ヨーロッパから本日帰国しました。私が24日の土曜日に出遭った悲しい出来事をご報告します。
長文をご理解いただき、これからヨーロッパへ出発される方、ご参考にしていただければ幸いです。
ドイツのフランクフルト中央駅横にある展示会場「メッセ」前での出来事です。当日メッセでは連日数万人を集めるモーターショーが開催されていました。
メッセの前を横切るトラム付きの大通りから200mくらいの場所で晴れた土曜日の午後1時頃に起きました。
私が会場から500mほど離れた場所に立つホテルに向かって早足で帰る途中、旅行客を装った白人①が「セントラルホテルに帰りたいが‥」と声をかけてきました。私にわかるはずもなく、( 次の予定もあったので )無視して歩を進めてました。2度3度と話しかけてきたところで、( 私は同じそぶりで歩行を続けてました )いきなり、スーツを着た二人の白人②③が立ちはだかり、①と私に対してIDカードのようなもの提示して「ポリス」と名乗りました。
そして、私に話しかけていた白人①に対して「パスポートコントロール」とパスポートの提示を迫り始めました。私に対しても、①の同行者と勘違いした体で手で歩みを制した上、②と③が①のパスポートを調べて、財布を出させ、財布中のお札も出して②③が交互に鼻をつけ、さかんににおいを嗅ぐそぶりをしていました。
その後、私にも「パスポートコントロール」と言いながら、同じ対応を求めました。もとより私にパスポートと異物の不安はありませんでいたが、緊張して①が受けたものと同じ対応を受けました。
さらに、私には持っていたカバンや、会場で手に入れたパンフレット入りのショッピングバッグも②③が交互に調べていました。雰囲気は、私が疑われているかのような圧迫感でした。
二人が強気に求めてくる都度、私の注意は、パスポートと財布から、カバン・ショッピングバッグへと広がっていかざるをえませんでした。
また、聞かれることに答えることに神経を向け、防御本能は和らいでしまいました。
私がチェックを受けていたどの時点かはわかりませんが、①は途中でいなくなっていました。
その結果、パスポートも財布も無事返され、「疑いが晴れた」と思い、肩の力が抜けホッとしました。
その後、「さっきの男はあなたを狙っていたから声をかけたので、もう行っていい。気をつけるように。」ともいわれました。
ホテルに帰着後、パスポートと財布を確認したら、財布の中から高額紙幣があらかた抜き取られていました。100ユーロ紙幣も2枚を残して抜き取られていました。
においを嗅いだ後、乱雑に戻されたお札も、各色が何枚か残っていたので、現場で精査せず(捕縛の危機が去ったと安心が勝って)、ホテルにもどった後、この現実に戻りました。
愕然として、ホテルのマネージャーに事の次第を話すと「あとの祭りで、私が悪いのだ」と、受け流されるだけでした。
現場に行っても、たしかにあとの祭り、関係者は誰もいませんでした。
後刻、領事館に連絡し警察への届け出を促され、1日をかけて届け出を済ませました。
警察で聞いた話しでは
①ここ最近、東洋人を狙ったホールドアップは増えている ( 東洋人は比較的従順に見られているそうです )
②モーターショーの期間中、同様の届け出が15件以上届いている( 総数はその何倍になるのではないか? )
③ドイツには私服の警官はいない、警官はすべて制服を着ている
ほぼ同じ時に( 私とは別に )、スペインを2名で個別旅行していた近親者が、一方が手洗いに行っていた隙に類似した詐欺にあいかかり、手洗いから戻ったところ2名の詐欺師が逃げていったことを帰国後聞きました。
ヨーロッパで出遭った同邦のかたに、( 注意を促すため )上記をかいつまんでお話ししたところ、お話をした複数の方の見聞を総合すると、中欧・西欧で頻発しているようです。
低価格ホテルに宿泊する際、金庫の有無、フロントを含めたホテルの信頼性など、貴重品を帯同せざるを得ないことも多いと思います。
悩ましいことではありますが、安全にもコストを見込む必要はあるように感じました。
上記のような出来事に遭遇しました。
これは、事柄通りに悲しい出来事か、身体への危害がなかったと喜ぶべきかは複雑です。
私にとってヨーロッパは、異文化の洗礼を受ける、素晴らしい経験を与えてくれる存在に変わりはありませんが、上記のような (日本ではありえない悪意を持つ行為全体に対し) 防御策をあらかじめご賢察いただければ幸いと思い、お知らせします。