるパンクの兄ちゃん姉ちゃんの方が、あれこれ親切だったりしてね。

 そもそも、いきなり車イスで行く、って、むしろふだんは車イスを使ったことがない人なんじゃないか、と思う。日本国内だって、車イスユーザーで、そんなやつ、おらんよ。どうしてもどこかに初めて行かなければならないとなったら、みんな、事前に、経路の情報を徹底的に集めるもんだ。歩いている人にはなんでもないような道でも、段差がひとつあったら、使えない。まして、いきなり急坂に出くわしたら、ものすごい危険だ。都内には、そういう街がけっこう多いんだよ。

 というわけで、車イスユーザーにしては、もともとの話がどうもおかしい。それもザルツブルクだってさ。駅から降りたあと、どうするのか、想像もつかない。いろいろ事情があるにせよ、個人手配で、こんなところで情報を集めて、数週間後にいきなり行くなんて、あまりに無謀だ。旅行自体、止めた方がいいよ。どうしても急ぎで行かなければならないのなら、きちんと大使館を通じてでも現地邦人のボランティアを頼み、送り出し、受け入れの体制を整えるのが、社会人の常識、礼儀というものだと思うが。

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