この山、登ったことありますか? 槍、穂高、剣のような峻厳さはないけど、非常に危ない山です。 奥深い位置にあり、北アルプス等と違って近くに営業小屋が ありません。 特異な形に突き出た「岩の殿堂」であり、風が非常に強いです。 最後は、巨大な岩が折り重なった道を2時間程度登ります。 登るためには、岩に描かれたペンキのマークを頼りに、岩から岩へと 次の足場を見つけながら歩みます。バランスを崩すと非常に体力を 消耗します。 霧になればすぐに前の人が見えなくなり、ルートを外してしまいます。 8月でも、雨で体が濡れればすぐに低体温症です。非常に寒い。 私は学生時代に2度登っていますが、登るのに適した天気なるまで ヒサゴ沼の避難小屋にのべ4から5泊はして待機しています。 ちなみに、1回めは、5月に仲間を確定し、毎週1度、下宿に 集まって準備を重ねました。トレーニングもして、地形を頭に たたき込んで、8月に津軽海峡を渡りました。 日本百名山に入ったこと、五色ヶ原から見た(めったにない)晴天時 のお花畑の写真に「まどわされた」ことなどが、背景にあるのでは ないかと推測しています。 アルプスやヒマラヤ山麓のガイド付きトレッキングツアーと同類で 考えてはいけません。
登ったことはありません トムラウシに登ったことはありません。 以前、やはり高山植物にあこがれて、天人峡から化雲岳、トムラウシを計画したことはあったのですが、このルートは厳しそうということで、一人歩きを断念しました。 そのときは、旭川より愛山渓温泉から入り、旭岳から層雲峡という銀座ルートで歩きました。 このルートも素晴らしい景色でした。 山岳ツアーの難しさを露呈する、大きな出来事だったと思います。
私も愛山渓から入りました。 ま~おじさん、こんにちは。 私も初めて登ったときは、愛山渓から入りました。 旭岳、白雲岳、五色ヶ原、ヒサゴ沼と順調に進んだのですが、 ここで天候が悪化、何日もトムラウシが越えられずに待機さ せられました。数日後、風が弱まったので出発しましたが 頂上では何も見えませんでした。その先は、日数不足で 短縮ルートで下山。 トムラウシの頂上付近で悪天候になった場合のリスクは 旭岳や黒岳付近とはまったく異なります。年を取って 足腰が弱くなると、岩から岩へ伝って歩くのは非常に 難儀になるし、体力を消耗します。 数年後、2回目に登ったときはすばらしい快晴でした。
判断の難しさ 朝、出発するときには頂上付近がどの程度荒れて いるかうかがい知れないのです。極端に違います。 (この山を知っていないと、予見は難しい) もう1つの困難さは、ヒサゴ沼からは安全な脱出ルート がないこと。日程が決まっていると、バイアスがかかった (リスクをとる)判断になります。 それと、即席パーティーですから、判断者(ガイド)は、 「行けるところまで行って・・・」とか「せっかくここまで 来たんだから」といった何気ない言葉に影響されます。 (山岳会等のパーティーではこういうことは言いません) トムラウシを先に登る逆コースにすれば、天候待ちする 日程の柔軟性が出たのでしょうにね。