10/01/17 05:35

そこまで違法、違法といわれるなら、ポイペト国境で1人1人日本人に注意しては?

違法、違法といいますが、この世の中には様々な法律が存在すると同時に、法律さえ守っていればいい旅行ができるとは思えません。時には時間が本当に大切になります。

賄賂要求というのは、一国の入国審査官という法律を執行する立場の人間が、自ら法律を破っているわけです。入国する旅行者にとっては、彼も「法律」であって、その国の明文的な法律がどうであろうと、目の前の当面の問題をクリアする上で関わってくるのは、その入国審査官のです。ここで全て言いなりになるべきではないのはもちろんですが、だからといって正義を貫き通すために費やす「代償」のほうが全然大きかったら、そこを判断するのも旅行者の知恵じゃないでしょうか。

自分は別に目の前で別室行きを目撃したから賄賂を渡したわけではないし、もともと出国用の航空券のことを言われて押し問答になった際は、賄賂を渡そうと最初から決めていたことです。強要されたわけでもなく、そこでムダな時間を過ごすくらいだったら払うほうがいいと思って払ったまでです。実際そのときは飛行機が一緒だった、ホーチミン在住の同行者がいたし、彼と一緒の車に乗る予定だったし、ここで時間をかけて彼を待たすほうが自分にはイヤでした。

もしもっと時間があったなら、あなたに言われるまでもなく、賄賂など払わないで入国することができるようもっと押し問答していたでしょう。実際、今までの体験で賄賂請求されてハネつけたことなど、何度あるかわかりません。

ポイペトで国境を越えるときも、20ドルだけでいいはずだ、賄賂なんて払えない、とずっと窓口で抵抗していましたよ。しかしこのときも、バスのなかで知り合った、一緒にタクシーをシェアしようとしていた人たちと同行していたので、時間をかけるわけにはいかなかった。結局、交渉の末、20ドル+5ドルの賄賂支払いとなった。普段は外国人はここで5ドルではなく、10ドルの賄賂がボッタくられることが慣例となっています。

この掲示板の過去のコメントをみてもらえばわかりますが、ポイペト国境で賄賂を逆に「払わなかった」なんていう日本人の体験談は、まずありません。自分も、国境越えに関する質問にレスポンスする際には、賄賂はできるだけ払わないように、払うとしてもごく少額にすべきである、といつも記しています。でもそのたびに、20ドルしか出さなかったらピシャリと窓口を閉められたとか、もはや交渉の余地などない例などいっぱい飛び出してきます。恐らくここでビザ申請をする95%以上の日本人が、ここで賄賂を払ってますよ。

もし、日本人に対して、そこまで賄賂を払わないよう注意を喚起したければ、それこそポイペト国境までいって1人1人の日本人に注意してもらったほうがいいと思います。そのほうがよっぽど効果的です。自分などは、どちらかというと、賄賂などはよほどのことでない限り払わない人間ですから、この掲示板のこのレスで自分に対してだけ言うよりも、もし賄賂を払う日本人を減らしたいという目的なら、別のやり方がいっぱいあるでしょう。

最後に自分の賄賂に関する考え方を記しておきます。カンボジアにしろ、ベトナムにしろ、賄賂というものは慣例となっており、風習となっており、法律と同じようにまかり通っている社会です。外国人だけではなく、普通の市民生活においても、賄賂というのは日常茶飯事で、ときには物事や問題をスムースに解決する役目を果たしています。そのような社会においては、個人的には、賄賂というものは、ただ「法律的に悪いこと」という観点だけで考えるべきものではないと思っています。たとえば、「チップ」という見方です。ベトナム人にしろ、カンボジア人にしろ、便宜を図ってもらったのであればお金を少し握らせるというのはある程度常識的な考えです。もちろん、それを逆手にとって、チップを「強要」する、などというのはよくないですし抵抗すべきですが、しかしだからといって賄賂が慣例化している社会において、賄賂そのものを糾弾し続けてもあまり意味がありません。同様に、賄賂を払うのは違法だ、と糾弾し続けてもあまり意味がありません。どちらというと、違法行為うんぬんという観点より、賄賂というものを強要されて払ってイヤな気持ちになってしまうほうがよほど問題で、そのようなことを防ぐために、賄賂はできるだけ払わないように呼びかけたい、自分としてはこちらのアプローチです。

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1件のコメント

  • 10/01/17 10:21

    Re: そこまで違法、違法といわれるなら、ポイペト国境で1人1人日本人に注意しては?

    k28さん

    東南アジアのイミグレにおける賄賂は悪いと言うことそしてそれと戦うべきというのは
    自明の理ですが時としてそらぞらしさを覚えています。
    ですからこの件についての貴方の丁寧な主張と立場はよく理解しますし支持したい。

    この必要悪(?)論争に似たような論争を幾つか思い出します。

    曰く、インドで乞食に施すべきではない、ギャングに金が渡るから。
    タイで買春すべきでない、不幸な少女が増えるから。ミャンマーへ旅行すべきでない、
    軍事政権を助けるから。....
    これらはある意味正論ですが、それで事態が改善されたとは私は聞かない。むしろそれに携わる
    弱い立場の個々の人々を辱め、或いは困らせるだけではないのか。

    もちろんイミグレの係官は弱い立場の人間ではありません。しかしその国の社会問題あるいは社会風土、
    文化を表す象徴でもあります。それに対応するためにもk28さんの書き込みは評価されるべきと思い
    ます。

    結局、それぞれの国の社会問題を単なる旅行者が解決できるわけもなく、それはその国の国民に
    かかっているということです。月並みで当たり前のことですね。



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    10/01/17 20:24

    NNさん、ありがとうございます

    NNさん、書き込みありがとうございます。

    これは自分もバランスが非常に難しい問題だと思っています。賄賂は悪い、法律でも禁止されている、しかし賄賂は一般的な社会風習となっている、また賄賂なしでは旅行予定が狂ったり困る状況になる、・・・こういうときの優先順位って、本当にそのときの判断によると思うんですよね。

    一概に「ハイ、ワイロ、だめ」といっても、たとえばもはや賄賂が慣例となりすぎていて、ガイドブックにまで「賄賂を払う必要あり」と書いているようなところへ行って、ずーーっと賄賂を払うのを日が暮れるまで抵抗するのに、果たして1旅行者として意味があるのかどうかということです。

    これは命が危ぶまれるときにだけ賄賂は許されるとか、そういう問題でもないと思うのですね。

    極端な例をいえば、命をとられるような危険など一切なくても、賄賂がなくては一切通れない検問があったとします。検問のところにいる係官は、旅行者が1日じゅうそこで粘ろうと、翌日来ようと、一切通さないくらい頑固だったとします。そんなとき、賄賂を払わないでそこで旅行をやめることは「旅行者としての正しい行動」でしょうか?

    旅行者はその国のルールなり法律を守るべきという基本があったとしても、そのようなルールや法律と同じくらい、いやそれ以上に「慣習」が幅を利かせている社会というものは存在します。そのような社会において、自分の置かれた状況に応じて臨機応変に考えることも、旅行者としては必要なことになってくると思います。

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