10/03/09 18:15

保障は無いですが、ひとつの方法として・・・

カリフォルニアで、リムジンと警護の業務をしています。

業務中はスーツの下に防弾チョッキを着て、武器を携帯して運転しています。
仕事中に武器が必要なシチュエーションはほとんど無く、一番手を焼くのは丸腰の酔っ払いとパパラッチなんです。
基本的には、危険なところへは行かないですから・・・・。

ただ、一人でレストランの裏口やクラブの脇の路地なんかに駐車している時と、仕事が終わって朝の2時・3時に一人でガソリンスタンドで給油している時とかが一番『武器と防弾チョッキに感謝する』瞬間が多いです。

1.
人通りの少ない所、路地、暗いところはとにかく極力避けるのが自己防衛の第一ですが、未然に相手に断念させる一つのテクニックとして、『携帯電話を取り出して、どこかへ電話しているフリをする』という手があります。
勿論、楽しそうに誰かと談話しているフリではなくて、警察か知人などへ助けを求めているフリをするわけです。
警察へ電話しても、来てくれるとは思えませんし、来たとしても間に合わないのですが、あくまで相手を断念させる(危険率を下げる)ひとつのテクニックとしてです。
ですから、わざと手提げバッグを開けて、携帯を持っていなければ化粧道具でもなんでも握って手の中に収め耳に当てて、左右を見て住所標示を探したり、後ろを振り返りながらぼそぼそと話しているフリをする。

これは、一般警備(オフィスなど)をしている同業者が、夜勤で自分ひとりしか居ない時に駐車場で不審者が居るらしいと感じたりした時に、事務所には誰も居ないのに無線で応援を依頼しているフリをしたり、携帯でどこかへ連絡しているフリをして、不審者が自ら敷地外へ逃げ出すようにするテクニックで、僕らも無線機に繋がっていない襟や袖口に向かって話しかけたりする事もあります(笑)
(警備・警護は犯人逮捕の義務は無く、未然に防止する事が第一ですから)

ただし『絶対に!』自分が武器(銃など)を持っているフリをしてはいけません。

2.
地元の人というよりも、これはどこでも同じだと思います。あてには出来ないですね。
まして、相手が若い男5人となると・・・・助っ人してくれる確率はかなり低いと思います。

助けを求めて叫ぶなら「Call 911(日本の110番)!!」か「Somebody Call Police!!」ですね。
助けてくれなくとも、携帯で警察を呼ぶくらいならしてくれると思います。
ただし、警察が来るのは多分30分後とかになる可能性も高いですが・・・。
これは、もう一つの効果として、その声が被疑者(不審者)にも聞こえるので、「ヤバイ・・・警察呼ばれちまったよ・・・警察が来る前にとっととずらかろうぜ・・・」と断念する『可能性』もあるからです。

業界内部事情として、民間の警備業務(特に警護業務)は、業務中に自分の契約者以外に関わる(助ける)事を(出来る限り)禁止しています。州の業務免許のガイドラインにも同様の事が書かれています。
つまり、第三者のトラブルに関わる事で本来守るべき人・物に対しての警備・警護がおろそかになってしまうからなんです。
(やむを得ない場合を除いて、職場放棄・業務放棄と見なされてしまうんです)

でも、近くにビルやホテルなどがあって、警備員などが見えたらその近くに行く(居る)というのも一つの手です。
被疑者(不審者)は、さすがにホテルやビルの警備員のそばで犯行は起さないと思いますし、何かあったらすぐに警察に連絡してくれると思いますし・・・
(実際に、警備関係者が警察を呼んだ時は割りと早めに来てくれます)

アメリカだけではなく、日本も不審者や変質者、通り魔、¥2,000の為に強盗・殺人なんて物騒になりつつあります。
やはり、危険には近づかない事が第一だとは思いますが・・・・

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1件のコメント

  • 10/03/09 18:35

    追加 武器に関して

    先ほど、『武器を持っているフリをしてはいけない』と一行だけ書いたのですが、気になるので追加です。
    アメリカは州によって武器に対する法律が大きく違いますが、アラスカなど2州を除いて一般人が銃を『携帯』する事に対して審査と免許が要ります。

    購入し、自宅などに『所有』する事自体に審査と許可が要る州も多いです。
    (所有は出来ても、携帯は出来ない州が多いです)

    例えば、カリフォルニアやニューヨーク、ニュージャージーなどは、一般人が銃の『携帯』免許を取得するのはほぼ不可能とも言われています。
    シアトルのあるワシントン州もカリフォルニアよりは緩いですが、やはり一般人で銃の携帯許可を持っている人は少ないです。

    つまり、公共の場所(道路など)で銃を持ち歩いているのは、非番の警察官や警備・警護関係者、一般市民で審査に通って許可を受けている人、
    『あるいは』法の裏側を歩いている人という事になります。

    銃は、銀行強盗やギャング同士の抗争などの大きな事件に使われる事が多く、道端での行きずりの強盗などは、ほとんどがナイフで脅す事が多いです。
    (その点では、日本とほとんど変わりません。わざわざ銃を使って女性二人のバッグを奪ったりしません)
    ですから、抵抗さえしなければ怪我は防げます。

    ところが、自分が武器を持っているフリをすると、相手は撃たれちゃかなわん(刺されちゃかなわん)と、自分の持っている武器(拳や足も含め)を最大限に使って攻撃してきます。

    持っていないのに武器を持っているフリをしたりすると、撃たれなくても良いのに撃たれたり、刺されなくても良いのに刺されたりする危険性が逆に倍増します。

    相手が武器を持っていて、自分が持っていない場合は全面降伏が最大の安全策です。

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    相手に自分の考えを「正確」に伝える重要性

    J@LAさん、ありがとうございます。

    色々と詳しく説明してもらいありがたいです。

    1.について、“いかに相手に上手く見せるか”が重要ですね。普段日本で使う携帯電話は旅行中は使わないので常に持ち歩くことはしていませんでした。次の旅行では携帯しようと思います。

    2.について、タマゴタマゴさんの回答でも思いましたが、ただ“助けを求める”だけじゃなく“具体的に物事を相手に伝える”ことが良いのかなと感じています。

    また、“警護業務”や“銃の「所持」「携帯」の違い”についても知らなかったことで興味深かったです。