ベルリンに着いたのは14時近く。やや早めの夕食にしよう、と考えていた。今回のベルリンのご飯はホテルの近くのクーダムか、ベルリナーレ(ベルリン国際映画祭)のメイン舞台であるポツダマープラッツのどちらかで、ドイツ料理、と決めていた。ベルリン到着後に直ぐにポツダマープラッツに行き、ベルリナーレのチケット売場をしばらく眺めて、催しや映画を観るのを断念した段階でレストランの下見に行った。歩き方を見て、というのもあるが、やはりメニューがきちんと出ていたMommseneckに行くことにした。
http://www.mommseneck.de/index.html
ポツダマープラッツの駅を降りて(Sバーンの方が便利がいい)Leipziger Platzを背にするとAlte Potsdamer St.という歩行者天国がある。そこを歩いて100メートルも行かないだろうか。左手に小さな入口がある。Linkstrasse側が大きな入口みたいなのだが、そちらからは出入りしなかった。
土曜日の夜、18:30頃だったのだけど、大混雑である。この手のレストランは混雑時に入口で待ってても、誰も来やしないので、つかつかと奥に入って行ってウエイターを捕まえて、予約をしてない一人だが席はないかと頼むと、机を動かして、席を作ってくれた。今回みたいに、レストランに一人で入った時の数少ない利点は予約なしでも席を何とかしてくれる可能性が高い、ことくらいか。
すごくにぎやかである。ほぼ満席なのはもちろん、ジモティらしきおじいさんが二人でビールを飲んでいる横で、ベルリナーレの関係者札を首にかけた英語集団が5、6人で話している。このベルリナーレ関係者が多いだろうとは踏んでいたのだけど、ドイツで唯一土地勘のあるベルリンで、こんな騒がしいレストランを見つけたのはうれしい。さあ、飲んで食うぞ・・・と気分が高揚してきた。
メニューを頼むと・・・ドイツ語版と英語版を持ってきた。料理名はともかく、内容は英語でないとよく分からない。ドイツ語のメニューで言うと、Berliner Gerichte(これを英語版ではメインディッシュみたいに訳していた。)の453のHausmacher Schweinskopfsuelzeに魅かれた。自家製・・・いい言葉である。シュパインの頭までは分かったが、そのあとが分からない。英語ではaspicと書いていたのだけど、この単語を意識しなかった。(外国で高尚なお店に行ってないことがすぐ分かるが・・・)まあ、豚料理だし・・・と注文した。
ビールの方は、小さな字の方を探していて、適当なドイツビールを頼もうとしたら、最初の10種の中からオーダーしたほうがいいという。で、このお店の主力商品のBerliner Kindlを頼んだ。どうでもいいことだが、ベルリンのビールシェアはBerliner pilsnerというのが一位、このkindlが二位だそうで、ベルリンのメジャーなビールである。外は一桁台の温度であったがうまい。500CCを飲み終わりかかったとき、料理が来た。
私は急いでスマホ辞書でaspicを調べてみた。「ゼリー寄せ」とある。半径15センチ、角度45度くらいのピザみたいな「ゼリー寄せ」が付け合わせと一緒に三枚載っている。これって・・・・・・。私もフレンチの前菜や和食で「ゼリー寄せ」は何度も食べているが、普通、「ゼリー寄せ」というのは、羊羹一切れくらいの大きさのものが、ちょっこっとでてくるものと思っていた。これがバンバンバーンと三枚出てきたら、「メインディッシュ」になるものなのか・・・
付け合わせはザウアークラウトとジャガイモ料理が付いている。そのイモを一口食べると・・・これはまぎれもなく「ジャーマンポテト」である。私は今日まで「スパゲッティ・ナポリタン」と同様、食材にちなんだ地名を適当に付けただけで、日本の居酒屋やスーパーの総菜売り場以外にこのような料理は存在しないと思っていたのだけど、まさかベルリンで食べられるとは・・・ドイツ語で何というかまでは調べきれなかったけど。
メインディッシュとしてはいかがかと思いつつ、この「自家製豚の頭の肉のゼリー寄せ」(と日本語で書いていたら、多分、頼まなかったような気がする。)はビールのつまみとしては最高、である。うまい。で、結局、500CCのビールを3杯。実はパンが無性に食べたくなったのだけど、ここでパンを食べると他が食べられなくなると我慢した。ビール3杯でお腹一杯になった。
ふと、隣の二人席を見ると、スマホを眺めながら一人で食べている男の皿に目がいった。そう、写真付きで出ている(ベルリン風?)アイスパインである。一度、あの骨付きのお肉を食べてみたい。・・・値段も自主規制値の上限ぎりぎりである。明日はあれにしよう。・・・今日のお勘定は24.5ユーロ。30ユーロで2ユーロもらって、出口に向かった。