Re: (再) 鉄道パス vs WEB早期割引(続き)

 例えば、ヴェネツィア~フィレンツェ間のAVの場合、通常料金が42ユーロ、指定券は10ユーロ(区間に関係なく一律)ですから、差額は32ユーロ。1ユーロ=110円として3,520円ですから、元は取れません。
 フィレンツェ~ナポリ間のAVの場合、通常料金が71ユーロですから差額は61ユーロとなり、ここでは元が取れそうです。ただし、席数限定の30%割引だと50ユーロで差額は40ユーロ。やはり元は取れなくなります。しかし、AVに乗車する前にRでフィレンツェ~ピサ間を往復することにすれば、往復で11.4ユーロかかるところ、パスを利用すればタダになりますから、元が取れます。
 スレ主さんの予定とは関係ありませんが、ミラノ~ナポリ間のAVだと、通常料金が98ユーロ、30%割引でも69ユーロですから余裕で元が取れそうですが、席数限定・変更不可の「スペシャル19ユーロ」なる超激安料金が設定されており、これには全く太刀打ちできません。

 このように、WEB早期割引と指定券との料金差のみを見ていくと、パス利用で安くあげられるケースは限られます。もっとも、WEB早期割引は割引率の高いものから順に埋まっていきますから買いたいときに希望通りの料金で買える保証はありません。一度だけ変更が可能とは言っても、変更希望の列車にその割引枠の席が残っている保証もありません。思い立ってすぐ列車に飛び乗ることはできなくなりましたが、乗車当日に乗る列車を決めるような場合はパス利用が有利になる余地は大きいでしょう。また、上記フィレンツェ~ナポリ間のAVのように、同日にRを利用することでトータルには安くあがる場合もあります。さらに、スレ主さんの場合、フランス・ドイツを旅行した後でウィーン~ヴェネツィア間のENに乗車することを前提に4カ国パスを利用されるのですから、仏独墺の列車とENで元を取り、イタリアでは余った日数分を使うという考え方もできます。

 長々と書いてしまいましたが、要は、人それぞれの行程や方針によって鉄道パスとWEB早期割引のどちらが得かは異なってくるということです。強いて言えば、比較的短距離の場合や、早くから予定が固まっていて変更の可能性が低い場合には、パスのメリットはほとんどないと言えるでしょう。

 答えになっているかどうか自信がありませんが、よろしくお願いします。

  • いいね! 0
  • コメント 1件

1件のコメント

  • (ガッテン) 鉄道パス vs WEB早期割引

    初心者C さん、こんばんわ。

    鉄道パスに詳しい方がお越しになられたので質問した次第です。力作の論文まで書いて頂いてありがとうございました。難しい数式も盛り込まれていて素晴らしいと思いました。とても参考になりました。

    • いいね! 0
    • コメント 0件