レポート

クリムト生誕150周年展示

公開日 : 2012年03月20日
最終更新 :

先日はウィーンで見ることが出来るクリムトの絵画について、沢山の情報を有難うございました。
本日、無事帰国致しまして、稚拙ではございますが、御礼も兼ねて報告に参りました。

団体ツアーでドイツに入ったのが13日、ザルツブルグを経由してウィーンに入ったのが18日の夜。
美術館巡りをしたのは19日の日曜日です。
旅行中の西欧は異常気象により、3月にも関わらず最高気温が20度を超える、正に6月の陽気でございました。
朝は肌寒いのですが、11時にもなりますと春物のワンピースでも汗ばむくらいで、夜は18時くらいまでは上着なしで過ごせるほど、観光には快適な気温でございました。

1.美術史美術館
団体ツアーのコースに入っていました。
クリムトが描いたことで有名な、階段の空間の壁画を間近で見ることが出来ます。
壁画を間近で見るには、仮設の足場に登るのですが、これは係の方がいて定員制でした。
一度に足場に登れるのは50人まで。
一旦50人登ってしまうと、次の人は誰かが下りてくるまで登ることが出来ません。
開館15分後の時は行列が出来ていましたが、時間が経つとその行列も解消され、私と連れは2、3分程度の待ち時間で足場に登ることが出来ました。
仮設の足場の手すりには、クリムトが描いた部分に関してドイツ語と英語で解説がついています。
また、今回の展覧会に合わせて、クリムトの壁画に重きを置いた図録も販売されています(確か15ユーロ程度)。
中には美術史美術館の壁画の大パノラマ写真が見開きで載っていて、自分で撮った写真もあるのですが、図録の写真を見て現地を思い出してはうっとりしています。

2.レオポルド美術館
ツアーを離団して見に行きました。
レオポルド美術館の特別展示は、ホームページでも謳われている通り、クリムトの人間性に迫る内容でした。
レオポルド美術館所有の「生と死」や「アッター湖」など、作品はもちろん素晴らしかったのですが、驚いたのはエミーリエ・フレーゲに宛てられた沢山の絵葉書です。
残念ながらドイツ語がほぼ分かりませんので、書いてある内容はよく分からなかったのですが、筆まめなクリムトにビックリ致しました。
また館内にはクリムトのアトリエの一角の再現や、アトリエの調度品の展示、エミーリエ・フレーゲデザインの服の展示などもあり、クリムトという一個人に対する理解がより深まる内容でした。
美術史美術館同様、こちらも特別展の図録販売があり、ほぼ40ユーロです。
展示のボリュームに比例して、図録も内容の濃い400ページ超です。
レオポルド美術館はビニールバッグが有料で販売されていますが、A4超の大きさと400ページの厚み、重さを考えると、大きめの布バッグやエコバッグを持参される方が良いかと思います。

3.アルベルティーナ美術館
同じくツアーを離団中に行ってまいりました。
現在クリムト展と印象派展を同時開催中のため、またクリムト展が始まって初めての週末ということもあり、チケット売り場には行列があり、建物内部も人が多かったです。
特別展示のメイン、というよりは特別展の全てがクリムトのデッサンでした。
デッサンの書かれた年代順の展示で、「接吻」や「ベートーヴェン・フリース」の習作はもちろん、今は現存していない「医学」や「哲学」の元になった直筆デッサンも見ることが出来ます。
焼失してしまった作品の一片を見ることが出来る、貴重な機会だと思いました。
こちらも特別展の図録販売があり、ドイツ語版29ユーロ、英語版32ユーロだったと思います。
これまた300ページほどあり、デッサンから生み出された作品の写真も載っていて、ドイツ語、英語が分からなくても、おおよその内容は把握出来るように作られていました。

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2件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    12/03/21 02:30

    Re: クリムト生誕150周年展示・・・

    lotus-flowerさん、ウェルカムホームですね。

    帰国早々のご報告拝見しました。
    これだけまとめてクリムトを観た人はそれほどいらっしゃらない
    のではないですか。

    デッサンはしっかりみるとおもしろいのでしょうね。

    >デッサンから生み出された作品の写真も載っていて<
    これはありがたい図録です。美術館の図録はたいてい重くて
    高いのが気に入りませんが、やはり思い切って買っておくと
    あとあとまで楽しめます。
    (よく、こんなのあったかな、と思うこともありますが)

    お疲れさまでした。

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    ありがとうございました。

    >るりしジみ様

    レスありがとうございます。
    今年のウィーンはクリムト一色です。
    街にもクリムト展の看板やポスターが溢れていて、ウィーンに着いた日から興奮が収まりませんでした。

    そして、すみません。
    到着日と観光日の日付が間違っておりました…到着17日、観光18日の間違いでございました。
    大変失礼いたしました。

    今現在、名を残している画家のデッサンは本当に素晴らしいものですよ。
    作風が確立するに従って、緻密さはなくなっていきますが、このデッサン力あっての作品なのだと、画家たちの溢れんばかりの才能に、ただただ圧倒されます。

    アルベルティーナの図録は本当に親切でした。
    特別展の予告ホームページに「鋭意作成中」という文を見てから期待しておりましたが、その期待に違わぬ内容です。
    現存している完成された作品の写真は勿論ですが、焼失してしまった「医学」の油絵スケッチ(個人所有)もカラーで載っておりました!
    下絵と白黒写真しか残っていないということでしたが、完成当時の色彩を今に伝える貴重な資料ですから、掲載を許可して下さった所有者には感謝感謝です。

    アルベルティーナ以外のところでも特別図録を購入したり、定番の図録(クリムトの人物画、風景画に特化した図録など)を購入した結果、行きは7kg程度だったスーツケースは、帰りに33kgになっておりました…
    クリムトの図録以外に、食料品のお土産やドイツ南部の古城写真集も入っていたとはいえ、空港のカウンターで重さの表示を見た時には驚愕の一言です。
    幸い重量制限に余裕のあるクラスでしたので、追加料金はありませんでしたが、【HEAVY】のタグを付けらて流れて行くスーツケースに、「積み込みのお兄さん達、腰を痛めたらごめんなさい」と心の中で謝っておきました。
    そして帰宅時、自分がスーツケースで腰を痛めそうになったのは言うまでもありません。

    末筆になりましたが、今回はクリムト情報を下さってありがとうございました。
    おかげさまで、上記のような有意義な観光をすることが出来ました。
    また旅行の際には、こちらにお世話になることもあろうかと思います。
    またその際にはお力添え頂ければ、幸いです。
    本当にありがとうございました。

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  • クリムト生誕150周年展示 その2

    「長すぎる」と投稿画面で怒られてしまいました…先のレポの続きでございます。

    4.ベルヴェデーレ宮殿上宮
    自由行動で行ってきました。
    最大のクリムトコレクションということで、「接吻」や「ユディット」、沢山の風景画はもちろん、宮殿の調度品や美しいお庭にも目を奪われつつ、楽しく見てまいりました。
    先にアルベルティーナやレオポルドでデッサンを見ていたので、完成された作品を見た時にはとても感動したと同時に、戦火で焼失してしまった数々と作品を思うと、残念でなりません。

    5.セセッション
    18日の夜、ライトアップされた建物を見に行き、19日の夕方に入館しています。
    皆様ご存じの作品ですので、私から特に語ることはありませんが、こちらも素晴らしい作品でございました。


    以上が19日に行った美術館のレポでございます。
    たった1日という時間制限の中で必死でございましたので、せっかく入館料を払ってもクリムトを見終わると「はい、次!!」という大変慌ただしい美術館巡りでございました。
    その慌ただしさの中で見落として、「しまったなぁ」と思ったこともございます。

    レオポルド美術館で入館料を支払った際、飼い猫を抱いているクリムトの写真がプリントされた2つ折のカードを渡されたのですが、これがクリムト生誕150周年記念のコレクターズパスでした。
    ウィーン各所の美術館で行われるクリムト展に合わせて発行されているもので、これをクリムト展開催中の美術館の入館時に見せると入館料1ユーロ引き。
    さらに入館した美術館毎にスタンプを押してもらい、ウィーン市内合計10箇所で行われる特別展全てに行くと景品が当たるというものでした。
    (景品は1位から3位?にアッター湖で過ごす優雅な週末にご招待、4位から10位?にクリムト特別展図録10冊セットをプレゼント)
    スタンプラリーは現地在住でもないと厳しいですが、ウィーン滞在が短く、ウィーンカードで元が取れない方でも、美術館入場料の値引きを簡単に受けられる内容です。
    また「クリムト大好き!」という方は、スタンプラリーにチャレンジされるのも良いと思います。
    今後行かれる方は、ぜひコレクターズパスを利用なさってみてください。

    以上でクリムト生誕150周年特別展示のレポは終わりです。
    大変読みにくい長文、乱文を最後までご覧下さり、本当に有難うございました。

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