今回の旅行のメインイベントである「問題企業」のバラドプラッツ支店へは、月曜日の朝一に行ったのだけど、ちょっとした折衝の結果、翌日の3時に予約を取って改めて面談をすることとなった。時は10時前、翌日の予定が全く狂ってしまった。今日はさてどうするか・・・そうだ、バーゼルに行こう。・・・・
1.ドルナッハのゲーテヌアム
バーゼルまではチューリッヒから30分置きくらいにノンストップのICが出ている。1時間くらい。バーゼル駅前にはトラムの駅があり、目指すDornachは10番のトラムの終点、またはSバーンのS3で二駅である。Dornach駅ではトラムとSバーンの電車が仲良く並んでいて、Hbfに行くにはSバーンの方が早いが、発車間隔が長い。
ところでゲーテヌアムって何?という人もいると思うが、バーゼルはそもそも「現代建築の宝庫」として街を売り出していて、その一つである、と言ってしまえばおしまいなのだけど、設計したのはルドルフ・シュタイナー。そう、シュタイナー教育の、あのシュタイナーの思想の総本山である人智学協会の本部のあるところ、である。
私としてはシュタイナー教育でなく、シュタイナー農業、「ビィオディナミ・ワイン」の考え方の拠り所、としてのゲーテヌアムに一度行ってみたかった。「ビィオディナミ」というのは、ワインが好きな人は一度は聞いたことがあると思うけど、ビオロジックというかビオワインの一種と言えばいいのか。私に言わせればホメオパシーとかにつながるオカルトに近い(?)と思うのだけど、フランスではアルザスを中心にボルドーなんかでも、かなり広まってきているし、勝沼なんかでも、「月のカレンダーに従って・・・」なんて言う人も現れてきた。
もうちょいメジャーな施設になってもいい様な気がするが、地球の歩き方はもちろん、ロンプラにも載ってない。元々、この建物はミュンヘンに建てようとしたらしいのだけど拒否されて、スイスに建てざるを得なくなった。人によっては、セクトとかカルトとか言う人もいるみたいで、ドイツ、フランスはその手の団体は厳しく制限するので、この辺はスイスが寛容なのかなあ。
http://www.goetheanum.org/
ドルナッハ駅の裏手にあるスーパーの横の道(簡単な標識がある。)を登って行って、15分くらいで着く。結果として建物見学で終わってしまい、思想がどうだこうだということにはたどり付けなかった(だって、全部ドイツ語なんたもん。・・・土曜日に英語のツアーがある。また、人智教会自体のセミナーは英語で行っているのも多い。)付属の本屋もそこそこ大きいのだけど、ほとんどがドイツ語の本で、英語の本でさえおいてない。ビォディナミ・ワインについての本も皆無。ルドルフ・シュタイナー自身はアルコールは体に害があるとして、一滴も飲まなかった(!)というのも影響しているのかも知れないが・・・・カフェでビオディナミに作っている(?)野菜の入ったサンドイッチをありがたくいただいた。ナチスがビォディナミ農業を東欧の占領地で広めようとして失敗したとか、色々とエピソードには事欠かないのだけど、もうちょい極めてから(?)再訪したほうがいいかも知れない。・・・