レポート

メイマンドのバラ水

公開日 : 2014年05月14日
最終更新 :

 シラーズは世界遺産ペルセポリスやパサルガダエなどで有名ですが、メイメンドについてはあまり知られていません。
 シラーズから南西へ車で約1時間半のところにある町で、4月下旬から5月下旬にかけては濃いピンクのバラの花がバラ園はもちろんの、通りのあちらこちらで咲いているのが見られます。
 ここで摘まれたバラの花は花弁は小さいですが香りが高く、バラ水として加工されたり、香水の原料として毎年ヨーロッパに数十トン単位で輸出されています。
 メイマンドにはバラ水を製造する工場がいくつもあります。広い敷地に大釜が並べられ、かまどには薪が勢いよく燃えています。釜の中にバラの花びらと水を入れ煮立てて発生した蒸気がパイプを通っていきます。パイプは豊富な水が流れるプールの中を通って樽に取り付けられています。冷やされた蒸気が水滴となって樽に集まるつくりになっています。
 美肌効果があることから女性たちがよく利用しています。また、たくさんの人が集まるようなところでは噴霧器でこのバラ水を噴霧して、人いきれを解消します。
 バラの取入れが終わると、季節ごとに他の植物の葉や茎、根などから薬水を作り、1年間フル操業をしているそうです。それぞれ内臓や血管を強くしたり、精神を安定させたりする効果があり、イラン人はずっと昔から飲用してきたそうです。
 

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