レポート

バーゼル日帰り旅行その1

公開日 : 2016年04月30日
最終更新 :

今回の旅行のメインイベントである「問題企業」のバラドプラッツ支店へは、月曜日の朝一に行ったのだけど、ちょっとした折衝の結果、翌日の3時に予約を取って改めて面談をすることとなった。時は10時前、翌日の予定が全く狂ってしまった。今日はさてどうするか・・・そうだ、バーゼルに行こう。・・・・

1.ドルナッハのゲーテヌアム

バーゼルまではチューリッヒから30分置きくらいにノンストップのICが出ている。1時間くらい。バーゼル駅前にはトラムの駅があり、目指すDornachは10番のトラムの終点、またはSバーンのS3で二駅である。Dornach駅ではトラムとSバーンの電車が仲良く並んでいて、Hbfに行くにはSバーンの方が早いが、発車間隔が長い。

 ところでゲーテヌアムって何?という人もいると思うが、バーゼルはそもそも「現代建築の宝庫」として街を売り出していて、その一つである、と言ってしまえばおしまいなのだけど、設計したのはルドルフ・シュタイナー。そう、シュタイナー教育の、あのシュタイナーの思想の総本山である人智学協会の本部のあるところ、である。

 私としてはシュタイナー教育でなく、シュタイナー農業、「ビィオディナミ・ワイン」の考え方の拠り所、としてのゲーテヌアムに一度行ってみたかった。「ビィオディナミ」というのは、ワインが好きな人は一度は聞いたことがあると思うけど、ビオロジックというかビオワインの一種と言えばいいのか。私に言わせればホメオパシーとかにつながるオカルトに近い(?)と思うのだけど、フランスではアルザスを中心にボルドーなんかでも、かなり広まってきているし、勝沼なんかでも、「月のカレンダーに従って・・・」なんて言う人も現れてきた。

 もうちょいメジャーな施設になってもいい様な気がするが、地球の歩き方はもちろん、ロンプラにも載ってない。元々、この建物はミュンヘンに建てようとしたらしいのだけど拒否されて、スイスに建てざるを得なくなった。人によっては、セクトとかカルトとか言う人もいるみたいで、ドイツ、フランスはその手の団体は厳しく制限するので、この辺はスイスが寛容なのかなあ。
http://www.goetheanum.org/

ドルナッハ駅の裏手にあるスーパーの横の道(簡単な標識がある。)を登って行って、15分くらいで着く。結果として建物見学で終わってしまい、思想がどうだこうだということにはたどり付けなかった(だって、全部ドイツ語なんたもん。・・・土曜日に英語のツアーがある。また、人智教会自体のセミナーは英語で行っているのも多い。)付属の本屋もそこそこ大きいのだけど、ほとんどがドイツ語の本で、英語の本でさえおいてない。ビォディナミ・ワインについての本も皆無。ルドルフ・シュタイナー自身はアルコールは体に害があるとして、一滴も飲まなかった(!)というのも影響しているのかも知れないが・・・・カフェでビオディナミに作っている(?)野菜の入ったサンドイッチをありがたくいただいた。ナチスがビォディナミ農業を東欧の占領地で広めようとして失敗したとか、色々とエピソードには事欠かないのだけど、もうちょい極めてから(?)再訪したほうがいいかも知れない。・・・

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  • バーゼル日帰り旅行その2

    2.ヴィトラ・デザイン博物館
    https://www.vitra.com/en-jp/campus
    http://www.myswitzerland.com/ja/vitramuseum.html

    ここは今回一回目の「ドイツ入国」である。が、行き方が難しい。(私にとっては、だけど。)要はバーデン・ヴュルデンベルク州のドイツの一番端っこの街、バーゼルに隣接しているWeil am Rheinに行くのだけど・・・・。バーゼル駅前からトラムに乗って、Clara Platzに行く(なお、Weil am Rhein行きのトラムがあり、国境を越えるのだけど、こっちから行った方が良かったのかも知れない。)というところまでは簡単なのだが、クララ広場のどこに55番バスの停留所があるのか、が分からない。結果的にはHbfから来るトラムの走る道のトラムの電停の向かい側、だったのだけど、時間通りには来ないし、諦めかかった時に55番バスが来た。なお、このバスはバーゼルのゾーン10外に出るので、一日券だと追加で跨ぐチケットを買う必要がある(クララ広場の至る所に自販機がある。)また行きはCHFだが帰りはEUR(帰りもCHFで払えるのかもしれないが、素直にユーロを出した。)の運賃になる。

    バスはライン川を越えて(この辺はライン川はスイス国内を流れている)一路国境へ。よく分からないのはスイス領でどう見ても学校帰りの小中学生がたくさん乗ってくることである。二連接バスでそこそこ大きい。国境は何事もないように通過していく。去年フランクフルトの国境でも同様だったが、税関の廃墟があるのだけど、いざと言う時は復活させるのか・・・シュンゲン国同士なのでイミグレに当たるものは全くなくなっている。

    ドイツ領内に入っても乗客が乗り降りする。先の小中学生はドイツ領内で降りていくし、ドイツ領内だけで乗って降りる人もいる。何とも不思議なバスである。ヴィトラ社は街を抜けてちょっとした郊外にあり、30分も乗っただろうか。降りる時にふと座席の女性を見たら、TIATの袋を持っていたのだけど、あれは一体何だったんだろう。

     で、これもいまいちだったのが、建物を見るツアーは既に終わっていて、博物館しか見られなかったこと。バウハウスの展示だったので、それはそれでおもしろかったのだけど、これは中の建築ツアーがメインディッシュなのでそれに合わせて来なければ意味がない。ということで、バスはおもしろかったが、消化不良のまま終わった。30分に一本くらいの間隔なので、帰りのバスの時刻を見てから見学する方がいい。

    3.その他

    バーゼルで最初に行ったのがBIS(国際決済銀行)の本部。中には入れなかったが、これがBISね。・・日本のサラリーマンの中には、このBISのせいでサラリーマン人生が大きく変わった人も少なくないと思う。建物は元は「問題企業」のもので、最近、BISに譲渡した、やはり有名な現代建築の一つである。

    BIS自体は第一次大戦のドイツの賠償金支払いを円滑に行うために出来た銀行で、いきさつ上、日本も最初から参加し、第二次大戦中も横浜正金銀行(三菱東京UFJ銀行)から日本人行員がずっと出向していて、敗戦後の日本の対外資産の連合国による接収などにも「活躍」している。戦争中、この街でずっと仕事をしていた日本人の心境を思うと・・・が、何で今は世界の銀行ルールを決める銀行のようになったか詳しくは知らないが、まあ、いろんな議論を引き起こしている国際機関である。

    トラムに乗ってるとBankvereinという電停があったので降りてみた。昔のスイス三大銀行のSchweizerischer Bankverein(バーゼルが本店)=スイス銀行コーポレーションがそのまま電停の名前になってるのね。今は「問題企業」と合併して、問題企業バーゼル本店となっているが、電停の向かいにあるその建物に入ってみた。特に植民地国家でもないスイスのこんな小さな街に世界を股にかける銀行があって、その伝統か今もってバーゼルが世界中の銀行に影響を及ぼしているのは、本当に不思議なのだけど・・・。

    先日やっていた世界カーリング選手権はバーゼルで行われていて、街の風景で例の黄色のトラムが何度か登場し、ちょっぴりなつかしかった。

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