百名山の功罪 事故がおきてしまったあとで今更いうのは気がとがめますが、あえて一言書かせてください。 この悲劇の背後には 今の中高年登山ブームとその中でいつのまにか書き手の思惑から外れて一人歩きしている「百名山」塗りつぶしゲームがあるような気がしてなりません。 すぐれた登山家でありエッセイストだった深田久弥氏が晩年、自分が好きだと思う登った山を百山独自の選考基準で選んでまとめた本であることはいまさらいうまでも有りませんし、この本が悪いわけでももちろんないのですが、すぐれた登山家!が選んだ山ですから当然難易度に天と地の開きがあっても不思議ではありません。 もし深田久弥氏がご存命ならば当の昔に百名山難易度ランク付けを発表していたことでしょう。 難易度が高いから ツアー登山が入り込む余地があり、その中でのたまたまあった瑕疵に自然の怖さが襲い掛かった不幸な事故だと思われます。 誰でも簡単にいけるわけではないから素晴しい・・のが山の一つの魅力ゆえに、そこにある落とし穴をどうしても見落とし勝ちになる私たちの甘さ。 何事につけ人の決めた基準ではなく己の基準をしっかり持っていたいものと改めて思った次第です。 亡くなられた方のご冥福をお祈りします。