レポート

チューリッヒとバーゼルの乗り物と切符その1

公開日 : 2016年04月03日
最終更新 :

今回のスイス訪問では、ついにチューリッヒ以外の街として、バーゼルを訪問した。ようやく二都市回ったことで、ちょっとは乗り物についても語れる(?)ようになったか・・・

1.チューリッヒのトロリーバス

今回、初めて「発見」したのだけど、Hbfから二駅くらい離れた電停でトラムを待っていたところ、トロリーバスがやってきた。おかしい・・・と思う以前に、なるほど・・・と感心してしまった。トラムの車体の規格とトロリーバスの車体の規格をどう合わせているのか知らないが、トラムの走っているところはいっしょに走り、レールのないところはそのままバスとして走っている。(渋滞が避けられる。)架線も共用しているので、モーターなんかも同じ規格で作っているんでしょうね。そう思ってみていると、中心部については、ガソリンで走る市内バスは走っていない。私は広島に住んでいたことがあって、基本的には路面電車嫌いなのだけど、ここまで徹底するとねえ。なお、Hbfの北側に空き地のようなバスプールがあり、有名な格安長距離バス会社のバスが何台も止まっていた。これも時代の流れなんでしょうね。

2.バーゼルまでの切符

他でも取り上げられているが、チューリッヒHbfの窓口も慢性的に混雑状態であり、窓口で何かする、というのは極力避けた方がいい。私はチューリッヒの72時間券を持っているにも関わらず、事情があって、その中の一日をバーゼル行きに費やすことになった。そして、バーゼル行きのために窓口に並んだ。というのは、72時間券の有効範囲の一番端からバーゼルまでの切符を買った方がちょっとは安いのではと(根拠もなく)思っていたからである。

するとSBBの職員のおばさんが並んでいる人に一人ずつ尋ねてきて、可能な人は自動販売機に誘導している。JR東の大きな駅のみどりの窓口の列の横にいる係員と全く同じである。案の定尋ねてきて(想定問答は考えていた。)バーゼルに行きたいと言うと、自販機に行け(普通にバーゼルまでの切符を買うのは自販機で買える。)という。そこで、72時間券を見せて、身振りを交えながら、私の目論見を説明した。これだと自販機は使えないはず・・・と言うと、その券(72時間券)は「No Help」だと言う。

えっ、と思ったが、改めて詳しく私の目論見を(もちろん英語)で説明すると、そういう買い方は出来ず、あくまで実際の乗車駅から、バーゼルまでの切符を買わないとならない、とのこと。もちろん、実際に72時間券の端っこまで乗って行って、その駅から買うのだったら問題はないだろうが、チューリッヒHbfーバーゼルSBBのICはほとんどがノンストップなので、実際にそんな買い方は出来ない。スイス各地にいわゆる「シティカード」があるが、もし、別の街までの切符を買う時はルールについては注意した方がよい。(チューリッヒと異なる場合もあるかもしれない。)

 自販機は自力で買えたが、おばさんが説明してくれるのでそれに従った。「まずは行き先のバーゼルの頭文字ダブリュー(英語)を入れて、」バーゼルってBで始まるんじゃないだろうか?ヴェー(Wのドイツ語読み)とベー(Bのドイツ語読み)を間違っているの可能性もあるが、さすがにスイスの小学生でもそれはないような・・・念のため「バーゼルってビー(英語)から始まるのでは?」と言いかけたら、大笑いをしだして「ごめんなさい、間違いました。まずBを入れて、」「・・・・」こちらも笑うしかない。

 この自販機、案外優れもので往復切符を買える上(JR東の大部分の自販機や東京メトロの自販機は往復切符を買えるようにしないといずれ国際問題になると思う。)、バーゼル等の主だった町のシティカード(24時間券)も買うことができる。「バーゼルの街中を見るのだったら、シティカードはゾーン10までで十分」とのアドバイスに従って、それも合わせて買った。(出てくる券面に往復チケットと合わせて、Cityticket Baselと印字される。)また、「ディスカウントカードは?」と聞かれたので、何かのディスカウントカードを持っていたら、それも使えるはずである。ところが、これは調査不足だったのだけど、私が行ったヴィトラデザイン博物館(ドイツ領)もゲーテアヌムもゾーン10の範囲外でゾーンをまたぐ切符を当地で買うことになった。ほとんどはゾーン10で済むのだけど、注意が必要である。最後におばさんは知らない謎のクレジットカード「JCB」というカードで決済して、終了。説明を入れても五分もかからなかった。

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2件のコメント

  • 16/04/08 00:21

    スイスの切符など

    こんにちは

    チューリッヒは昨年秋に、1泊2日でフランス旅行中に行きましたが、高島たいらさんの書かれている内容も、「そう言えばそうだった」と、おもしろく読ませていただきました。

    1)スイスの切符
    何年も前に行ったときのことも合わせ考えると、スイス国内の切符は、国鉄、メトロ(ローザンヌ市内)、一田舎の町の路線バス(ローザンヌとジュネーブとの間の小さな町)、レマン湖を渡る湖船(二カ所、年度を違えて渡った)、チューリッヒのトラムなど、どこの乗り物の切符も同じ形式で、国が、使う形式を統一させてでもいるのかと思うくらい、同じ形式の切符でした。
    自動券売機の画面も、国鉄と路線バスが画面形式や操作方法は同じで、異なった形式を開発するのが無駄な経費と考えているのかと思うような感じがありました。

    2)バーゼルの駅
    私は、行きはフランスのディジョン Dijon からTGVでチューリッヒまで行き、帰りはチューリッヒからミュルーズ Muhlouse まで行く列車でスイスを出たので、バーゼル駅では下車していないのですが、行き、帰りとも、バーセル駅では、確か、Bale SNCF 駅に数分停まって、ゆっくり動いて Basel SBB 駅に停まってから、本格的に走りだす(フランスから入る場合の順序)だったような気がします。
    そして、SNCF駅からの乗客が列車を待っているし、SBB駅にも乗客が待っていたような感じだったと思います。
    (あまり注意してそのことを観察していなかったので、また、二カ所停まるのが普通みたいな列車の動きだったので、記憶が定かではありません。)

    思えば、
    広島の路面電車、広電の紙屋町のような感じですね。広島の人だと、同じ名前の駅が続いても、慣れているから別に違和感は感じないのかもしれませんが。
    最初に広島に行ったときは、この路線に乗って、紙屋町に停まって発車する際に、「次は紙屋町です」って放送されると、「えっ、どうなってるんだ」と思わず、窓の外の電停の駅名表示を見たりしました。知っていれば、もう一回紙屋町がある、と思いますが、何となく緊張しますね。


    3)ミュルーズ駅前後の線路の通行区分(左側通行、右側通行)
    ディジョンから乗り、ミュルーズ駅があと15分ぐらいかと思う頃、いつの間にか列車は右側通行になっていました。進行方向右側に座っていたのですが、通常フランスでは列車は左側通行なので、それまで右側には線路が見えていたのですが、右側の線路がなくなったので、ここの幹線でTGV車両が乗り入れるのに単線のはずもないと思って左側に行ってみると線路があって、おやおや、ここは右側通行だ、と気づいたのです。
    ミュルーズを出てからスイス国境が近づいた頃、いつの間にか左側通行になっていました。

    スイスを出るときも、どうなっているのだろうと思って(この日は最終的にはコルマールまで行ったのですが)、よく見ていると、スイス国境からミュルーズまでと、ミュルーズを出てからしばらく右側通行で、コルマールが近づくと左側通行になっていました。

    線路の配置の関係か、昔からそのように運転されたので踏襲しているのかわかりませんが、日本とはずいぶん異なる運転方法だと感じました。


    また、ミュルーズのあたりは、三叉路になっているのですが、この三叉路をどの方向からミュールーズに入っても、ミュルーズ駅を出るとき列車の方向転換(進行方向が逆になること)はないのです。
    (1)バーゼルからミュルーズを経由してコルマールへ、
    (2)バーゼルからミュルーズを経由してベルフォール(ベルフォールの先はディジョン)方向へ
    (3)コルマールからミュルーズを経由してベルフォールへ(この部分は本来のフランスの幹線。ここは以前に通ったので、昨年はこの部分は乗っていない)

    ミュルーズ駅の周囲にループのようなものがあり、どちらの方向から来ても、方向転換しなくてすむように、ループを通って進行方向を変えなくてすむ路線が準備されているらしいです。
    日本じゃこんなことわざわざしないですね。

    たとえば
    昔、名古屋方面から松本方面によく登山に行きましたが、名古屋から来た特急は塩尻で方向転換したような気がします。
    九州では、小倉で、博多から来た大分行き特急列車が方向転換するし、博多発佐世保行きの特急も、佐世保に入る前の駅で一旦方向転換してから佐世保に入ります。


    とりとめもない話になりましたが、フランスやベルギーがきな臭いことになったので、この方面の旅行はしばらく様子見をしています。

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    16/04/08 08:49

    補足:3)の後半について

    バーゼルからコルマールに行くとき、一旦ミュルーズで乗り換えたのに、なぜ、バーゼルから来た列車が方向転換せずにコルマールに向かうと思ったのかというと、
    ミュルーズでコルマール方面へ行く列車を待っていると、ホームにアナウンスがあり、
    「まもなく、バーゼル発ストラスブール行きの列車が入ります。」
    と放送したので、
    「ベルフォールからバーゼルへ行くときは方向転換しなかったから、バーゼルへ行く線路はミュルーズの西でバーゼル方向の線路が分かれているのだろう、そうすると、バーゼルからコルマールに行く列車は、ここで進行方向が逆方向へ進行するのだろう。」
    と思って待っていたのですが、来た列車は機関車に客車が引かれた長い列車で、
    「機関車を前後付け替えるのか? 機関車で長い列車を押しながら長距離は走れないから、外して逆方向に付け替えるまで時間がかかりそう。」
    と思っていたら、機関車の付け替えもなく、そのまま同一方向に出発したから、
    「おや、ここはどうなっているんだろう?」
    と思ったのです。
    後でグーグル地図を見ると、どうも、ループ型の線路が駅の東にあるようで、これがそのためのものかもしれないと思った次第です。



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  • チューリッヒとバーゼルの乗り物と切符その2

    3.バーゼルのトラム、SNCF駅

    日本の事を考えると、この規模の街でこれだけトラムが走っているのは、びっくりである。一路線はドイツ領が終点となっていて、国境を越えるトラムは数少ないと思うのだけど、残念ながら乗れず。別途書くが、ドイツ行のバスを探すのに手間取り、時間切れになってしまった。国境を越える乗り物で乗ったことがないのは、あとは自転車、トラム、戦車(オートバイはまたがってだが使ったことがある。)くらいなのだけど・・・。

    私にとっては昔から謎の秘境であったBale SNCF駅だが、Basel SBB駅の中ではなぜか案内板がなく、窓口で聞く羽目になった。案外離れていて表口を背にして左側に五分くらい歩く。途中「FRANCE」とでかく書かれたドアをくぐると、ちょうど甲府駅の身延線ホーム(=JR東海駅)みたいなホームがあって、ALSACEとでかく書かれたSNCFのTERが止まっている。・・・

    が、昔、パリからチューリッヒに行ったときは、バーゼルSNCFに止まった後、しばらく動いてバーゼルSBBに着いたような気がする。そもそも長距離列車のBale SNCFはどうなっているのだろう。時間がなかったので探検できなかったのが残念。

    4.番外 チューリッヒからコルマールまでの切符

    「問題企業」との折衝が終了してから、すぐに次の宿泊地のコルマールに行くために、チューリッヒHbfで最後の窓口に並んだ。念のため事前に自販機でColmarを入れてみたが、さすがに目的地にはない。窓口ではすぐに切符を買えて、大体の時間を言うとコルマールまでの時刻表を打ち出してくれた。もちろんバーゼルで乗り換えである。がこの時に発行してくれた切符が、バーゼルまでの近郊切符(自販機で出てくるのと同じやつ)と例のCIV(ヨーロッパ鉄道国際運送約款に則っています、というこの表示は30年前でも、どこの国で買っても、変わらない、当たり前か。)表示のあるBasel SBBからColmarまでの切符を発行してくれた。

     が、3で書いたように、バーゼルから乗るのは、Basel SBB駅ではなく、Bale SNCF駅から乗るTERである。実際にこの区間はSNCFにしかお世話になってなく、実態としてはBasel SBBからColmarまでの電車というのは存在しない(もちろん、パリーチューリッヒやストラスブールーチューリッヒの列車はあるし、その中でコルマールに止まる列車もあるかもしれないが、ならば下記に書く通しの切符でいいはずである。)はずなのだけど、何でこんな「乗車区間を二つに分けた上に架空の(?)切符を発行する。」のか、不明である。要は素直にCIVのチューリッヒーコルマールを発行してくれれば何も悩まないのに、こんな血中の鉄分濃度を上げるような切符を発行するのか・・・チューリッヒは必ず「次回」があることになったので、その時には解明したい。

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