ナポリは危険ではありません

ミラノやローマのほうが危険というか恐いのですが。
ローマなんか、周囲が全員懐中物を狙っているか薬物中毒者
かと思われる・・というと極端ですが、田舎から入ると
そんな気になってしまいます。

それに比べるとナポリは交通が荒っぽいし、二重三重駐車も当たり前で、
サングラスを掛けたマフィアのボスみたいのも沢山居るし。
ところが、そのボスみたいのに道を聞くと大げさな身振り手振りで、
親切に教えてくれて、しかも連れてってくれたり、または、そのボス
みたいのが二人で、ジェラートを食べながら井戸端会議。

これはむしろありがたいことで、日本では、「ギャングや追いはぎが
闊歩する危険な街」という印象が強いために、パッケージでも宿泊は
さけ、カプリやポンペイに行く途中に寄り道し、多くは「車中見学」、
たまにサンタルチアとかで下車し、ほんの少しだけ「放し飼い」。

比較的大きな宿に泊まると、日本人団体が泊まっていますが、十中八九、
夜遅く到着し、早朝に電光石火の如く去っていきます。寝坊すると居た
ことすらわからない。団体の扱いに慣れると、宿も堕落するし、レストラン
も二度と来ない客に対応したサービスと料理になり、商店も店も高いくせに
ろくでもないものを売りつけようとしますが、それがないのもナポリの
よいところ。同じように、プーリアで唯一日本人団体がバスで乗り付ける
アルベルベッロに行くと日本語で客の呼び込みがあって、中国製の
「アルベロベッロ」のお土産ばかりが売られています。興ざめなので、
多くの人が、「そんなに期待するな」と言ってしまうのでしょう。

本題の治安ですが、私は日本で言うと大阪みたいな街だと思っています。
大阪人には申しわけないのですが、「吉本」以前の関東、とくに東京人から
みると、大阪人はがさつで、他人の家に土足で入り込む、その筋の人も
多く、治安も悪そう・・・・。でも現実は、人情に溢れ、物の価格には
厳しく（しっかり吟味する）、競争が激しいので不味い店はすぐに陶太
されるが、安くて美味い店は汚くても繁盛する。良く大阪人が言うのは、
「東京の人間って、不味くて高い店に何故行列まで作って行くのか」。

ナポリにも治安の悪い地域はあります。具体的には、夜は中央駅周辺、
言わずと知れたスパッカナポリ、スペイン地区の裏通りなどを夜間避ける
のはある意味当然。しかし、スパッカナポリでも昼間は安全。手にバック
ぶら下げ、その中に貴重品でも入れない限り。逆にサンタルチアならば、
夜遅くまで、レストランがやっているし、散歩する人も居るのでかなり
安全でしょう。王宮からキアイア通りに抜ける商店街も安全ですね。
ということで、通常の安全対策を取っていれば、まず大丈夫。
絶対安全はそもそもないので、注意を怠らないことですが。

やはり宿を転々とするのは面倒だし、無駄も多いので、私ならば、
ナポリに三泊か、前後同じ宿に一泊ずつして、カプリへは日帰りか、
下着の着替えだけで、一泊。荷物はナポリの宿に置く。
たった三泊で、宿や場所を転々とするのは無駄なような気がします。

ローマなんか、余程吟味しないと観光客向けのレストランしか見つかり
ません。しかし、ナポリならば、地元の常連さんが次々訪れ、メニュー
にない料理を注文しても対応してくれ、最後には「店のおごりだよ」
という感じの店が多い。都会の割には、物価も安く（ホテルがイマイチ
なのが玉に瑕）、食事がとても美味しい。交通の要所だし、ここに三泊
は悪くない選択だと思います。