ヨーロッパ域内の移動でのスタンプ押印について

　ヨーロッパ域内の多くの国はシェンゲン協定という共通の出入国管理政策及び国境システムを可能にする取り決めをしており，この協定加盟国間の国境検問所などが廃止されています（EU加盟国とは少し異なります）。つまり空路では出入国管理（イミグレーション）がありません。日本は，シェンゲン協定加盟国ではありませんから，最初に入るシェンゲン協定加盟国で入国管理手続きがあり当然パスポートにスタンプを押されますが，その後，加盟国間の移動では国内線と同じような扱いで，飛行機に乗るときも降りてからもイミグレーションはありません。よって，スタンプが押されることもありません。シェンゲン協定加盟国から出国するときにまた出国管理はあり，スタンプが押されます。シェンゲン協定加盟国間をひたすら移動する時には一切のスタンプは押されませんし，そういう施設が廃止されているわけですから，スタンプを押してもらうことは無理といえるでしょう。尚，シェンゲン協定加盟国ですでに実施されている国々は，ベルギー，フランス，ドイツ，ルクセンブルク，オランダ，ポルトガル，スペイン，イタリア，オーストリア，ギリシャ，デンマーク，スウェーデン，フィンランド，ノルウェー，アイスランド，チェコ，エストニア，ハンガリー，ラトビア，リトアニア，マルタ，ポーランド，スロバキア，スロベニア，スイスですが，今年から再来年にかけて，リヒテンシュタイン，キプロス，ブルガリア，ルーマニアでも実施される予定です。
　日本から直接シャルル・ド・ゴール空港に入った場合には，域外からの入国ですからスタンプは押されるのが原則です。域内移動で，シャルル・ド・ゴール空港に入った場合は国際線ターミナル（第2ターミナルであれば２E）ではなく，国内線ターミナル（２E以外）にありますので，イミグレーション自体ありませんので，スタンプ押印もありません。スタンプが欲しいと申し出ようにも，２Eでしかスタンプ押印はありませんし，ここでスタンプを押してもらうことは域外から入国した人のみですから，域内移動だけでは拒否されるはずです。もともとスタンプ等を廃止しようという考えのもとで結ばれている協定ですから。残念ですが，スタンプ集めは今後ヨーロッパ内ではますます困難になると思います。たくさん集めたいとしならアジアを何カ国も移動するのが一番かもしれません。