「ストラディバリ」と「グァルネリ」 イタリアのクレモナで作られた弦楽器で高名なる「ストラディバリウス」と「グァルネリ」は、弦楽奏者の垂涎の的。現在世界で活躍する著名な演奏家たちは、この二人の一族が作った名器で演奏することが多いです。ちなみに過去のストラディバリウスの一挺の最高価格は3億9,000万円、豪邸が買える金額です。従って、個人で持つことは難しいため、有能な演奏家は様々な財団からこれら名器を貸与されていることが多いです。 ヴァイオリン製作家であるストラディバリもグァルネリも、その家ごとに一派をなし、技術を伝承しました。特に二人のヴァイオリンは特殊なニスを楽器に使ったため、素晴らしい音色を奏でるとのこと。随分昔ですが、分析でそのニスに「カテキン」が含まれると判明しました。蟹などの甲殻類の甲羅を粉砕し、その微細な粉をニスに混ぜたとみられます。カテキンは抗酸化作用があり、また強度を増すことが知られています。 尚、世界的なヴァイオリニストの五嶋みどりが使用している楽器は、グァルネリ・デル・ジェス中期の作品で、1734年制作の“エクス・フーベルマン”と呼ばれる名器の一つ。グァルネリ・デル・ジェスが制作したヴァイオリンに中でも一級品は50挺程と言われ、その中でも特に逸品と言われている10挺位の内の一つがこの楽器です。1998年に岡山の林原共済会が入手し、五嶋みどりに「終身貸与」しました。 この楽器“エクス・フーベルマン”は、例えてみれば、ワインのロマネコンティのような深み、渋み、複雑な表情をその音に湛えているとの解説ですが、コンサートで睡魔とお友達の私の耳にはよく解りません。しかし、彼女の演奏を聴くと元気づけられます。以上、雑学として。 http://www.yamaha.co.jp/edu/instruments/violin/history/index.html http://www.liuwei-music.com/guarneri2.html
違いのわからない私ですが Blue3さん、こんばんは。 まぁ、とても詳しい解説をありがとうございます。雑学以上の知識をお持ちかと...。 私は先日、CSTVで川久保賜紀さんという女性ヴァイオリニストが、10年間貸与されていたストラディバリウスを手放すことにより、新しいヴァイオリンを求めてクレモナを訪ねるという番組を観ました。 そこには、チャイコフスキー国際コンクールヴァイオリン製作部門で優勝された菊田さんの工房もありました。元々NHKのディレクターだった菊田さんがこの世界で名を成すのは、大変な苦労があったかと思います。 他にも、何人もの日本人が本物を求めて修行されている姿に感動してしまい、今回のクレモナ行きを思い立った次第です。 私も名器の音の価値など、たぶんわからない人間かと思いますが、ひとつのことにすべてを捧げ尽くす人の生き様は、演奏者にしても製作者にしても、その前ではただ頭を垂れるしかない自分が居ます。 五嶋みどりさんのように音楽を表現する力はなくても、本場の空気をしっかり味わって来たいと思っています。 やっぱり、クレモナに泊まるのがいいかしら...。
この時間と空間を Maasaさん、お返事、ありがとうございます。そうですね…忙しい毎日だからこそ、貴女の心に描いた街をゆっくりと訪れてもいいかも知れませんね。きっと貴女の感性に寄り添うものがあり、決してそれは無駄ではないと思います。 身体全体でクレモナの空気を静かに受け止め、その皮膚を光の粒子で染め上げるのもいいな。 耳を澄ませば木を削るかすかな音。手にはカラフルなボンボン。 小さい街だから、横丁のバールでカンパリソーダでも飲んでいると、会いたかったマエストロが仕事帰りにぶらっと来て、あれっ、君どこかで逢わなかったかな…?なんで不思議な出会いがあるかも知れない、無いかもしれない。 さあ、そんなとき貴女は何て言おう…。 「お待ちしていました」。この時間と空間を…。(シェイクスピア)