スイス・チューリッヒ。
チューリッヒ国際空港から、列車でチューリッヒ中央駅までの短い区間があります。その列車に乗ろうとしていた時のことです。ドアから中に入ると見知らぬ男が、如何にも「重い荷物なので持ってやるよ」という素振りで、私の持っているスーツケースを持とうとしました。私は自分の物ですから、強く引いて自分で持って中に進みました。汽車の構造は、新幹線のようになっており、座席までに狭い短い通路があります。そこを通過する時、荷物を持ってやる素振りをした男が今度は降りる方向に移動し、私は後ろから入って来た男との間に挟まれてしまいました。私はリュックを担いでいましたが、無理やりに体を反転し、強く後ろに移動しました。入口の所に戻ると男は外に出て行ってしまいました。
後で考えると、後ろに居た男も仲間で、もしスーツケースを持たれていたら、後ろで私のリュックを捕まえて追えないようにして、前の男がそのまま持ち逃げする方法であろうかと推測されます。私は直ぐ座席に座って荷物の安全を確認しましたが、外を見ると例の男はもう一人の男と一緒に、また辺りを伺っていました。
チューリッヒの列車は日本と違って改札口が無く、列車の中まで外部と同じ状況です。列車が走りだして初めて、そこが列車の中になります。だから、停車時間が長い列車の場合は、閉まるまでは、注意が必要だと強く感じました。
チューリッヒにお越しの場合は、列車の乗り降りにも注意して下さい。