おい、みっともないから床を塗らすなよ、防水なんかしてないよ

ヨーロッパでは、風呂とシャワーは別物だ。連中は風呂はめったに使わない。たとえ入っても、ひたひたにぬるいお湯をはって、入浴剤をいれて、それを体にかけてすぐ出る。中で暖たまったりしない。一方、シャワーは、電話ボックスのような形で、4面とも壁になっている。ここでは連中は泡をばちゃばちゃと飛び散らかす。もちろん米国風に風呂とシャワーが兼用の家もあるが、基本はシャワーコーナーのみ。風呂とシャワーが完全に独立して両方ある家もけっこうある。

ホテルの部屋で、風呂にシャワーウォールがないなら、それは、風呂であってシャワーではない。そこにシャワーヘッドがついていても、それは飾り物にすぎない。床に防水なんかしてあるところはない。木の床の上に絨毯を敷いて、そこに豪華な猫足バスタブがおいてあるところさえある。だから、日本と同じ感覚でばちゃばちゃと床を塗らしたら、下の部屋まで水漏れして、たいへんなことになる。(日本の家でトイレに床防水だの床排水だのついているところがあるか。ヨーロッパの風呂だって同じだ。ヨーロッパで日本人が風呂場の床を塗らすのは、中国人がトイレの便器の外を濡らすようなもの。どうしたらこんな風になるのか、と、あきれられる。)

ヨーロッパのホテルで体を洗いたいなら、風呂(Badwanne)付ではなく、シャワー(Dusche)付の部屋を選ぶこと。もしも床を塗らしてしまったら、すぐにタオルで拭くこと。昔はかんたんに乾いたが、いまは部屋の密閉度が高まり、すぐに天井までカビるので、ものすごい嫌われる。せっかく日本人客はあっちで評判がいいのだから、床防水だ、などと、わけのわからない嘘を広めるのはやめてくれ。

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1件のコメント

  • 10/06/14 11:53

    Re: おい、みっともないから床を塗らすなよ、防水なんかしてないよ

    文中一度ならず、再三「塗らす」なよ。

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