毎日新聞 2014年07月24日 20時25分(最終更新 07月24日 21時00分)
法務省は8月、日本人の出入国管理を巡り、成田と羽田の両空港で、「顔認証」技術を使った自動化ゲートの実証実験を始める。現行の指紋照合による自動化ゲートは事前登録が必要で利用者数が伸び悩んでおり、2020年の東京五輪を控え、効率的で混雑緩和も期待できる審査方法の導入が必要だと判断した。
同省入国管理局によると、顔認証は、IC(集積回路)付きパスポートから読み出した顔の画像データと、審査場で撮影した顔写真を照合し、同一人物か判断する仕組み。今回の実験では、歩きながら撮影した写真と照合できるかも試みる。
良好な結果が得られれば18年の導入を目指すが、12年に行った実験では、約2万9000人のうち同一人物と認識されなかった割合が約17%に上り、導入が事実上見送られていた。
実験には大手電機メーカーなど5社が参加し、8月4日〜9月5日(土・日曜除く)に行われる。IC付きパスポートを持った日本人が対象で、実験終了後は改めて入国審査官の肉眼による通常のチェックを受ける。【和田武士】