宿泊費の高いシンガポールへの旅行で、宿泊費を安くあげるウルトラCの技(わざ)がある。
シンガポールと国境を接するマレーシアのジョーホールバルで宿泊するのだ。
マレーシアとシンガポールは、Cause wayという橋で結ばれており、鉄道と道路が、このCause wayの上を通っている。
鉄道は、1日数本しか走らないので、人々の移動の足は、もっぱら、バスと車である。
毎朝、大勢のマレーシア人が、このCause wayを通って、シンガポールに通勤していく。
つまり、ジョーホールバルから、シンガポールは、通勤圏なのである。
ジョーホールバルのホテルに宿泊し、シンガポール観光をすれば、シンガポールのホテルに泊まるより、格段に安く、宿泊費を抑えられる。
「シンガポールに行きたいけれど、物価が高い。特に、宿泊費が高すぎる」と躊躇していた私は、この方法に気がついて、マレーシアのジョーホールバルへ向かった。
ジョーホールバルは、マレーシアの他の町と比べて、宿代が高かった。
それでも、シンガポールよりは、ずっと安かった。
一例を挙げると、ジョーホールバルのホテルだと、ドミトリー1泊35リンギット(約1000円)くらい。
シンガポールだと、ドミトリー1泊20ドル(約1300円)くらい。
ジョーホールバルのホテルだと、シングル(バスルームつき)1泊70リンギット(約2000円)くらい。
シンガポールだと、シングル(バスルームつき)1泊60ドル(約3900円)くらい。
ジョーホールバルからシンガポールへは、Cause way Linkのバスで、行きが、2,5リンギット(ブギスまで)(約75円)、帰りが、2,4ドル(約156円)。
片道約1時間で、早朝から、深夜まで、バスの便数は、多い。
往復のバス代を入れても、ジョーホールバルに宿泊する方が、断然安い。
食費も安い。
(物価は、感覚的に、約半分)
幸い、シンガポールもマレーシアも、日本人は、ビザが要らない。
唯一、わずらわしいのが、イミグレーションである。
マレーシアから、シンガポールへ入るのに、マレーシアの出国審査を受け、バスに乗って、Cause wayを通って、シンガポールのイミグレーションへ行き、入国審査を受け、また、バスに乗らないといけない。
帰りは、この反対の手順を踏む。
大勢のマレーシア人が、同様の手続きを踏んでいるから、マネをするだけだが。
ジョーホールバルは、国境の町特有の雰囲気があり、クアラルンプールとは、全然違う。
「シンガポールなんてつまらない」と言う人が多いが、こういった別の角度から切り込むと、人々の生活も見え、旅に奥深さが出てくる。