ヴィースバーデンのホテルに入ったのが20時頃、そこから徒歩で10分くらいのKaiser-friedrich-Thermeに入ったのは20時半くらいだったか。金曜日は24時までなのでゆっくりできる、と考えていた。
欧州に限らないが、水着を付けて入る温泉というのが嫌いなのだけど、ドイツの温泉で水着なしというのは、あまりない。ここは数少ない「水着なし」温泉なので決めたのだが、「混浴」と言うことに関しては(私が男だからというのもあるが)あまり気にしていなかった。
場所が分かりにくく、ヴィースバーデンの歩行者天国でもあるメイン通りのLanggasseという通り(バス1か8でWebergasseが最寄りバス停)を少し歩くとSubwayがある。その向かいに小さな広場があり、その広場の奥に入口がある。受付に行くと、どこから来たかというので、日本からというと、A4の立派な日本語解説をくれる。こなれた日本語なのだけど、読んでもそんなに目新しいことは書いてない。受付けのおじさんの英語の説明では、何も着てはいけないということを言われるが、そんなことは分かっている。バスタオルをレンタルし、向うが更衣室だというので、スタスタ歩いて行った。
更衣室のロッカーはそこそこ大きくて、IC錠なのでがちゃがちゃすることもない、さあ脱ぐかとふと向うをみると上半身裸の女の人がいる。一瞬パニックに陥った、というのは、何で女の人がいるのか、そもそも、ここで全裸になっていいものか・・・ところが、すぐ後ろから来たドイツ人の男はその場で脱ぎだした。・・・・この「男女混脱衣所」というのは、さすがに混浴がある国から来た人間でも理解に時間がかかった。一応、更衣室みたいな個室があるが、その向こうのパウダールームでは、ブラジャーを付けようとしている女の人の横で、男の人がドライヤーで髪を乾かしていて、何のための更衣室か、よく分からない。
浴室の方に向かうと、途中にシャワー室がある。このシャワー室とトイレだけが男女別々だが、トイレはともかく、シャワー室が別々なのもよく分からない。また、カランはないので髪や体を石鹸で洗うのであれば、ここだけである。(立ちシャワーだが。)さらに進むと「バー」がある。簡単な軽食まで取れるが、もちろん、男女ともバスタオル一枚の恰好で利用できて、会計もIC錠を使い後払いになるので、キャッシュは要らない。
いよいよメインの浴槽のところに出てきたが・・・「混浴」というのを甘く見ていた・・・男性が6割、女性が4割くらいだったが、当たり前だがみんな裸で、これだけの見知らぬ男女の裸を見るのはカリブ海のヌーディストビーチ以来、であった。とりあえず、二つ並んでいるメインの浴槽に入る。日本人にとってはややぬるめだけど、塩分があって、水酸化ナトリウムのぬるっとした感じのお湯である。ちなみに浴槽に入るときはプールの手すりみたいなところで一旦全身をさらす必要があり、おっぱいやおちんちんを隠して入る・・・というのは、無理である。念のため。浴槽でざっと見回すとカップルが多い。アジア系の人はほとんどいない。
サウナも高温と低温があり、普通に日本で見るサウナと同じだが、持ってるバスタオルは下に敷くため、素っ裸である。(サウナマットみたいな高尚なものはない。)女性サウナは知らないが、日本では男性の場合、タオルを膝のところに掛けている人がほとんどだが、そんなものもない。なので、ドアを開けると裸の男女がわっと居て一旦躊躇するが、腰かけてしまえば後はサウナを楽しむだけ、なのだけど・・・・左を見ると、すらっとした脚があって辿っていくと、金髪のお姉さんが目をつぶって片膝に顔をあてていて、右を見るとおっぱいも露わなおばさんが座っている、というのは、とにかく早く慣れること、である。
(ロシア風)スチーム蒸気サウナというのは、温泉のお湯をそのまま使っているらしく、硫化水素のにおいがほのかにする。これって硫化水素中毒にならないのだろうか、と心配しつつ、蒸気が多すぎて前が見えない中、これも良かった。タオルに関してはみんなバスタオル一枚だけで全てを済ましているが、体をふくのを別にしたければ、二枚借りればいい。また、浴槽間の移動時には男性も女性もバスタオルを羽織っているが、どこまで意味があるのかよく分からない。とにかく、どの浴槽、サウナも入るときはタオルもつけず、裸である。
一時間ちょっと入ってタオルレンタル込で16.1ユーロ。建物の減価償却は済んでそうなので、こんな値段なのか・・・繰り返しだけど、見知らぬ男に私の裸はみせないのよ、という主義の女性は、別の温泉施設(水着着用のところがいくつもある。)か、火曜日のレディースデイに行った方がいい。(男性も同じだけど。)ということで、いいお湯、サウナだったのだけど、心からリラックスできたかと言うと・・・よく分からない。