10/03/15 08:25

違いはあります

まずエアベルリンは、何度も書くように、純粋なLCCではありません。
大手とLCCとの中間的な存在。

ちなみにAB便はケルン・ボンには直接飛んでおらず、
今月末で調べると、30日に、
STN–DUS
AB8893 07:25 09:45
AB8747 16:15 18:25
AB8343 19:50 22:00
が最低104ユーロ。翌日、早朝なら29ユーロなので、安いことは安い。
しかも、一部の路線は経由便なので、接続保証をしないことが決まりの
LCCとは一線を画しています。この点は、ベルギーのエアラインに近い。

さらに、LCCの雄であるライアンエアーとイージージェットは、かなりベクトルが
異なるような気がします。前者は徹底的なコストカットで、辺鄙な空港、早朝深夜、
荷物への課金(これは他のLCCも追随傾向)、冗談抜きのトイレ使用への課金
(後はこれくらいしかないと言われている)などが有名ですが、後者は、
他のエアラインが通常使う空港で、常識的?な時間帯など、さらに、
付加価値(有料である場合が多い)も追求しています。安全面でも前者は良く
叩かれるように、LCCの安全性を疑問視する声は少なくない。実際に、天候不順で
遅れた機材を着陸後20分で離陸させたときは、整備したのかな?(してないはず)
と思いました。恐らく、何処かが整備不良で事故を起こせば、世論は徹底的に
叩くでしょう。

簡単かと言われると、簡単とも言えるし、難しいとも言えます。大手を含め、
英語での予約発券が問題なくできる人にとっては、少し違う点(カード手数料や
預け入れ荷物への課金と事前割引など)を注意すれば、他は変更や払い戻しに
関するもので、これは制限があるのを知っての上での購入なので問題ない。

一方、『簡単』という言葉に吊られ、一度もネットでの購入をしたことが
ない人、しかも英語すら怪しい(いい加減でも通じる”旅行会話”のレベル
とは明らかに異なる金銭絡みの英文)人が、いきなり挑戦して、SOSで駆け込む。
これはLCCに限らずホテルなどで頻繁に見られる最近の傾向。インターネット
の前は、電話かFAXだったので、それなりのレベルでないと到底できなかった
ことが、ネットの普及で簡単に手を出すことができてしまった結果でしょう。

一年を通じ、基本的に同じ(リゾートなどを除く)スケジュールで運行している
大手と異なり、同一機材を効率良くフル回転させることが至上命題であるLCCは、
会社の都合(利益優先)で、簡単にスケジュール変更、キャンセルがあります。
もともと、タイトなスケジュールなので、変更がなくても、朝から何処かで
遅れれば、当然玉突きで遅れます。乗り継ぎに利用するのは、もともと博打みたいな
もので、ハイリスクハイリターンを覚悟しているのでしょが、フライトキャンセルは
ホテル予約や、その後のフライトにも関係してくるので、泣き寝入りすることも
少なくありません。このあたりを十分理解して使えば良いのですが、安さに吊られ、
遠い空港までタクシーとか、余分な宿泊などは恐らく本末転倒でしょう。

最後に、これは書いて良いのか悩むところですが、敢えて書きます。
客層です。例えばイタリア。以前は、アリタリアの国内線を使う人は服装が
違っていた。皆、品の良い裕福そうな方々でした。イタリアではないのですが、
もう少し北の国から、別の国への移動のさいに使ったエアライン。離陸後、
まだ5分のたっておらず、シートベルト着用サインがついたままの時点で、
客の何人かが歩き出す。着陸時にも同じように歩き出す、何度か注意されても、
着陸寸前に立ち上がり万歳をする。これがたった一人ではなく、何人も
居たのです。

エアーアジアが、これまで国内しか、しかもバスしか利用できなかった層に
海外を味会わせたと言われますが、ある意味、片道切符での海外出稼ぎを
助長しているだけなのかも知れません。何故か人気のある中東のエアラインも
ビジネスクラス以上は確かに豪華ですが、エコノミーはもともとは、出稼ぎ労働者の
ためにあったようなものですし。

海外旅行が安くできる(とてもその値段では利益はでないような価格で)ようになり、
海外に出る必要のない、または海外とは縁のないような層が大挙して出ていった時代が
ありました(現在形でしょうか)。それに掛かるホテル代なんか雀の涙くらいなのに、
『俺は金払っているんだぞ。そのサービスはなんだ。』と無理な要求を突きつける
客が後を絶たないと聞きました。たまたま、そのツアーに居た海外旅行に慣れた
人が、『一体いくらで泊まっているか知っているのか。』と諫めたそうです。

実は、私はLCC万歳派ではありません。航空運賃も安ければ安い程良いかと言われると、
移動の必要のない人まで移動させることはなく、航空機のエネルギー効率からは、
やはり鉄道を最大限利用すべきと思っています。

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1件のコメント

  • 10/03/16 21:57

    なかなか、深い解説です。

    ネットだから簡単に予約出来ても、運航や条件に変化が有ったとき、語学力が無いので全く対応できなくなる。・・・なるほど、この手の旅行者は昨今多いかも知れません。私は臆病なので簡単には踏み込まないのですが、肝に銘じて置きますよ。

    ところでこの欄のトビ主様が、拙速なのか実力派なのか、どれくらいのレベルなのか分かりませんが、
    ウンもスンも、返事が無いのは、回答者に失礼ですよね。早々に返事をされるのが良いでしょう。


    話は変わりますが、わたしが先に質問したエバー航空の件で、もう少し教えてください。
    たしかに、台北~欧州フライトは
    >中国上空を飛べないなどにより、時間が掛かることが・・・
    とのことですが、エバー航空は中国上空を飛べないとなると、南回り北回りの、どの航路を行くのでしょうかネ?  ちょっと知りたいです。

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