09/04/28 08:19

明確な違いはないと思います

確かに結核は肺なので、気道上皮の粘液を伴わず、乾いた咳となり、
これが空気感染と言うことになります。一方、気道上皮の感染症
であるインフルエンザは粘液を伴いますので、くしゃみとともに
排出されれば、飛沫となりますが、これはそのうち飛沫核、すなわち
空気感染の元となります。問題はその状態で生き延びることができるか
ですが、マスクの説明にもあったように一時間程度は生存(そもそも
生きものかという問題はありますが)するので、十分凶器となります。

かたや自力で生存可能な生き物(細菌)とかたや遺伝子の塊との
差でしょう。しかし、大きさは前者の1/10以下で、飛沫核になると
通常のマスクをすり抜けます。安価なマスクがそれでも有効なのは、
(1)患者からの飛沫発散を阻止する
(2)大部分の飛沫の段階で呼気からの進入を阻止する
(3)粘膜を乾燥させないので、防御機構が期待できる
からでしょう。何もしないよりかは断然ましということです。

しかし、極度に乾燥した環境、日本の冬のように、しかも閉め切りで
換気もない、人で溢れているとかはインフルエンザ蔓延には最適環境
です。まだ湿度も高くないので、危険な状態でしょう。

飛沫核でも感染しますので、やはりN95と特別な処理を施した(これが
本当に効果があるかは実践でしか確かめられません。事実、市場に
出たものの、販売中止になった製品は枚挙に暇がありません)もの
のほうが安全。その上、装着法にも問題があって、顔にフィットしない
限り、隙間からウィルスが入ります。先に書いたように、本物のN95
マスクでは歩くことも困難です。楽なのは漏れている証拠。

恐らく今日中にマスクの買い占めが発生するでしょうね。
国民性からすれば。

誰も免疫がないので、ウィルスを侵入させた時点で手遅れ。ほぼ確実に
感染するでしょう。後は、メキシコの事態が例外的であることを祈る
だけでしょう。メキシコ政府の遅れと、日本の水際作戦の遅れで、
すでに国内にも入っている可能性も否定できませんし、これから、
海外に大量に出るので、日本での拡大も十分あり得ると思います。

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1件のコメント

  • Re: 明確な違いはないと思います

    こんばんは。

    毎度の説得力ある説明、有難う御座います。
    貴殿は病理の先生でしょうか? すごく詳しいので驚きました。
    私は全く知識が乏しいので、一応は調べ直してから投稿していますが、・・・・間違いを指摘くださって
    良かったです。

    さて今日は試しに、昼間の空き時間に電話相談をしてみました。
    以下、その中でのお話。
    皆さんはマスクには関心があって、いろいろ吟味していらっしゃるようですが、
    マスクだけで防御態勢を考えるのは正しくないとの事。眼を保護しなければ無意味だそうです。
    普通の生活ならばN95は極端のようです。それよりもっと総合的な防御を考えたほうが・・・・。
    なるほど、これは参考になりました。

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