ぼうふらおじいさんのお許しもありましたので・・・なんて^^

>せいぜい、隈取りコイルとか、コンデンサによる位相制御程度しか分からず、交流電動機の回転数制御にどんな方法があるかも良く分からないのです。コイルの位置を変えるくらいしか知りません。

これ、結構難しいです。
電子回路から入った私も同様でした。

まず交流電動機は整流子電動機と誘導電動機があります。

過去電車で使っていた電動機は4のぶさんのお話では交流でも直流でも使えるユニバーサルモータ(ブラシ、整流子付)だそうです。
このモータ、今でも(インバータ方式ではない)掃除機やミキサーや工具で使われており、直流電動機の特性があるとかで、電圧の制御でも回転数制御が可能となります。

しかし、誘導電動機の速度(回転数)は

・極数
・駆動周波数

で決まってしまいます。
基本的に電源電圧に依存しません・・・。

で、色々調べると過去の交流の電車や機関車は

・架線から給電された交流を整流し、交直両用モータ、もしくは直流モータを使用する。

と言うのが、基本の様です。

現在の様に誘導電動機を使用する場合は、上記と同様に給電された交流を整流した後、再度VVVFインバータで交流を生み出しモータを制御しています。

なお、隈取コイルは単相誘導電動機に使われる方式です。

>私にとってはPWMによるパルスモータのほうが、単純で分かりやすいのですが、それはサイリスタ、バリスタ、パワーFETが自在に使える時代だからですよね。

はい。
私もモータはパルスモータから入りましたが、あのモータ基本的には同期電動機であり、回路で作った交流で回転させていますので、交流モータの1種と言えます。

と言うか、マブチモータなどの直流モータでも、自身でブラシと整流子で回転磁界(交流)を作っていますので、磁界的にみれば全て交流と言えるのですが、モータ単体に

直流電圧を加えて勝手に回転するモータを直流モータ
交流電圧を加えて勝手に回転するモータを交流モータ

と称している・・・そんな感じです。

なおパワー半導体は、今はIG-BTが主力になり、さらにはより高速、低ロス、高耐熱のSiCやGaNなどの素子が実用化されつつあります。

自分の勉強もかねて・・・長々と失礼しました。

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1件のコメント

  • 次の問題は(笑)

    内蔵介さん、丁寧な解説ありがとうございました。

    大分スイスと離れてしまいましたが、許してもらいましょう。
    やはり、同期電動機では速度の調節が容易でないので、ブラシ付きの電動機を使っているのですね。そうすると、電圧で回転数が変えられるようにはなりますが、それもそんなに簡単ではないと思います。
    電圧を変えるのに一番能率が良いのは、トランスを積んでそのタップを切り替えることですが、周波数が低いと巨大なトランスが必要になりそうです。もうひとつの方法が、シリーズに抵抗を入れて電圧をドロップさせる方法です。電車の下に大きな「抵抗器」の箱がありますが、あれがそのための抵抗器なのでしょうか?それとも、モータを使ってブレーキをかけるための負荷抵抗なのでしょうか。
    教えていただけると助かります。

    別の問題ですが例の登山鉄道の歯車は、車軸とつながっているのでしょうか。
    坂に差し掛かると、60km/h位で「ガン!」と言う音とともに線路と噛み合いますが、意外に振動が少ないような気もするのです。何か、車軸と歯車にバッファが入っているのでしょうか。
    グリンデルワルト・グルントの車庫で、下を覗いてみたのですが、分かりませんでした。

    スイスがらみでは、今はジュネーブのホテルを探しているのですが、レマン湖ほとりのホテルは高くて手が出ません。

    もう少し、この電動機の話題を続けたいような・・・

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    トランス

    >やはり、同期電動機では速度の調節が容易でないので、ブラシ付きの電動機を使っているのですね。そうすると、電圧で回転数が変えられるようにはなりますが、それもそんなに簡単ではないと思います。

    確かに「難しい」のでしょうけど、レーティッシュ鉄道が開通して100年。
    当時の最高の技術を集めて「鉄道」と言うシステムを作り上げていたのには驚かされますね。

    >トランスを積んでそのタップを切り替えることですが、周波数が低いと巨大なトランスが必要になりそうです。

    確かに周波数が低い分、大型化するのは事実ですが、その方式で電気機関車が走っていたのも事実。

    モータやトランスは容量が大きくなるほど、また一次側の電圧が高くなれば効率も上がりますので、身近にある数kVAの柱上トランスから電車のトランスを想像する事は無理があるのでは無いかと思います。

    余談(の余談)ですが、工場などの変電所に設置する大型のトランスも、鉄道で輸送します。

    http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001174&__m=1



    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84%E3%82%B7%E3%82%AD1000%E5%BD%A2%E8%B2%A8%E8%BB%8A

    こんなトランスを作っていると、電車を動かすトランスなど、かわいいもの・・・と思うような気がします。

    ラック&ピニオンですが・・

    >坂に差し掛かると、60km/h位で「ガン!」と言う音とともに線路と噛み合いますが、意外に振動が少ないような気もするのです。何か、車軸と歯車にバッファが入っているのでしょうか。

    ラック区間への進入の振動でしょうか?
    旧国鉄の碓氷峠の例であれば、ラックレールのエントランス部でラックのピッチが大きめに作られるエントランス部が2箇所(数mずつ)設けられて、機関車が前進するうちに確実にギアがかみ合う仕組みになっていたようです。

    最初の歯がかみ合わないと壊れますので、普通に考てもこのような工夫はスイスでも成されていると思います。(未確認)

    なお、時速60km/hで進入・・・と言うのはちょっと速過ぎませんでしょうか?
    昨年のスイスや、過去の大井川鉄道の経験では・・・かなり徐行しながら・・・の印象です・・とまあ、どっちでもよいことですが・・・