レポート

ドイツのお金事情

公開日 : 2015年02月15日
最終更新 :

 普段はどこの国でも色々と試してみるのだけど、今回はレストランと駅以外ではほとんど買い物をしなかったので、全くと言っていいほど「実験」は出来なかった。・・・今回の最大の実験は口座を持っているフランスのケス・デパーニュのキャッシュカードが使えるかどうか、であった。で、フランクフルトの遠距離駅のATMで引き出してみると・・・・問題なくキャッシュをゲット。危惧していた「フランスの銀行のカードでドイツのATMを使うと、画面がドイツ語かフランス語だけになるのではないか?」というのは杞憂で「国際カード」の概念が残っているのか(一応、Cirrusのネットワークを使っているみたいだけど、SEPAの関係もあり、最近のユーロ圏はどうなっているかよく分からない。)、英語の選択画面が出で来る。ユーロ圏だと月四回まで無料で引き出せるとのことで、これでお金の問題は全て解決(?)してしまい、以後はキャッシュについては悩まなかった。この銀行、日本語の対応も今はまだしてくれているので(もっとも、ところどころ仏語だけにもなるが。)年に一回以上、観光かビジネスでユーロ圏に行くなら、ユーロの運用も合わせて使ってみるのも損はしないと思う。・・・ただ、キャッシュカード使用料が年単位で15ユーロくらい必要。

 フランクフルト空港のゲートが工商銀行(ICBC)の宣伝で埋まっていたのにびっくり。フロアには「交通銀行」と書かれた大きな宣伝もある。彼らと日本人との大きな違いは、「日本人は外国では漢字を使わないこと。」のような気がする。今回、わざと銀聯対応のキャッシュカードは持っていかなかったのだけど、ATMのざっと6割くらいは銀聯に対応していて、ATMに関しては、ほとんど不自由しない。ただ、商店に関しては、日本ほど普及しておらず、銀聯のクレカはまだ不自由である。DBみたいにJCBは使えても、銀聯が使えないという今時あり得ない(?)ところもあるが、銀聯の普及は時間の問題でしょうね。

 ドイツではGeldkarteという電子マネーがあり、これはほとんど100%近く普及しているが、キャッシュカードに付属する仕組みで、スイカみたいな単体で外人も使えるようなカードは見つけきれず。また、今回はマスターカードのPayPassをスマホに仕込んできたのだけど、これは全く普及していない。電子マネーがいまいちなのは、アジアの国みたいに交通カードから普及する「基盤」がないためと思うけど、どうなんだろう。また、V Payというユーロ圏独自のVISAのデビットカード規格(SEPAに対応)のシールはよくみたが、ユーロカードが買収された関係で伝統的にマスターカードが強いドイツもVISAがだんだん強くなってきているのだろうか?

あとはお釣りの出る自販機が増えている(?)のが印象的。また、現地で思い出した駅の有料トイレだが、今回は1桁台の温度の中ビールをよく飲んだので、5~6ユーロくらい使った(!)。駅によってまちまちで0.5~1ユーロくらいで、トリア駅だけは50セントしか使えず苦労したが、他の駅は複数のコインに対応。いずれにしろ小銭は持っておいた方がいい。

 クレカは5回くらいしか使わなかったが、全てチップ処理。別途書くが、DBの検札用ターミナルが磁気対応(本人確認用、決済ができるかどうかは分からない。)で、わざわざチップの付いたクレカを登録したのに、ちょっと意外だった。今回は駅で並ぶことはなく、レストランもレシートを持ってきてくれるので、「ドイツ人の手書きの数字」の判読に悩むことはなかったけど(レストランの入口の黒板に書かれた「本日のお勧め」の値段はたくさん見たが、こっちは数宇以前にドイツ語のメニューの解読が困難で、「苦労」はしなかった。・・・)、彼らのあの分かりにくいアラビア数字はちょっぴりなつかしかった。

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1件のコメント

  • フランクフルト空港の入国・・・・・

     全日空の「夜行便」は、フランクフルトに午前5時頃に着く。20世紀以来のフランクフルトからの入国(!)だった。私は生まれて初めての外国入国がフランクフルト空港だったので、思い入れがあるのだけど、その昔は、パスポートの表紙を見せるだけで中身も見ずに通してくれたのにびっくりしたが、さすがに今はシュンゲン協定とテロリストのためにきちんと入国審査がある。早朝だったが、ゲートを4つしか開けてなく、乗ってきた全日空の787の満員の客と、もう1便くらいの到着が重なり、そこそこの列になった。

     一番端の「Crew」のゲートを解放していたので、その列に並んだのが失敗の始まり・・・途中、乗ってきた便の全日空のCAがやってきた。係官も先に来い、という仕草をする。当然のことながら、「Crew」の列はクルー優先であり、一般人は後回しなのだけど・・・10人はいなかったが、全日空のCAは一人ずつ超恐縮しながら割り込んで通って行った。が、係官は彼女らについては、パスポートにスタンプを押すだけで、登録作業をしていないのが若干気にかかったが、どうなんだろう。

     ちょっとすると、トルコ人の家族がやってきた。(係員がまとめて持ってたパスポートの国名が見えた。)だんなさんが車いすで、奥さんと小学生くらいの子供が3人。車いすなので、やはりここが優先レーンになる。車いすを押してきた係員が、「Holiday?」と聞いていたら、だんなが「Yes」と答えていた。次は私だったのだけと、笑顔で譲ることになった。・・・・

     が、である。私はドイツの出入国行政の専門家ではないし、トルコ人や車いすの人に対して差別する訳ではないが、40代くらいにみえる車いすのだんなが、家族全員を連れて、わざわざドイツまで「ホリディ」で来るものだろうか?しかもやりとりをしているだんなは英語をしゃべっていて、ドイツ語をしゃべらないところを見ると、ドイツに滞在経験があるわけでもない。ずっと車いすなのか、今だけ車いすなのも分からないが、この手のタイプはイミグレでひっかかりやすい。・・・。

     案の定、係官も似たようなことを考えたらしく、車いすの人は優先して入国検査・・・ではなく止められた。彼の説明によると、10日間の休暇でドイツには5日間滞在、他はシュンゲンカントリー(具体的な国名は聞き取れなかった)を回るとのこと。係官はドイツのホテルの予約を見せろ、という。彼はスマホを操作して係官に予約画面を表示したスマホを渡した。しばらく見ていた係官は「ここには2日間の予約しかない、残りホテルの予約を見せろ。」と言う、ほう、なかなか鋭いじゃん・・・結局、全員の指紋を確認(登録?)することになり、子供も含めて全員が指紋の機械(?)のところで、登録することになった。だんなも車いすから立たされて、足を引きずって指紋機械のところにいくことになった。どうも、一時的な怪我のようだ・・・

     ふと、周りを眺めると私の後ろは誰もいなくなっていて、別の列もあと一人、二人になっていた。私も隣の列に並びなおした。私は2年前のキプロス出国記録がないことを若干危惧していたのだけど、キプロスはEUでもシュンゲン国ではないせいか、はたまた、そんなことは気にしないのか、何もなくすぐにスタンプを押してくれた。パスポートを返してくれる時には、係官は「Danke」といってくれた。・・・で、あの家族が入国できたのか分からなかったけど、なんだか切ない話である。いかん、「弾丸」にこのような時間のロスは許されない・・・結局、やりとりを見ていたために、入国に20分くらいかかってしまった。

     問題の「フランクフルト空港税関」は、赤も緑もきちんと「アーチ」になっていたのはちょっとびっくりしたが、緑ランプを全くの素通りで、係官は雑談をしていて何のお咎めもなし。一時期の大騒ぎの頃と方針は変わったのか・・・ということで、久しぶりのドイツ入国でした。

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