10/06/05 06:50

少し意地になりました

前回のコメントはホボーケンに行くなと言う主旨ではなく、行らしゃっても良いけれど、高齢の方を連れてわざわざ行く価値があるかどうか考えてくださいねという意味での情報提供です。それに対するマルコポーロ3さんの悪意のある書き込みを読んで少し意地になりました。続きです、

ネロの像を建てるために当時アントヴェルペ(=アントワープ)市の観光局職員だったヤン・コルテールさんは大変な時間と労力(おそらくはお金も)かけました。わたしはその頃(正確に言えば像が建った直後ですが)たまたまベルギーに居て、彼と会い、彼の頼みで日本から件の物語の本を数冊買って送ったことがあります。

コルテールさんはそもそもアントヴェルペ市内の中心、物語ゆかりの聖母教会の前(かそうでなければおそらくフローテ・マルクト)にこの像を建てようと各方面に運動したのですが、許可がおりず、ネロの住んでいたとされるホボーケンにようやく像を建てることができたのです。この経緯はネットで調べればすぐに出てきます、1986年のことです。

像を建てようと思い立ったきっかけは、これもネットで調べればすぐに出て来ますが、アントヴェルペ市に来る、そして観光案内所を訪ねて来る日本人観光客が異口同音に尋ねる「ネロの像はどこですか?」と言う質問と像がないのはおろかこの物語がベルギーではまったく知られていないと言うことを知った時の観光客達の落胆ぶりです。

つい最近までベルギー人はまったくこの物語を知りませんでした。そもそも作者もベルギー人ではなく英国の作家で、アントヴェルペは単に小説の舞台であっただけで、実話でも何でもなくまったくの創作であったからです。

そうは言っても次から次に訪れてはガッカリして帰る日本人観光客は気の毒だし、アントヴェルペの発展、振興のためにもこの街に寄せる日本人の関心をそのままにする手はないわけで、コルテールさんもあれやこれやの難問をクリアしてついに像の建立にこぎつけたわけです。

コルテールさんの努力を評価することはもちろん、「***は半日で十分」とか「***は何も見るものがないので素通りして」などと個々の旅行者の興味や関心を頭から否定するつもりも権利もわたしにはありません。アントヴェルペからホーボーケンまで往復して像を見てで1時間半でしょう。その1時間半をそう言うふうに使うのは自由、あるいはその分余裕をもってアントヴェルペ市内を見物するもよし、お連れさんのことを考えて決められれば良いと思います。
http://www.visitflanders.jp/where_to_go/antwerpen/midokoro.html

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