床の傾いているのは大丈夫でしょう こんにちは フランスの伝統的な民間の石造りの家は、外壁と主な中仕切りを、石を積んだ壁で作り、 梁(この上に床を張る)と屋根は木で作ります。 (宮殿や宗教施設は石の床もあります) フランスでは、日本のようには建築用材となる針葉樹が生育しません。 針葉樹(ヒノキ、マツ、スギ、その他)は、建築用材として、 長期に反りなどが出なくて日本では多用されています。 フランスでは、日本では決して使わない広葉樹などの種類の木を 梁などに使わざるを得ないことになるのですが、 100年以上も経つと、徐々に反ったりして、梁が曲がり、床が傾いた感じのところが出来ます。 日本の家屋で床が傾くのは、→土台か柱が腐っている →地震で倒壊のおそれ →住めない ということになるのですが、フランスでは、地震はないし、木が腐ったからではないので、 それと、一度建てると、200年程度は使う家もあり、床が傾いても心配はないです。 100年以上経ったと思われる伝統的なホテルでは、床の傾斜はちょくちょくお目にかかります。 宮殿など、お金に糸目を付けない建築物は、当時でも、北欧から輸入された針葉樹を使ったようですが、 昔の輸送技術で、これらの長大なものはたいへん高価で、民間では手が出なかったと思われます。 話題のホテルも、見た感じ、建設後100年ぐらいは経っていそうです。 私の経験では、部屋の中で目が回りそうなほど傾斜しているというのはないし、 床の傾きはそういうものだと思えば、慣れると思います。 風土が変われば、使われる木の種類が変わり、 それによって家の経過年での変化も違うのがおもしろいです。
よい解説。 mamoru さん、こんばんは。 建築と樹種の話は、相当なものですね。 読んでいて驚きました。 私は仕事柄、長く住宅関係の仕事に係わってきて、西欧建築の話も専門家から聞かされていましたが、 mamoru さんの明快な解説には、ビックリでした。 ありがとうございました。
kiya さん こんばんは フランスでは、ちらほらと松の木を見ることはありますね。 kiya さんは車で田舎の方を回られるから、目にされていだろうと思います。 マツは日本では建築用材になるけれど、フランスのはどうかと、今回検索してみたら、 フランスの松は、何種類かあるようですが、材質が柔らかいので木工用だとか、 そこそこ堅い種類は幹が細く生長するので箱にしか使われないとか、 あるものは、ベニヤ板用に使われるとか、 まともに建築の構造材になるものはないようです。 フランシュコンテ地方からアルザス地方に向かうあたりで、 (町で言えば、ベルフォール、ミュールーズ、コルマールをつなぐルート) 針葉樹のスギやヒノキに近い樹形の林が続く地方がありましたね。 そのとき春だったので、もろに花粉症が出ました。(笑) おそらくスギやヒノキの親戚でしょう。それらは建築用材になりそうという感じです。 アルザス地方に行くと、木組みの家があるので、建築用材になる木が生育するのでしょう。 ノルマンディー地方にも木組みの家があるので、そこそこ建築用材がとれるのだろうと思います。 フランスでは、田舎の方に行くと、河原で拾ってきたような石をセメントで積み上げて、 3階ぐらいまでの壁にしていますが、よく崩れないものだと思います。 それと、煉瓦を積んだ家はそれほど多くないですね。 フランスでは、なぜ煉瓦を多用しないのか、不思議に思います。 煉瓦になるいい粘土があまり採れないということなんでしょうかね。 燃料用の薪はいくらでもありそうですけど。 そんなことを考えながら、田舎の方を歩いていると、何もなくても、楽しいです。 (もちろん、仕事は建築と関係ありません。)
Re: 床の傾いているのは大丈夫でしょう mamoruさん、ありがとうございます。 そういえば、ずいぶん前ですが、コッツウォルズの元領主の家を ホテルにしている所に泊まった事がありましたが すごく素敵で広かったですが、アチコチ傾いていました(笑) バスタブも溺れそうに大きくてすべてアンティークで良かったです。 歴史、文化、風土でとらえ方が違うんですね。 勉強になりました。