チップについて,以下の興味深いログがあったので,再考してみます。
http://bbs.arukikata.co.jp/bbs/tree.php/id/377366/-/parent_contribution_id/377366/
そもそも,チップというのは,ある個人が特定の個人に対して,感謝の気持ちを込めて払うものではないでしょうか。
アメリカのチップは高い,と言われていますが,それには理由があります。アメリカの高級レストランへ行くと,必ず1人だけ「テーブル係」(ウェーターかウェートレス)がいて,初めから終わりまで面倒を見てくれます。彼らは提供される料理の内容を熟知しています。「本日のメニュー」については,材料から料理法に至るまで,詳細に説明してくれます。ワインリストの中身をすべて知っており,ワインの特徴を教えてくれます。ワインを選ぶと,“Nice selection!”などとお世辞まで言ってくれます。4-5人でテーブルを囲んで,全く別々のものをオーダーしても,決して間違えずにオーダーした人の前に提供します。途中で「お味はいかがですか」などと聞いてきます。その間に,客とテーブル係の間には,なごやかな会話がはずみ,交流ができます。チップはこのような専門的で人間的なサービスに対する対価として支払われます。だから,15-20%は高くないのです。チップはすべてテーブル係がもらいます(クレジットカード払いでも)。だから,彼らは一生懸命やるのです。
欧州でも,もしそれだけのサービスが受けられるなら,私は喜んでチップを払うでしょう。ただ,英語がアメリカほど通じるところが少ないので,客との交流は難しいと思います。
単に皿を運ぶだけのサービスにチップを払う必要はありません。ファーストフードもそうです。では,先トピの場合はどうでしょう。ツアーなので,「団体料理」で皿を運ぶのは多分,数名でやるでしょう。客との会話も交流もありません。なのに,ツアーコンダクターは「チップを払え」と言います。一体,だれに払うのでしょうか。払われたチップはどうなるのでしょうか。店に行くか,複数の係の間でケンカになるか,いずれにしても意味のないことになります。
「枕銭」はどうでしょう。客が落としたものか,だれに支払われたか,分りません。もしハウスキーピングが,あて先のないお金を取ったら,ドロボーになります。それを許しているホテルがあれば,それは教育不足です。と言えば言いすぎでしょうか。
私たちはチップについて,もっとしっかりした考えをもつ必要があります。チップには必ず特定の相手がいること,常に感謝をもってすること,この2点があれば,いくらとか,何%とかいう基準はあまり大切ではありません。(念頭におく必要はありますが。)
日本の旅行会社ももっとこの点について考え,ツアーコンダクターを教育してほしいものです。