ちょうど一年ほど前に、シンガポールのタイガービール(メーカーはAPB社)工場見学に行って、とことん飲んだ・・・というレポートをアップして以来、タイガービールには注目・・・最近、東京にもシンガポール料理のお店が目立ってきているし・・・していたのですが、昨日の日経新聞にびっくり。ハイネケンがAPBを51億シンガポールドルで買収提案をしたとのこと。
ご存じ(ではないかもしれないですが)APBは、これまたシンガポールでは絶対欠かせない飲物会社F&N社とハイネケンが1931年に合弁会社(ほぼ40%ずつくらい株式を持っている)として設立したもの。・・・・と80年以上仲良くやってきたのに、これまたなぜ突然そんな話になるのか。と・・・・。
先週、タイ・ビバレッジ(ビアチャンのメーカー)がシンガポールの三大銀行のOCBCからF&NとAPBの株式を買い取る話が出た。とのことで、それに危機感を持ったハイネケンが動いた。・・・とのこと。ピアチャンもピアシンとの戦いとかでなく、もっと大舞台に勝負にでたのね。が、OCBCというとDBSほどではないにしろ、シンガポールそのもののような感じがする銀行ですが、そんな銀行が外資に自国主要産業の株を売るんだ。・・・三菱東京UFJにキリンビールを買収したいと持ちかけるようなもの。という感じですけどねえ。
びっくりするのは、先週出た話に対して、今週すぐに51億SGD=約3200億円を出すと決めたハイネケンのスピード感。こんなことは日本の企業ができるものかどうか・・・アジアの端っこのニュースをつかんで・・・というのは、オランダの会社らしい(?)というか・・・イギリスや英蘭会社もそうだけど、植民地を持ってた国の会社というのは、やはり違う。と思います。例外はネスレとかロシュとかスイスの会社くらいですね。・・・しかも、恐らくSGDに対しても、かなりのユーロ安になっているはずなので、資金調達の為替のタイミングとしては最悪にもかかわらず。です。
で、まあ、どうなるのか分からないけど、タイガービールにとっては、チャーンビール傘下もハイネケン傘下もいまいちな気もするので、このまま何とか平和にいかないものか・・・・ちなみにF&Nの第二位の株主で14%くらい株式を持っているキリンビールが案外キャスティングボードを握るかも・・・・いずれにしろ、いろんなことが起きますね。・・・・