レポート

ドイツのお酒と食事その5・・・ベルリンその1

公開日 : 2015年03月05日
最終更新 :

 ベルリンに着いたのは14時近く。やや早めの夕食にしよう、と考えていた。今回のベルリンのご飯はホテルの近くのクーダムか、ベルリナーレ(ベルリン国際映画祭)のメイン舞台であるポツダマープラッツのどちらかで、ドイツ料理、と決めていた。ベルリン到着後に直ぐにポツダマープラッツに行き、ベルリナーレのチケット売場をしばらく眺めて、催しや映画を観るのを断念した段階でレストランの下見に行った。歩き方を見て、というのもあるが、やはりメニューがきちんと出ていたMommseneckに行くことにした。
http://www.mommseneck.de/index.html

ポツダマープラッツの駅を降りて(Sバーンの方が便利がいい)Leipziger Platzを背にするとAlte Potsdamer St.という歩行者天国がある。そこを歩いて100メートルも行かないだろうか。左手に小さな入口がある。Linkstrasse側が大きな入口みたいなのだが、そちらからは出入りしなかった。

 土曜日の夜、18:30頃だったのだけど、大混雑である。この手のレストランは混雑時に入口で待ってても、誰も来やしないので、つかつかと奥に入って行ってウエイターを捕まえて、予約をしてない一人だが席はないかと頼むと、机を動かして、席を作ってくれた。今回みたいに、レストランに一人で入った時の数少ない利点は予約なしでも席を何とかしてくれる可能性が高い、ことくらいか。

 すごくにぎやかである。ほぼ満席なのはもちろん、ジモティらしきおじいさんが二人でビールを飲んでいる横で、ベルリナーレの関係者札を首にかけた英語集団が5、6人で話している。このベルリナーレ関係者が多いだろうとは踏んでいたのだけど、ドイツで唯一土地勘のあるベルリンで、こんな騒がしいレストランを見つけたのはうれしい。さあ、飲んで食うぞ・・・と気分が高揚してきた。

メニューを頼むと・・・ドイツ語版と英語版を持ってきた。料理名はともかく、内容は英語でないとよく分からない。ドイツ語のメニューで言うと、Berliner Gerichte(これを英語版ではメインディッシュみたいに訳していた。)の453のHausmacher Schweinskopfsuelzeに魅かれた。自家製・・・いい言葉である。シュパインの頭までは分かったが、そのあとが分からない。英語ではaspicと書いていたのだけど、この単語を意識しなかった。(外国で高尚なお店に行ってないことがすぐ分かるが・・・)まあ、豚料理だし・・・と注文した。

 ビールの方は、小さな字の方を探していて、適当なドイツビールを頼もうとしたら、最初の10種の中からオーダーしたほうがいいという。で、このお店の主力商品のBerliner Kindlを頼んだ。どうでもいいことだが、ベルリンのビールシェアはBerliner pilsnerというのが一位、このkindlが二位だそうで、ベルリンのメジャーなビールである。外は一桁台の温度であったがうまい。500CCを飲み終わりかかったとき、料理が来た。

 私は急いでスマホ辞書でaspicを調べてみた。「ゼリー寄せ」とある。半径15センチ、角度45度くらいのピザみたいな「ゼリー寄せ」が付け合わせと一緒に三枚載っている。これって・・・・・・。私もフレンチの前菜や和食で「ゼリー寄せ」は何度も食べているが、普通、「ゼリー寄せ」というのは、羊羹一切れくらいの大きさのものが、ちょっこっとでてくるものと思っていた。これがバンバンバーンと三枚出てきたら、「メインディッシュ」になるものなのか・・・

 付け合わせはザウアークラウトとジャガイモ料理が付いている。そのイモを一口食べると・・・これはまぎれもなく「ジャーマンポテト」である。私は今日まで「スパゲッティ・ナポリタン」と同様、食材にちなんだ地名を適当に付けただけで、日本の居酒屋やスーパーの総菜売り場以外にこのような料理は存在しないと思っていたのだけど、まさかベルリンで食べられるとは・・・ドイツ語で何というかまでは調べきれなかったけど。

 メインディッシュとしてはいかがかと思いつつ、この「自家製豚の頭の肉のゼリー寄せ」(と日本語で書いていたら、多分、頼まなかったような気がする。)はビールのつまみとしては最高、である。うまい。で、結局、500CCのビールを3杯。実はパンが無性に食べたくなったのだけど、ここでパンを食べると他が食べられなくなると我慢した。ビール3杯でお腹一杯になった。

 ふと、隣の二人席を見ると、スマホを眺めながら一人で食べている男の皿に目がいった。そう、写真付きで出ている(ベルリン風?)アイスパインである。一度、あの骨付きのお肉を食べてみたい。・・・値段も自主規制値の上限ぎりぎりである。明日はあれにしよう。・・・今日のお勘定は24.5ユーロ。30ユーロで2ユーロもらって、出口に向かった。


  • いいね! 0
  • コメント 3件

3件のコメント

  • 「ベルリナーヴァイセ」と言われるピルスナータイプのビール→いいえ。言われてません。

    >ベルリナーキンドル自体は、おっしゃるとおり「ベルリナーヴァイセ」と言われるピルスナータイプのビールで、

    いいえ違います。

    ベルリナーキンドルには
    ピルス
    ボックヘル
    ボックドゥンケル
    ラドラー
    ヴァイセ の銘柄があります。

    普通にベルリナーキンドルといえばピルスを指します。
    おそらくあなた様が飲んだはベルリナーキンドルピルスだと思われます。
    ベルリナーキンドルピルス≠ベルリナーキンドルヴァイセです。

    ベルリナーキンドルヴァイセは酸っぱいです。ボトルだと青色ラベルで大きくWeiseと書かれています。
    店では普通はプレーンの状態では飲みません(提供されません)。ほぼ必ず赤か緑を選択するはずです。ゆえにその選択がなかったのなら、飲んだはベルリナーキンドルヴァイセではなくベルリナーキンドルピルスだと思われます。

    ベルリナーヴァイセはピルスでもなんでもなく、少なくともヴァイスビアの一種です。大麦と小麦ののミックスですが。

    ピルス(ラガータイプ。下面発酵)とヴァイス(エールタイプ。上面発酵)の区別を理解できていなければ、ベルリナーキンドルヴァイセの色合いとすっぱい味からピルスに似ている(?)からまたはヴァイス似つかない味だから、ピルスであると勘違いしてしまうこともあるのかも。

    前にも書いたように、上面発酵ケルシュを下面発酵ラガーを色合いを味から勘違いしてしまうドイツ人もいるくらいですから、ビールは奥が深いです。

    なお、確認のために書きますが、われわれが飲むよく知られている赤と緑のベルリナーヴァイセはピルスを割るのではなくヴァイセを割ります。(ベースがヴァイセ)


    以上気になったので訂正させていただきました。
    ビールの都ミュンヘン編も楽しみにしています。

    • いいね! 0
    • コメント 0件
  • Head Cheese

    とわたしらは豚のゼリーよせ呼んでます。

    http://en.wikipedia.org/wiki/Head_cheese

    乳性のチーズでないのになぜチーズなんだろう。

    ポチの大好物。 ミケはだめ。

    Eisbein に Schweinshaxe も ポチの大好物。

    どんなパンがありました? ポチはパンもPumpernickle (黒パン)
    とか カイザーロールとか フランスの よりドイツのがっつりしたの がすき。
     

    • いいね! 0
    • コメント 2件

    カイサーロール の カイザーとはプロシアのでなく ハプスブルクなんだ

    http://en.wikipedia.org/wiki/Kaiser_roll

    どうりでウィーンで美味しいわけですね。

    パンパー二コルはウェストファリアなんだ。
    http://en.wikipedia.org/wiki/Pumpernickel

  • ドイツのお酒と食事その5・・・ベルリンその2

     翌日の日曜日、フランクフルトから小一時間かけて帰ってきたのだけど、ポツダマープラッツにたどり着くのに時間がかかり、レストランに着いたのが19時頃だったろうか。もちろん、昨日のMommseneckである。ところが、昨日以上に混雑していて、一人だ、と言うと、一杯だから2階に行ってくれ、とのこと。2階があることを初めて知ったが、2階も混んでいて、1階に行けという。前にも書いたが、このパターンになるととにかく空席に一人で割り込むことが大事で、もう一度1階に戻り、上も一杯だから何とか探してくれと言うと、たまたま空いた4席を2つに分けて、席を確保してくれた。

     アウターを脱いで席にかけて、今日はアイスバインだ、と考えていると、メニューを2つ持ってきてくれた。ドイツ語版と何ともう一つは「日本語版」であった。最近は「にいはお」と声をかけられて、ムッとくることが多いので(?)、日本人と的確な判断をしてくれたウエイターにはうれしくなった。が、この手のメニューは得てしていまいちな日本語が多い。ざっと眺めてみて、グーグル先生の翻訳よりややいいか、くらいだったので、あまりあてにしない方がいいと思う。

     何も迷わず、ベルリン風アイスパインとベルリナーキンドル500CCを頼む。すると横のカップルの女の方が「パルドン、パルドン」と大声を上げた。うるせえ、ここはベルリンだ。と思いつつ見ていると、仏語のメニューのリクエストである。男の方を見ると、なんとあのケルシュの「フリュ」の瓶入りを、ケルシュの200CCグラスで飲んでいる。ベルリンには首都が移った時に、ボンの政治家や官僚が一斉に引っ越したため、ボンやケルンの食文化が引き継がれている、なんて話を聞いたことがあるが、フランス人がベルリンで瓶入りフリュを飲んでいると、ベルリンくんだりのビールなんて飲めるか・・・という主張のような気がしないでもない。・・・考えすぎか。

     最初の一杯を飲み終わったころ、料理がでてきた。今回のドイツ旅行で初めて予想通りのもの(?)が出てきた。付け合わせはザウワークラウトに味付けマッシュポテトにただのゆでたジャガイモである。例えばブロッコリーでもニンジンでもコーンでもいいから、他の温野菜を付け合わせに使おうという発想は彼らにはないのだろうか?

     本体の豚肉はゼラチン質のところも含めて、味が良くしみていておいしい。ナイフフォークで崩しながら食べるのは好きなのだけど、やはり量はそこそこある。もう一品頼んで二人でシェアくらいがちょうどいいかも知れない。でも、ビールによく合う。・・・・やはりパンを猛烈に食べたくなるが、これも我慢。実は隣の視線がやや気にかかった。私も和食の国から来たんで、これが料理としてどうかとは思いますが、ここはパリや東京ではないので、こういうのを食べてみるのも・・・と説明したくなるような、弱気になってしまう。結局隣の仏人カップルはビール一本ずつで引き上げていた。ちょうど視線の正面にいたベルリナーレ関係の日本人らしきカップルもビールだけ飲んで帰っていたので、飲むだけの人も多いのかも知れない。

     で、500CCのビール3杯でやはりお腹一杯。27.9ユーロ。ちょうどいい、30ユーロ払って店を出た。帰りにZOO駅の駅前の「カレー36」という有名なカレーヴュルストのお店の前を通ったが、小腹もすいてなくて、横目で通り過ぎた。

    • いいね! 0
    • コメント 3件

    旅先でまず一杯というのは万国共通のおとなの文化

    肝炎でも何でもなく、ただわがカーちゃんの回教に従い禁酒している私達ですが、酒を所望しなくなって幸せなのが
    一品をよく味わうことが出来るようになったこと。別の料理が来た時の口直しは水でいい。
    国内のホテルなどで食事をすると必ずメニューを置く前に「待ってました」と言わんばかりに酒を強要する。
     他所へ行っても食事をしに外へ出ようとは思わなくなっている、ようはナマケモノなのだ。
    また、酒好きは大びん10本近く空けた夜中、屋台のラーメンを欲すのは何故なのか未だ私の疑問点なのだが、
    呑んだ後のラーメン(麺類)というのも万国共通かしら?
    私は最近、アラーに見つからなければ飲んでもいいと思っており、周りは偽回教徒と言われながら大きなお世話だと思っている。味覚が麻痺してどんな酒が出てきても謙遜するようになった。子供に戻ったとも言う。
    オレンジジュースを無性に欲す場も多くなっている。