考え方次第です

「英語が通じますか?」という問いに答えるには、まず「誰に対してですか?」という対象が明らかにしなければなりません。

対象が「公的機関の職員」であれば英語は香港の公用語のひとつですから、英語がわからない公務員はいますが、必ず英語で対応できるスタッフがいますから全く問題ありません。

またホテルやレストラン、土産物店などの「観光客相手の商売の人」であれば、商売のやり取りに必要な程度の言語は使えます。顧客の層によって、英語の場合もあれば、普通話(中国標準語)の場合もありますし、日本人観光客が多い店では日本語もある程度通じるところもあります。そうでなければ商売になりませんから。

もし香港の普通の公園でくつろいでいるおじいさんおばあさんと会話をするとか、あまり観光客のいないような郊外の町へ行ったり、庶民的な雑貨屋、商店などであれば英語はほとんど通じないと思っていたほうがよいでしょう。

英語が使えるのは商売上必要な人か社会のエリート層の人です。
香港市民の90%以上の人は広東語が母語です。小学校から英語の授業がありますが、苦手な人は何年やっても苦手です。職人や技術者などで、勉強が嫌いで、英語が要らない人はもちろん英語は話せません。

日本人でも90%以上が中高で英語を6年勉強しており、大学進学率を考えたら8年~10年英語の勉強をしている人もかなりいるわけです。それでも日常会話程度の英語でも話せないという人はごろごろいますよね?香港も同じです。6年でも8年でも10年でも、嫌いでやらされている勉強なんてものは英語でも何でも身につきません。

ですから、観光で訪れて、初心者向けのガイドブックにのっているようなホテルに泊まり、レストランで食事して、有名な観光地へ行ったりする分には簡単な英語がわかれば十分です。住所も看板も多くは中国語と英語が併記されています。むしろ英語圏の人よりも、お互い片言という場合も多いので通じやすいと言う人もいます(もちろんお互いの発音の癖が酷くて聞き取りにくいと言う場合もありますが)。言葉がわからないスタッフが多い場合、メニューだけ写真入りにしたり、英語や日本語などの翻訳をつけています。彼らも多くのお客に来てほしいわけですから、それぐらいの営業努力はします。

ただ、タクシー運転手は観光客目当てと言う仕事ではないので、英語は通じにくいです。目的地を中国語で紙に書いたり、地図で場所を示したりする必要は結構あります。


>以前知り合いから、香港は返還後、急速に雰囲気が変わっていると聞きました。

香港に長年住んでいる人にとっては、70年代の文革や反英暴動の頃の社会変化、その前の国共内戦、さらに前の第二次世界大戦の頃の社会変化はある意味、97年の返還の時の社会変化よりも劇的だったと言う人も少なくありません。

「外国人は香港返還で香港の魅力はなくなった、かつての雰囲気がなくなったというが、香港は常に速いスピードで変化をし続けている都市なのだ」

以前このような文を目にしたことがありますが、その通りだなと思います。

>前はアジアっぽさと欧州っぽさが混ざっていたが、現在はかなり中国的で、観光地は中国のように(?)観光客用の料金や窓口が別に設定されたり、レストランやホテルのサービスが欧米風でなくなったり、英語の表示が少なくなったりと…

中国の「外国人料金」は社会主義時代の話ですし、そんな制度は香港にはありませんよ。返還のどたばたのときに某日系ホテルが外国人向けに高い室料を吹っかけてたと言う話はありますが、詐欺の一種ですから、制度的なものではありません。窓口が別の店などは少なくともここ10年は見たことも聞いたこともありません。

確かに宗主国の英国人はかなり本国へ帰還し、返還後は中国本土との経済協力が進み、特に中国中央政府が香港へ個人旅行を解禁したことによって、アジア通貨危機、SARS等の大不況から景気回復することができました。当然中国本土からの観光客がかなり増えましたから、中国標準語需要は増えています。

欧米的なサービスの店が増えたか減ったかはわかりませんが、セントラルなどの欧米人の多いエリアの店では変わってないと思いますが。

香港は純粋な資本主義に近い都市です。「需要と供給」の変化によって、今後もどんどん変化は続くでしょう。

  • いいね! 0
  • コメント 0件

0件のコメント