「方向別格差」の問題 知らない人のために一応記しておきます。 こんなのは基本的なことすぎていちいち記すべきことではないと思ったが 知らない人があまりにも多い、 なかにはそのような不均衡が存在していたことさえも 否定しだすというメチャクチャぶりなので。 日本⇒外国のほうが 外国⇒日本よりも高くなっている現象は 「方向別格差」といって昔は大変話題になっていたことです。 国会でもそのことが議論されていたくらい。 以下は昭和63年の議事録からです。 ○長田委員 よく例に引かれるところでありますけれども、外国旅行の運賃が、日本発と外国発では日本発の運賃がかなり割高になっておるということ。かなり手直しを行ったということでありますけれども、現在どのようになっておるか、また将来格差の解消をなされるつもりがあるのかどうか、この二点についてまず大臣の所信を伺います。 ○石原国務大臣 予算委員会等でたびたびこの問題について御指摘を受けておりますが、運輸省としては、為替の変動で必然的に生じます方向別格差を埋めるために努力をしてまいりました。いろいろ誤解されている点もございますが、現実にはかなり為替のレートに近いところで運賃を建てるように指導もしてまいりましたし、またちなみに、昭和六十一年度以降太平洋線、欧州線、オセアニア線あるいは東南アジア線でも数次にわたって日本発の運賃を値下げさせましたし、またある国に関しましては、バランスをとるために向こう建ての運賃を値上げもいたしまして、そのバランスをとるように努力してまいりましたが、いずれにしろ利用者の不公平感を払拭するために、今後も企業収支の推移を眺めながら、ともかくその不公平感をなくすように努力をしてまいるつもりでございます。 大臣は、「為替の変動」というところに問題をすり変えようとしているが、敏感な人であれば、これは為替だけの問題ではないことに、すぐ気づくでしょう。 このころは、利用者の「不公平感」がものすごくあったころです。 だから、国会でも取り上げられていた。 このようなことが議論されなくてはならなかったほど、格差があったということです。 通常は、価格というものは、市場原理が働いて、上がったり下がったりするものです。 しかしJALの場合は、国の規制の厚い保護があったから、市場原理とは別のところで、日本発の料金が高止まりしつづけたのです。 JAL側も不公平と知りながらも、この規制に甘んじて、というよりむしろこの規制に乗じて、日本人客からいっぱいお金を吸い上げてきたのです。 これが自分のいう、日本人をターゲットにしたJALのボッタクリの構図です。 これに同意できない人がいても結構ですが、自分はこういうことをやる企業から お客がある程度離れていくというのは、自然な現象だと思ってます。 最後に、もうこの問題は、はるか昔に、何度も何度も議論されていたことですから、今になって、再建の話をしているようなときに、ここでこれ以上議論したくありません。 これ以上の、こういったトピの主旨から「脱線」した枝葉議論は、ほかのところでやってください。