レポート

マルタ共和国独占バス会社アライバの撤退

公開日 : 2014年01月20日
最終更新 :

2年半前までは、マルタ共和国内のバスは私営であった。
2年半前にマルタ共和国政府はイギリスのアライバ社に
国内全バス路線の経営を委託し、同社は近代化を図り、
独占的にバス会社を運営した。

2年間半の間に50億円の欠損を出し、同社は昨年末、経営から手を引いた。
マルタ政府運輸省が暫定的に現在バス会社を経営している。

アライバ社の車両、職員、施設を転用したが、すこしづつ、
アライバ社のレゴは消している。
路線網も発着時刻もアライバ社時代のものを踏襲しているが、
ほころびが目立ち出した。

1、間引き運転:1時間に12本のバスの運行がある路線でも、4本程度しか
運行されず、混雑し、乗り残しすら生じている。

2、従業員マナーの低下:始発停留所での5分早発、途中の停留所での10分早発、
20分の遅れは日常茶飯事となった。

3、非居住者運賃の廃止。
マルタ国民は1日切符1,5ユーロ、7日切符6,5ユーロで、非居住者の運賃は
その倍額であった。友人窓口で買うと、非居住者の料金もマルタ国民と同額になった。
おそらく、後者の運賃を払う人数が少ないので、前者に包含したのだろう。
自動販売機では、後者の切符もまだ売っているので、自動販売機で買うと、損をする。

もちろん、この運賃ではやっていけないのは自明であるので、早晩、
運賃の大幅(数倍にも及ぶ)引き上げは必須であろう。

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