チューリッヒでの「問題企業」との面談&折衝は一時間で終わり、引き続き取引継続、ということになった。手数料が高くなるので、いい話なのか悪い話なのかは分からないが・・・で、Hbfに着いたのが16時過ぎ。予定では今頃はアルザスのどこかで飲んだくれていたはずなのだけど、今から出国となった。
コルマールに着いたのは19時前。真っ暗な上、この街は典型的な「旧市内と駅が離れているところ」で駅前には何もない。宿は駅前のBest Western Bristol Hotelに取っていたので、問題はなかったのだけど、お店、レストランの類が周りに全くない。旧市街に行くバスは19時台で終了。結果的には何のためにコルマールに宿を取ったんだろう(もうちょい頑張ってストラスブールに行った方が選択肢が多い。)ということになったが、仕方がない、宿のレストランで食べることにした。
宿の「正レストラン」はミッシェラン・レストランということを調べていたのだけど、その横に第二レストランとしてブラッスリーがある。「L\\\'Auberge Brasserie」というのはまあ、そのまんまの名前だが、人もそこそこいるし入ってみることにした。
コルマールに着いてからいきなり周りが仏語世界になっていて、仏語世界に来ること自体が何年振りかで、それでも何とか「ゆんぬ・ぺるそんぬ、しぃるぶぷれ」はとっさに出てきた。でもパリにたどり着くまでに何とか慣れないと・・・おじさんギャルソンがやってきて、席に案内してくれた。このギャルソンは英語が通じず、グラスワインというのを分かってくれない。「ヴァン、ヴェール、ヴェール・・・」とカタコト仏語でリースリング(これは発音が仏語風になるのかと思ったが、リースリングで通じた。パリでリースリングを飲むチャンスがなかったのだけど、本当の仏語(?)でもリースリングと言うのかは謎のまま。)を頼んで、食べものメニューを眺め出した。
アルザスの真っただ中でリースリングを飲むというのは、昨年のトリアでのリースリングと同様、一度やってみたかった。・・・が、メニューを見てついにその時がやってきたことが分かった。(多分、生まれて初めての)全文仏語のメニューである。(ベストウエスタンと名乗っている以上、英語のメニューはあると思うが、その時はなぜか聞く気にならなかった。)
チューリッヒのかたこと英語の面談でかなり消耗していて、さらに慣れない仏語・・・日本でもフレンチのレストランで仏料理を食べることはあるが、あっても年に数回程度。たいてい決められたコース料理なので、アラカルトのメニューを自分で見ることはあまりないし、恐らく無意識に日本語を見ているので、こういう時には何の役にも立たない。・・・が、とにかく何か食べ物にありつかないといけない。
チューリッヒでもそうだったが、entréeと書かれていて(スイスドイツ語もそう書くみたい。)、オードブルって言う書き方はしないのね。その下のメインディッシュ(どう書いてたか忘れたが)のところを見ると・・・Volaille au Rieslingというのがあった。volaille(鶏肉)というのは、数少ない、私が知っている単語であった。もちろんRieslingは分かるし、auという前置詞はカフェ・オ・レのオと同じである。ワインを使った鳥肉の何か・・・であろう、と推測した。17.9ユーロというのも、やや高いとは思いつつ(価格感覚は既にEU世界に戻っていた。)とりあえず、「鳥料理」が食べられる。
出てきたのは、鳥の胸肉のようなものにクリームソースがかかったもの。今もって日本語で正確な料理名を把握してないのだけど、そのおじさんギャルソンが皿を置いてくれた瞬間、胸にグッとくるものがあった。これが「料理」だよねえ。・・・昨年のドイツ旅行以来、確かにおいしい食事ではあるのだけど、ドイツ世界はいまいち「料理」という気がしなかった・・・・。フレンチの方が慣れているせいもあるのかもしれないが、アルザスのローカル料理かも知れないけど、やはり「フランス料理」である。パンも一緒に来て、ソースもおいしい。・・・