こういうときに個人手配は恐いよなぁ

 何の問題もないときは、個人旅行もいいけれど、こういうトラブルの対応は、組織的な団体旅行の方がはるかに上だ。だいいち個人手配では、たとえ金銭補償的な保険に入っていたとしても、残された家族は、いったいなにをどうしていいのかさえ、わからないだろう。

 2000年11月に起きたオーストリアのケーブルカー火災では、邦人10人が死亡したが、その補償はこじれて、裁判で7年もかかった。それで、1人当たり、わずか2000万円程度のみ。今回の事故も、氷河急行は、スイス国鉄ではなく、小さなローカル私鉄会社なので、最終的な解決まで相当な時間がかかりそうだ。

 スイスやオーストリアのアルプスは、この百年、驚異的に観光開発されてきた。地道な保守点検は行われてはいるが、しかし、もともとムリがある山岳地形、想像を絶する厳しい気候、開発時の設計基準とは異なる暖房などの新規設備で、いつなにが起こっても不思議ではないような危うい存在だ。そのうえ、観光客がひっきりなしにくるので、一時的に完全停止させて更新することもできない。いよいよ危ないところは、まったく新たに路線を敷き直すような対応をしている。(今回の事故は、景観のよい旧路線復活工事のための新路線保守努力の不足が原因ではないか。)

 もちろん、これほど大きな事故は、そうそう起こらないだろうが、旅先で、列車の変更や、路線の閉鎖など、小さなトラブルはしょっちゅうある。自分で対応できないのなら、最初から旅行代理店と組むべきだ。カネを払って味方を買っておく、と思えば、その手数料など、問題にならないくらい安い。そうでなくても、その長年蓄積されてきたノウハウによって、必要のない面倒と無駄を省いて、個人手配より結局、安く済む。逆に、トラブルに遭ってから海外で弁護士を探そうにも、こういう絶対的な負け裁判では、引き受け手がいない。

 楽しみにしていたせっかくの旅でこんな結果になり、ほんとうにお気の毒に思います。一日も早い御回復をお祈りしています。御家族の方などに、なにかお手伝いできることがあれば、と気遣っています。

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2件のコメント

  • 御回復の字が間違ってますよ!

    純丘様

    いつもアドバイスありがとうございます。
    貴方様は、言葉づかいは悪いけど、何のかんの言いながら最後は助けて下さいます。

    いつも指摘されてばかりいる御礼に、字の間違いを指摘させていただきます。
    教員でも字を間違えるんですね。それとも、外国暮らしが長いせいでしょうか。

    「御回復」は、「御快復」です。
    それとも、怪我をされた方ではなく、列車の復旧のことを言ってるのなら、間違いではありませんが。
    文章からすると「快復」だと思いましたので、
    おせっかいとは存じましたが、
    これからも間違えて使うと、先生に傷がつくので、
    この場を借りて指摘させていただきます。

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  • 費用よりリスク回避

    同感です。

    この掲示板では、代理店をバイパスして 「一銭でも
    安く行きたい」 という思いからの質問がオンパレード
    です。

    今回事故に遭遇した大勢の日本人。病院でまったく
    言葉が通じなくてどうしているんだろう。

    また、とばっちりを受けた旅行者は、まず、どこで何が起きた
    のかまったく理解できません。当然、対処策も分からない。
    (駅のアナウンスも張り紙もすべてドイツ語と英語)

    なので、携帯で日本に 「どうなってんの? 教えて」
    ということになるでしょう。

    留守家族もニュースで知るだけの情報しかないし、旅行
    代理店や大使館は電話が通じない・・・・

    こういう時のバックアップをこの掲示板が出来ればいい
    ですね。なにせ、スイスには日本人観光客があまりに多い。

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    焼け石に水ではあるのでしょうが・・・それでも

    氷河急行の車掌さんで日本語をかなり話せるひとに、私は3人あっています。

    まったくの趣味?で勉強しているのだとか・・。 

    ツエルマット観光局長は日本びいきの若い人でこういう場合の日本語への対応ネットを構築できるヒトだと思います。

    まあそれはそれとして、個人のたびとはそうしたものでしょう。 そんなことは最初からわかっていることですので、こんなときに嬉しそうに・・失礼、いまさらのように言及することは何のではないでしょうか。

    いえ少しい言いすぎですね。   スミマセン。