交通新聞社新書の「観光通訳ガイドの訪日ツアー見聞録」に、あまり知ることのできない、「日本に来るドイツ人団体旅行客の実情」が出ていて、なかなかおもしろい。
最近は中国人観光客の実情・・・・については、いろんなメディアで報道されるけど、著者はドイツ語の観光通訳ガイドの資格を持っていて、すでに10年間、この仕事に就いていてそこで出会った数々のドイツ人団体客が日本でどのようなこと、場所に興味を持つのかを丹念に追っている。中身は・・・・それは立読みでも、読んでもらうこととして、やはり、日本の説明に苦労するエピソードがたくさん出てくる。「借景」のドイツ語訳など、初めて知りました。・・・
で、この中でも宮島の厳島神社の人気が高い。前にここの板で「ヨーロッパ人を厳島神社に案内したい」というトピが立っていたけど、私は知らなかったが、トリップアドバイザーの日本観光ベスト10の第一位になったことがあるそうで、そういう背景があったのね。・・・と初めて知った次第。一時期、初詣で毎年厳島神社に行ってた人間にとっては、不可解、としか言いようがないけれど。
ところで、今、恵比寿の東京都写真美術館で原節子が16歳の時に出演した1937年製作の日独合作映画「新しき土」(ドイツ語題名が「Die Tochter des Samurai」(侍の娘))という映画を公開している。監督のファンクと言う人は、あのレニ・リーフェンシュタールを見出した人とのことですが、映画自体、日本観光文化宣伝と、ナチスの宣伝も少しただよい、何よりも題名が示しているのは・・・とあまり書くとネタバレになるので書きませんが、この映画、原節子が最初に出てくる場面が・・・宮島、そして厳島神社である。原節子と共に、かなりの長い時間、厳島神社と宮島の場面がある。
75年前の厳島神社は、今とほとんど変わらない(もちろん、今の神社は建て替えているので、その分立派だけど・・・)のはびっくりだったけど、それより何も、75年前のドイツ人がやっぱり興味を持ったのが、厳島神社・・・というのが、もっとびっくりである。この当時のドイツの地名は、日本から見るとベルリン以外出てこないのだけど、戦後、西側だけになった西ドイツ観光局がすっかり日本人を「西ドイツファン」にさせてしまったのに、ドイツ側は、今も昔も同じなのか・・・・なんて思うと、感慨深い。原節子はベルリンまでプロモーションに行ったとのこと。
が、別トピにもあるように、ベルリンの新空港が六月に出来て、空港のキャパシティも増えれば、ベルリン便も増えるだろうし、戦前のベルリンの繁栄にさらに近づく・・・・はずである。もっとも、今日のNHKのBSでみたZDFのニュースではルフトハンザが赤字に苦しんでいて、再建策を発表・・・とのことだったけど。話がそれました。この辺で。