１２月のモン・サン・ミッシェル

行ける機会があるなら1泊された方が･･･

数年前の12月下旬にほぼ日本人向けの1日ツアーに友人と参加しました。
それこそ本当にすごい人数（40人くらい？）で、遠足状態。修道院では日本語ガイドと英語ガイドが選べて、日本人の多さから、説明がわからなくてもいいから英語の方に参加（外国人と6人ほど）しました。修道院内ツアーが終わるとバス集合時間まで自由なのですが、人数の少なく多少はやめに終わった英語ツアー組でもあまり自由時間がなく、ちょろっと街を見て終了。自由時間は1時間強くらいだったかな。

帰りのバスの時間はまだライトアップの時間でもなくて、絵葉書にあるような紫色の空の中の･･･というのもなく去ることになりました。

ただモンサンミッシェル行ってきた！というだけでよいのならそれだけでもいいのかも･･･でも、どうせなら近くのホテルで1泊して朝も夜も見たかったなー、昼間もじっくり見たかったなーというのが本音です。天気にもよると思いますが、本当にいろいろな表情を見せてくれるみたいですから･･･

またそのうち来ようとその時は思っても、結局は別の違う場所を旅してしまいたくなる性なので、その後モンサンミッシェル（というよりフランスにも）行けてません。気になる場所は、時間持て余すくらいの方が後悔しなくて済むかもしれませんね。
季節的には12月でもなんの問題もないと思います！わたしはむしろヨーロッパの物憂げな季節が好きなので（特に修道院のようなところとかでは）。
私情の多い内容ですみませんでした。

３月のモン・サン・ミッシェルでしたが

悩んだ末、島の手前のホテルに泊まりました。

レンヌからのバスをホテル前で降ろしてもらい、荷物を部屋に置いて、てくてく歩いて行きました。

風が冷たくて、寒かったけれど、聞こえるのは羊の声と、時折脇を通り過ぎる車の音だけ。

ずっとモン･サン･ミッシュエルを眺めながら歩き、まもなく島に到着という時に、正午を告げる修道院の鐘が聞こえた時は、感動！でした。

でも帰り、モン・サン・ミッシュエルを背にして帰ってくる時は、少しさみしかったです。

TGVと路線バス利用の場合、お昼前に島に着き、夕方のバスで戻れば、ツアーよりは時間が取れます。

行っただけというのではわからない魅力

　近年、とにかく日本人が多いので驚く。それも、やたらせわしない。ありゃ、江ノ島に姫路城が乗っかってるみたいなもんで、２時間あれば、たしかに上まで行って来いはできる。でも、そんなこっちゃ、がらんどうの廃墟の建物としか思えまい。

　モンサンミッシェルのなにがすごいって、あの海だ。干満で、まさに海の中にそびえ立つ城に変わる。人気があるのは、春分と秋分。大潮で、波が迫り来る様子が見られる。夏至や冬至も捨てがたい。海抜１００メートルの聖堂の中にまで、夏至の日の出、冬至の日没に、まっすぐ陽が差し込む。（他の聖堂とちがって、ここは東北に振っている。）

　さて、冬のモンサンミッシェルの魅力は、夜明けが遅く、日没が早いこと。このブルーアワー、マジックアワーに紫の天空、オレンジ色の地平線のなかにそびえるシルエットは、まさに絶景。感動的だ。とくに、島のライトアップは、緯度が高いので、夏は、島の中の灯りも消えた夜の十一時過ぎまで待たなければならないが、冬は、島の街の灯りとライトアップが夕方から見られる。これもすばらしい。くわえて、十二月は、ラッキー。ここはあくまでカトリックの修道院。当然、参道にはクリスマスの飾り付けが行われ、聖堂では毎週末に待降節のミサが行われる。

　というわけで、あんなとこ、昼間に日帰りで行って、１ユーロの卵を１１ユーロの空気で膨らませたオムレツ食って、塩キャラメルだの塩クッキーだの買って来て、結局、なんにもわかるまい。そうではなく、夜明け前から起きて、猛烈な勢いで流れる大海の潮に大自然の驚異を感じ、青暗い天に突き立つ尖塔の上に立って朝日を浴びて金色に輝く聖ミハエル像を眺め、早朝の修道院のミサの荘厳な聖歌を漏れ聞いてこそ、この世界遺産のすごさが体験できる。これは、まさに一生に一見の価値のある体験だ。