レポート

パリの地下鉄とナヴィゴ・デクーヴェルトその1

公開日 : 2016年03月27日
最終更新 :

 どこの街でも地下鉄と言うのは三回くらい乗れば、もうニューヨーカーなり、ベルリナーなり上海人になったような気分で自在に乗りこなせるものだが、今回のパリ、48時間の滞在で延べ10~12回(RERも含む)くらい地下鉄に乗ったが、どうしても最後までなじめなかった。それはなぜか・・・ナヴィゴ・デクーヴェルトと一緒にちょこっと感想を。

1.ナヴィゴ・デクーヴェルト

私の世代(?)ではパリの乗り放題券というと「カルト・オランジュ」がぱっとひらめくのだけど、今回は三日間いるので、カルト・オランジュを使っても元は取れるかも・・・何よりも憧れの(?)カルト・オランジュを使ってみたいというのがあった、が、カルト・オランジュは廃止され、それは今はナヴィゴ・デクーヴェルトというICカードに変わっているとのこと。

 まずナヴィゴ・デクーヴェルトというのが発音しにくい(フランス人も同じではないだろうか。・・・)上に、ここの板も含めてナヴィゴ・デクーヴェルトについてのブログなり記述があまりない。例えば同じICカードでも悠遊カードやオクトパスカードについては、かなり多くのトピやレスが見られるけど、ナヴィゴ・デクーヴェルトについてはほとんど載ってない・・・パリに数日いるというような旅行が減っているという訳でもなさそうだし。・・・・これも謎である。歩き方の「ぷらっと」というシリーズがあるが、これなんかまさしく「パリを楽しみ尽くす」とまで書いておきながら、パリ・ヴィジット、モビリスの次にちょこっと載っているだけ。世界の中でも有数のICカード普及国人に対して、何で、もっと使え、と書かないのだろう。

 ゾーン5まで使えて、CDGも当然使えて、デポジット5ユーロ入れても26.25で一週間使えるというのは、断然便利でお得なような気がするのだが、多分、と考えているけど、日本人旅行客に普及しない原因は、日本人がCDGに到着することが多い土曜日、日曜日に(その日から)使えないこと、だろうか?この「月~日までの一週間の定期が、前週の金曜日からその週の木曜日までチャージ可能」=「土、日は翌月曜日からの一週間分しかチャージできない。」というルールはいかにもフランス人の考えそうなルールで、観光客のことを考えてないというか、やはりパリ人用の切符なのだろうか。(元々一か月用しかなく、後になって一週間用ができたということからもそんな気がする。)

 私は水曜日にストラスブールからEST駅にTGVで到着したので、その足でEST駅のメトロの切符売場に行った。その日から使える、日曜日までのナヴィゴ・デクーヴェルトのチャージができる。買い方についても、ネットで見ているといろいろとあって、その中の一つに「自販機でクーポンを買って、それを窓口に提出せよ。」というのがあった。それでナヴィゴチャージ兼用の自販機を英語にして眺めると(この自販機の上下の選択をするときに下に付いているボールみたいなのを操作するのも気付かないと分からない。)それらしきものはない。この手の自販機はえてして英語だと肝心なことが載ってない、ということが多いので仏語にして調べるが、やはりチャージ以外の「最初に購入」のような画面はない。

 ということで、窓口で直接「ぼんじゅーる、なびご・でくーべると、しぃる・ぶ・ぷれ」と言ってみたら、すぐに引き出しから取り出して用意を始めた。「わん・うぃーく?」と聞かれたので、先ほどの仏語がかなりいい加減な発音だったことが分かったが、それでも「うぃ」と答えた。「もんたーじゅ?」となぜか仏語で促されたが、日本で撮った2.4×3の写真を出したらそれでOK。わん・うぃーくということで、チャージもしてくれて(これもネットで見ると、買った後に自販機でチャージすること、と言う記述も多い。)26.15ユーロをクレジットカードで払って、すぐに終了、であった。ちなみにいっしょにプラスチックのケースをくれるのだけど、首からかける穴が付いている訳でもなく、これはどうやって使うのだろう。

 私はこのプラスチックケースに入れたまま使っていたが、女の人はやはりバックの底に仕込んでいる人もいて、この辺の使い方は万国共通である。磁気券(ニューヨークなんかもそうだが)だと、何度も使っていると磁気の部分がだめにならないだろうか?という心配があるが、それがなく、改札口のドアの反応もばっちしで、快適である。スイカと違って有効期限はないとのことなので、また持っていってチャージさえすれば使える、のだろうか?それまでには「その日から一週間のチャージが可能」となっていてほしいけど。

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1件のコメント

  • パリの地下鉄とナヴィゴ・デクーヴェルトその2

    2.パリの地下鉄の乗りにくさ(?)

    ちまたのガイドブックでは、「パリの地下鉄の乗り方は慣れれば簡単、さあ、みなさんもパリジャンやパリジェンヌのようにメトロを乗りこなそう。」みたいなことを書いているが、本当か?と問い直したい。私なりに乗りにくい理由を考えたのだけど、

    A.~方面、という概念がない。

    パリの地下鉄は「自分の行先とその方向の終点駅を覚えること。」が必須だが、要はどこに行ってもその路線のその方向の終点の駅名しか書かれてない。これが最大の問題(?)である。例えばわたしが密かに「パリの大手町」と呼んでいるシャトレなんかは、シャトレを通る路線はどこの駅も例えば、「Marie de Montrouge」だけでなく、一言「Chatelet」と書いていれば、かなり事態が変わってくると思うのだが・・・例えば三田線は「日比谷、大手町、巣鴨方面、西高島平」というような表示をしているが、全ての駅で「日吉(目黒とは書かないと思う)、西高島平」の表示だけにして、あとは路線図だけになったら、その日から大混乱(?)に陥ると思うのだけど・・・。

    B.ホームがなぜか全て対面式で島式が少ない。

    私は島式ホームには全く出会わなかった。どこかにはあるのかも知れないが・・・島式のホームだと、ホームに降りてどっち方向かを考える時間なり手段がある。が、対面式の場合、すくになくとも行く方向は先に決断して(?)ホームに降りる必要がある。こっちのホームに降りると、そこから先の終点までの駅の表示がある場合も多かったが、そこで違うと分かった場合、反対のホームに行くには少し戻る必要があるとか、もちろん、そんな表示もなく、ホームまで降りて分かった場合はさらに・・・面倒である。

     他にも「乗換駅」となっていながらとてつもなく歩かされる場合があったり(この点もシャトレ駅と大手町駅は似ている。・・・)で、要領よく乗り換えるガイドブック(丸ノ内線と銀座線は赤坂見附で乗り換えるのがよい、みたいな)は・・・日本語では、あれだけパリ本が出ている割には出てない。私の場合、今回は全ての用事がセーヌ川右岸にあったにも関わらず、宿をモンパルナスに取っていたため(これはやや失敗)、なおのことそんなガイドがあればいいと思った。

     他にも、ドアを開けるのにボタン式でなく、取っ手式の車両があって、まだこんな30年前のパリのエッセイにでてくるようなものが残っているんだと感動したり、もあったが、それはまた別の機会に。


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    パリの地下鉄、、、今でも忘れられない記憶。

    高島たいらさん

    いつも興味深いトピック楽しみにしています。

    パリを訪れたのはかれこれ十数年前、、、。

    子供二人連れの旅行でしたが、地下鉄には悪戦苦闘しました。
    ご指摘の通り、路線図が頭に入っていないとどの階段を下りていいのかも
    わからない。
    もちろんエレベータやエスカレータもなく、大きなバギーを抱えて
    階段を上ったり、降りたり、、、。

    一番困ったのが自動改札。ほとんどの改札で駅員不在。
    改札の幅もバギーよりも狭く、一度折りたたんで
    バーの上まで持ち上げて降ろす。下の子を持ち上げて降ろす。
    上の子と私は、切符を入れて一気に通過、、。

    日本でも今ほどバリアフリーは進んでいなかったけど、
    それよりもひどかった。

    忘れられないのが、ディズニーランドへの道中。
    朝早く出発し、自動販売機で切符を買うも
    近距離切符の買い方がわからない。窓口にも誰もおらず、
    仕方なく、1区間の切符を買って、目的地で精算すればいいか、、、。
    ところが、目的地に着いたら、駅員に「罰金です。問答無用。」
    と家族4人ご馳走が食べれるくらいの罰金を払わされました。

    時を同じくして、イタリア人観光客(こちらも家族連れ)も
    駅員への抗議むなしく、罰金を払わされていました。

    ルールを知らなかったのはたしかに悪かったが、
    各駅に駅員も配置せず、聞くことすらできない。

    そのくせ、私たちは、何度も目撃したのです。
    自動改札機をハードルのようにぴょんと飛び越える不正乗車の若者たちを!

    悪質な不正乗車を野放しにして、悪気のない観光客から罰金をむしり取る。

    現在は、改善されたのでしょうか?