暴動の詳細 ウルムチで暴動、140人死亡―中国新彊ウイグル自治区 ウイグル族が警官と衝突 広東省の民工死亡事件で不満か 中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市で5日夜 ウイグル族の市民らが武装警官と衝突する暴動が発生し、 新彊ウイグル自治区政府の発表によると、 140人が死亡、828人が負傷した。騒乱は同日深夜に終息したが、 6日午前も厳戒態勢が続き、緊張状態にある。 華僑向け通信社・中国新聞社によると、 5日午後5時(日本時間同6時)ごろ、 ウルムチ市内の人民広場に集まった市民200人が警官によって 強制排除され、そのうち約70人が拘束されたことが発端で暴動へ発展。 人民路など市内3カ所で不満を持つ市民らが道路を封鎖し、 午後8時半ごろ、公共バスのガラスを割ったり、 パトカーを放火するなどエスカレートした。 人民広場には700~800人の市民が集まって破壊行為を繰り返し、 約200人のウイグル族青年らが同広場前の同自治区常務委員会付近で 「民族差別、民族破壊、民族虐殺に反対」とシュプレヒコールを繰り返し、 危機感を強めた当局は市内の重要拠点に総勢1万人の警官を動員して 暴動の収拾に務め、同日午後10時には暴動自体は終息した。 同自治区政府の発表によると、暴動で140人が死亡、 828人が負傷したほか、公共バス190輌、 タクシー10輌を含む車輌261輌が放火、破壊され、 203カ所の商業施設や14の民間住宅が焼き討ちされた。 新華社通信(英語版)は暴動を煽動した核心人物10人を含む 数百人を逮捕し、地元公安当局は暴動を扇動した核心人物が 他に90人いるとして市内を捜査中と報じた。 6日付の香港各紙は、広東省韶関市の玩具工場で6月25日、 ウイグル自治区から出稼ぎ中のウイグル族労働者が 漢族女性労働者を襲ったとの情報が広がり、翌26日、 これに怒った漢族労働者たち100人が鉄パイプを持って ウイグル族労働者の宿舎を襲い、ウイグル族2人が死亡、 漢族を含む118人が負傷する事件が発生したことが暴動の原因としている。 地元当局は「国外勢力が漢族とウイグル族の衝突を画策して煽動し、 国内組織が実行した計画的な暴力事件」と非難。 新華社は「民族分裂勢力がインターネット上で暴動を扇動した」と伝え、 在米ウイグル人の人権活動家であるラビア・カーディルさん率いる 亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」が暴動画策に 関与していることを指弾している。