レポート

ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

公開日 : 2011年09月28日
最終更新 :

 ヨーロッパから本日帰国しました。私が24日の土曜日に出遭った悲しい出来事をご報告します。

 長文をご理解いただき、これからヨーロッパへ出発される方、ご参考にしていただければ幸いです。

 ドイツのフランクフルト中央駅横にある展示会場「メッセ」前での出来事です。当日メッセでは連日数万人を集めるモーターショーが開催されていました。

 メッセの前を横切るトラム付きの大通りから200mくらいの場所で晴れた土曜日の午後1時頃に起きました。

 私が会場から500mほど離れた場所に立つホテルに向かって早足で帰る途中、旅行客を装った白人①が「セントラルホテルに帰りたいが‥」と声をかけてきました。私にわかるはずもなく、( 次の予定もあったので )無視して歩を進めてました。2度3度と話しかけてきたところで、( 私は同じそぶりで歩行を続けてました )いきなり、スーツを着た二人の白人②③が立ちはだかり、①と私に対してIDカードのようなもの提示して「ポリス」と名乗りました。
 そして、私に話しかけていた白人①に対して「パスポートコントロール」とパスポートの提示を迫り始めました。私に対しても、①の同行者と勘違いした体で手で歩みを制した上、②と③が①のパスポートを調べて、財布を出させ、財布中のお札も出して②③が交互に鼻をつけ、さかんににおいを嗅ぐそぶりをしていました。

 その後、私にも「パスポートコントロール」と言いながら、同じ対応を求めました。もとより私にパスポートと異物の不安はありませんでいたが、緊張して①が受けたものと同じ対応を受けました。
 
 さらに、私には持っていたカバンや、会場で手に入れたパンフレット入りのショッピングバッグも②③が交互に調べていました。雰囲気は、私が疑われているかのような圧迫感でした。
 二人が強気に求めてくる都度、私の注意は、パスポートと財布から、カバン・ショッピングバッグへと広がっていかざるをえませんでした。

 また、聞かれることに答えることに神経を向け、防御本能は和らいでしまいました。

 私がチェックを受けていたどの時点かはわかりませんが、①は途中でいなくなっていました。

 その結果、パスポートも財布も無事返され、「疑いが晴れた」と思い、肩の力が抜けホッとしました。
 その後、「さっきの男はあなたを狙っていたから声をかけたので、もう行っていい。気をつけるように。」ともいわれました。
 
 ホテルに帰着後、パスポートと財布を確認したら、財布の中から高額紙幣があらかた抜き取られていました。100ユーロ紙幣も2枚を残して抜き取られていました。

 においを嗅いだ後、乱雑に戻されたお札も、各色が何枚か残っていたので、現場で精査せず(捕縛の危機が去ったと安心が勝って)、ホテルにもどった後、この現実に戻りました。

 愕然として、ホテルのマネージャーに事の次第を話すと「あとの祭りで、私が悪いのだ」と、受け流されるだけでした。

 現場に行っても、たしかにあとの祭り、関係者は誰もいませんでした。

 後刻、領事館に連絡し警察への届け出を促され、1日をかけて届け出を済ませました。

警察で聞いた話しでは
 ①ここ最近、東洋人を狙ったホールドアップは増えている ( 東洋人は比較的従順に見られているそうです )
 ②モーターショーの期間中、同様の届け出が15件以上届いている( 総数はその何倍になるのではないか? )
 ③ドイツには私服の警官はいない、警官はすべて制服を着ている

 ほぼ同じ時に( 私とは別に )、スペインを2名で個別旅行していた近親者が、一方が手洗いに行っていた隙に類似した詐欺にあいかかり、手洗いから戻ったところ2名の詐欺師が逃げていったことを帰国後聞きました。

 ヨーロッパで出遭った同邦のかたに、( 注意を促すため )上記をかいつまんでお話ししたところ、お話をした複数の方の見聞を総合すると、中欧・西欧で頻発しているようです。

 低価格ホテルに宿泊する際、金庫の有無、フロントを含めたホテルの信頼性など、貴重品を帯同せざるを得ないことも多いと思います。

 悩ましいことではありますが、安全にもコストを見込む必要はあるように感じました。


 上記のような出来事に遭遇しました。 
 これは、事柄通りに悲しい出来事か、身体への危害がなかったと喜ぶべきかは複雑です。

 私にとってヨーロッパは、異文化の洗礼を受ける、素晴らしい経験を与えてくれる存在に変わりはありませんが、上記のような (日本ではありえない悪意を持つ行為全体に対し) 防御策をあらかじめご賢察いただければ幸いと思い、お知らせします。

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9件のコメント

  • Re: ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

    恥ずかしい話ですが、私も引っかかったことあります。
    去年の6月の上旬にフランクフルト駅とユーロのオブジェの間の公園で時間帯は午前10~12時頃です。

    拙い文章ですが
    手口はアラブ系の人が携帯を手渡してきて、「自分の写真を撮ってほしい」みたいなことを言ってきたので
    ベンチに座ってるところを撮ってあげたのです。その直後に1人の白人が近寄ってきて偽物の警察手帳を見せてきてお前ら麻薬やってるだろ?みたいなことを言われて、まずアラブ系の人にIDと財布のチェックをさせて
    解放。そのあとわたしにIDと財布をチェックして解放っと言った感じでした。
    多分アラブ人の目も死んでたのでグルだったと思います。

    細かく言わせてもらうと偽者の手帳(POLICEと書いただけの単調なもの)を提示してきて
    パスポート見せろみたいなこといわれて2,3分探してたら、「もういい」みたいなこと言われ
    麻薬の検査と称して財布を見せろといわれてユーロ紙幣を見せて、その後封筒にしまってあったポンドも
    みせろ(この時点で凄い嫌だな~~っと思っていたのですが)っといわれ渋々手渡して匂いかいで
    返されました。で解放されました。解放してから数分後に「あれ?」っと思ってトイレに駆け込み数えてみたらおおよそ500ポンドと200ユーロ(当時のレートで10万円くらい)が抜かれてました。

    余談ですが、初めての個人旅行、初めての朝、前日ユースホステルで予約をしないで現地で予約した際
    言葉に苦戦(恥ずかしながら英語もロクにできません)して緊張してるときにあっさりやられちゃった
    感じです。なぜ大金を持ってたかといいますと今回の旅用に初めてクレカを作ったのですが提出書類の不備で
    日本出国前1日前にカード止められ尚且つ一ヶ月半もヨーロッパを旅するので30~40万円くらいの
    現金を持参せざろう得ませんでした。T/Cの使いかってもいまいち・・・でした。
    盗られるべくして盗られたと言われれば返す言葉はありません。

    幸いにも
    旅の目的はロックフェスめぐりだったのですが、他の贅沢はできなかったけど、どうにか回れました。


    質問なのですが
    わたしもフランクフルトの領事館に駆け込もうと思ったのですが、パスポート、現金はまだあったし
    ドイツではないですけどある国の日本大使館は行っても何もしてくれずに嫌味言われるだけよ。
    なんて話聞いたことあったので行きませんでした。警察も上記のとおり英語、ドイツ語ができないので
    行っても・・・だと思っていきませんでした。こういう場合って連絡だけでもしたほうが良かったのでしょうか?もしくは帰国後も外務省などにメールしとくなどしたほうがいいのですか?






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    Re: Re: ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

    summersonicさん、返信いただきありがとうございます。

    お互い災難でしたね、お気持ちはよくわかります。

    降り懸かった災難については、咄嗟の経験値が数倍上がったことで、他では得られない対応力がついたと思えば‥

    私は、「高価な勉強代を掛けてしまいましたが、人生どこかで役に立てるから」と整理しました。

    ところで、ご質問の件

    >わたしもフランクフルトの領事館に駆け込もうと思ったのですが、パスポート、現金はまだあったし
    ドイツではないですけどある国の日本大使館は行っても何もしてくれずに嫌味言われるだけよ。
    なんて話聞いたことあったので行きませんでした。警察も上記のとおり英語、ドイツ語ができないので
    行っても・・・だと思っていきませんでした。こういう場合って連絡だけでもしたほうが良かったのでしょうか?もしくは帰国後も外務省などにメールしとくなどしたほうがいいのですか?

    警察でも、領事館でも下目線を感じることはありませんでしたが、取り戻すための行動はありませんでした。

    経済的なマイナスを埋めることにはなりませんでした。

    保険会社からも、支払いの対象にはならないがと断ったうえで、何かのためになるかもしれないからと、届け出を勧められました。

    同じようないやな思いをする人が減ればと思い、ここにも吐露することにしました。


  • 私も昔アムステルダムで

    私も十数年前(1998年?)昔アムステルダムで同じような輩と遭遇しました。
    トランジットで7~8時間あったので市内まで出たのですが、立ち止まって地図を見ていたところ、男1(白人ではなかった)が道を尋ねてきました。そこに男2と3(こちらは白人だったように思う)が現れ・・・あとは同じような状況です。
    幸い(?)パスポートは空港のコインロッカーに預けた方のカバンに入れてあり所持していなかったのと、ギルダーの現金もトランジットなので小額しか持っておらず(円と南アフリカランドはロッカーのカバンの中)、男23が直接財布やカバンを調べなかったので(私が財布やカバンを開いて見せただけ)被疑はありませんでしたが。
    当時(今も)私は英語もろくにしゃべれなかったので、向こうが根負けしたのか、OKと言って立ち去りました。

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  • 皆さま、ご助言とご心配をいただき、ありがとうございます (自己レスで失礼します)

    11人の皆さま、纏めての返信で恐縮ですが、書き込みいただきありがとうございます。

    私と同様のご報告が無い様子で、安心しました。

    フランクフルトの領事館HPにも注意喚起されたようです。

    皆さまにも注目いただけたことで、当初の目的はこれにて達成できたと思います。

    皆さまのご意見の中で様々な助言を頂いてますが、現場では被害者になってしまった感覚はなく、疑いを晴らす思考で応対しておりました。猜疑を持たねばならなかったところでした、残念です。

    悪意の仕掛けの中で応じてしまったわけですが、犯人の人数を考えると、こちらが違う感覚を持って拒絶をした場合、その先に何が待っていたのかはわかりません。ただ、私自身はこれを貴重な経験として、今後は罠にはまりにくい準備を怠らないようにしたいと思います。

    ところで、この事件はかなしい経験でしたが、今回の旅行は別の良い体験でもありました。

    ウィーンから、ザルツブルグ、南ドイツ・ロマンチック街道・フランクフルト・ケルン・ブリュッセルへと移動しながら、様々なふれあいと景色を堪能・感激することができました。

    皆さまに様々なご助言をいただき、次回はさらに深く文化にふれるために活かさせていただきます。

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  • Re: ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

    くうるすさんこんにちは。

    実は、私もほぼ同時刻にほぼ同じ場所にいましたので、
    少し間違えば私が同様な被害に遭っていたかもと改めて身の引き締まる思いです。
    と同時にお助けできなかったことが残念です。
    とはいえ、実際その場面をみて、明らかに異常だと思ったときに自分がどういう行動に出られるか?
    というのも考えさせられました。


    対策といえば、やはり事前に類似の被害例などを耳に入れておくことも重要だと思います。
    途中でお聞かれましたように、類似の例は結構あるようです。
    あとは、自分を周りに溶け込ませて狙われにくくするなどでしょうか。

    別の国では邦人が亡くなったというニュースもありました。
    まずはお体に害が及ばなかったことを良かったと思い、次回への教訓となる良いですね。

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  • 11/09/29 10:23

    Re: ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

     参考になります。
    旅行の際は、心して注意します。
    POLICEの前で?POLICEって騒ぐのも難しい?

    ありがとうございます。

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    日本語は身を守る

    なまじ相手と会話ができると・・・・
    私は日本語で身を守っています。
    何を言われても日本語、とかく会話が成り立たないので
    相手も根気負け。

    これで幾度となく危機を乗り越えてきました。

  • 古典的な偽警官事件、ドイツまで拡大しましたか。

    ブダペスト、プラハあたりで10数年前に始まった
    偽警官事件、フランクフルトにまで広がったんですね。

    これを防ぐには、言葉が判らない振りをする。
    旅券を見せろ、財布を見せろと言われた時点で、
    「助けて」とか、「ポリス」とか
    大声で、周囲の人に助けを求めることと、考えています。
    (ブダペストで、偽警官が発生した頃、遭遇したことがあります)

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    退会ユーザ @*******
    11/09/29 10:15

    考えられる対策は、あんたさんの言うとおり。

    両手を大きく挙げて、
    HELP ME~!!!!HELP ME~!!!!HELP ME~!!!!
    POLICE~POLICE~!!!POLICE~POLICE~!!!POLICE~POLICE~!!!
    やね。
    出来るだけ大声で、広場中に聞こえるように・・・
    それしか方法は無いのとちゃいまっか。

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  • Re: ヨーロッパで一人旅の方、芝居がかった金取りにお気を付けください

    くうるすさん、こんにちは。

    かなり前の事ですが、ブダペスト東駅そばにて本物の警官にパスポート提示を求められた事があります。何故本物の警官と断定できるかというと、所持していなかったので「ない」と言うとどう見ても本物のパトカーの中に連行されたからです。さらにそこで「罰金を払え」と迫られました。そんな必要性があるのかと疑問に思い、会社の同僚に確認すべく携帯で電話を掛け始めたら「言っていい」と開放されました。という事で本物の警官にたかられるケースもあります。

    旧東欧圏では警官や医者を始めとした公務員の給料が安いため、このような不法行為や賄賂が横行していたという背景があります。

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  • ドイツではパスポートの常時携帯は不要です。

    ニセ警官詐欺の亜種ですね。

    在デュッセルドルフ日本国総領事館の安全情報によると、
    パスポート提示を求められた際のフローチャートが書かれています。
    www.dus.emb-japan.go.jp/profile/japanisch/j_aktuelles/071102_reisepass2.pdf
    ・有効期限内のパスポートの交付を受けており、出入国の際にパスポートを携行していれば良く、滞在中、常に肌身離さずに携帯している必要はない。
    という公式解釈が発出しております。
    私は以前からこの内容の通り、ドイツではパスポートはホテルのセーフティボックスに入れたまま観光しております。
    日本で警官と接触する機会はほぼ皆無なのに、海外でいきなりその機会に出くわす自体が奇異と思うべきでしょう。

    出発前に安全情報を精査しておくことの重要性を再確認できました。

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    公的機関が発行した身分証明書の携帯は必須

    私のドイツ人の友人がドイツで警官をしていますが、本物の警官がパスポート
    の提示を求めるケースはあまりないが、掲示を求められて、所持していない
    場合には、連行される可能性があるとのことです。
    コピーは原則ダメで、パスポートかIDカードの提示が必要とのことです。
    ちなみに、西欧では、自国民でもIDカードの常時携帯が普通です。
    ただし、友人曰く、ドイツの警官は、財政危機で削減が激しく、人手不足で、事件
    でもない限り、民間人に身分証明書の掲示を求める余裕はないとのことです。
    欧州には25年近く住んでいますが、身分証明書の掲示を本物の警官に求めら
    れたことは一度もないですが、常に外国人カードは携帯しています。
    ただ、列車の移動中、税関員に身分証明書提示と荷物検査を求められたケー
    スは何回もあります。シェンゲン協定国内でも税関検査は抜き打ちで国境に関
    係なく国によっては実施されています。特に麻薬とカメラの所持が調べられます。


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  • 退会ユーザ @*******
    11/09/28 23:51

    気を引き締めます。

    くうるすさん

    こんばんは。私来月ドイツから北欧にいきます。

    大変でしたね。。直前にこういう体験を読ませていただいたので
    いつも以上に気をひきしめていきたいと思います。

    本当はベルリンから北欧に入りたかったのですが、時期的
    な関係でフランクフルトからです。また、初めてですが
    フランクフルトからすぐそばのホテルに滞在予定なので
    余計気をひきしめなくてはです。一泊ですが気をつけます。

    私服のポリスはいないとのこと。教えて下さってありがとう
    ございました。

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