Re: スイスの電車のパンタグラフの数

日本の事情を説明いたしますと、交流電化区間はパンタグラフ1本での走行が基本です。
理由のひとつとして、直流(DC1600V)に比べ交流はAC15000Vと高圧のためパンタグラフから給電する電流が小さいためパンタグラフは1本でこと足ります。

ですから日本の事情で言えば、直流区間との相互運転をしますが、直流区間では電気機関車も緒前後2つのパンタグラフを使いますが、デッドセクション手前で前のパンタを下げます。

スイス国鉄はおおむね交流電化だそうです(15kV、16.7Hz)ので、同じ事情だと思います。
1本で済むなら複数使って架線をしょうもうさせる必要はありませんよね。

TGVは前後先頭が機関車なのでパンタは2本ではないかと思います。

パンタグラフが架線から離れる件ですが、進化線でも火花を散らして走っていますように、離れる事を前提の構造でしょう。一瞬のであれば惰性が勝つため走行には問題ないのでしょう。

なおYarlan_Zey さん御指摘の様に3相交流を使った登山電車もありますが、菱形のパンタグラフが横並びになっており、真横から見ると1つに見える構造、上から見ると3本が独立しています。

国鉄時代からパンタグラフと言えば菱形でしたが、高速走行にはTVGなど欧州電車の「く」の字の方が優位だそうで、現在ではJRも新幹線などで採用されていますね。

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1件のコメント

  • 15kV、16.7Hz ですか。

    内蔵助さん、明快なご説明、ありがとうございます。

    パンタグラフが2つあるのは、瞬間停電防止の問題で
    はなく、電流容量の観点からなのですか。知りません
    でした。

    スイス国鉄は、交流ですか。 私は、交流=高電圧
    =多段の碍子 と思っていたのですが、比較的低電圧
    の交流なのですね。(スイスの架線は、多段の碍子
    ではなかった)

    でも、16.7Hz とは、どえらく低いですね。変圧器の
    変換効率が下がるのではないかと思いますが。
    あるいは、トランスが大型になってしまう。

    なお、いずれにせよ、瞬間停電のリスクはあるので、
    制御系等は、2次電池でバックアップですね。


    ちなみに、登山電車というと、古いテクノロジーの
    イメージがありますが、かなりはチョッパー制御でした。
    登山電車は、上りと下りがあるので、回生ブレーキを
    使わない手はないですからね。

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    登山鉄道・・・古いタイプは屋根にブレーキ用の抵抗が乗っかっています。

    GGA02757さん、こんばんわ。

    >パンタグラフが2つあるのは、瞬間停電防止の問題ではなく、電流容量の観点からなのですか。
    >知りませんでした。

    確証はありませんが、先に書いたように交直両用の電気機関車は直流区間でパンタ2台、交流区間はパンタ1台で走行します。

    スイスと共通なのかどうか判りませんが、日本の場合他に

    交流直流切り替えのデッドセクションで、交直流区間両方にパンタが繋がると危険なので、必ず1パンタにするようです。
    また50Hz/60Hzにまたがる場合も同様です、特に長編成の電車列車。

    と言う理由もあるそうです。

    西村京太郎の鉄道推理小説のトリック(アリバイ破り)ネタにに、使っているパンタグラフの数がキーになる作品がありました。(題名は失念)

    >スイス国鉄は、交流ですか。 私は、交流=高電圧
    >=多段の碍子 と思っていたのですが、比較的低電圧
    >の交流なのですね。(スイスの架線は、多段の碍子ではなかった)

    碍子の差まで気づきませんでしたが、先ほどVISPで撮影した写真を見直しますと、架線を吊るところに碍子は無く、電柱と架線をナナメに支える支柱との間に小さな多段碍子が配置されていますね。

    >あるいは、トランスが大型になってしまう。

    仰せの通りです。
    Wikiで調べると、50Hz前提に設計した機関車は16.7Hz区間では出力が制限されてしまうとあります。
    スイス機関車往年の名機、クロコダイルのサイズが大きいのも頷けます。

    >なお、いずれにせよ、瞬間停電のリスクはあるので、
    >制御系等は、2次電池でバックアップですね。

    たしかに何かしらのバックアップは必要ですよね。
    ただ・・・電池でなくても電車が走行していれば、車軸に連動した発電機を回すと言う手もありますが・・・実際はどうでしょう・・?