レポート

シリアのホムスからレバノンのバールベックへ陸路で移動する方法

公開日 : 2010年01月24日
最終更新 :

↓ブログで航空写真入りの詳細を書いてます。
http://nabeteru.seesaa.net/article/139178855.html

1.ガラージュ・ブルマンが起点
 他の町からホムスの町にバスに乗って来ると、幹線道路沿いにある大きなバスターミナル(ガラージュ・ブルマン)に連れてこられる。
 『地球の歩き方』にはホムスの地図がまともに載っていないので、実は正確な位置が変わらないのだが、いろいろな記憶を総合するとこれだ。最初、ここでバールベックに行く大型バスを一生懸命探したのだが、結論的に言うと、これは無駄だ。ホムスからレバノンにダイレクトで行く大型バスはないし、ここにいる人たちは驚くほどレバノンについて情報を持っていない。正解は、ガラージュから陸橋を渡って幹線道路の反対側(南行)にでて、セルビス(小型の乗り合いバス)を探すことだ。声を掛けてくる運転手に、行き先を「ドアルトドモール(Doartadomor)」と告げて、乗れ、と言われたら乗ろう。これは町の南外れにあるバス乗り場の名前だ。
 僕は実際にはこれに気づくことができず、ガラージュの外にいる嘘つきタクシー運転手(シリア人はみな親切だがタクシー運転手だけは別)に「レバノン国境に行くバスなど無い。タクシーでしか行けない」などとだまされて、高い金を払ってタクシーで国境まで行った。
 セルビスに乗ること約30分弱(帰りはドアルトドモールからガラージュまでセルビスに乗ったので嘘ではない)。ドアルトドモールに到着する。ここも正確な位置が分からないのだが、記憶を総合すると、多分ここだと思う。ここでレバノンの国境に向かうセルビスを探して乗車する。ガラージュからのセルビスはバス乗り場の敷地の外に止まり、国境域のセルビスは敷地の中にいる。

2.国境越えのお作法
 ドアルトドモールから国境まで行くセルビスはシリア側の国境検問所の手前までしか運行していない(帰りはここでセルビスに乗ってドアルトドモールに行く)。航空写真で見ると右上のバスが何台かと待っているエリアがそれだ。ここでセルビスを降りて、道路上に柵の見える検問所の敷地に入り、出国審査をする。レバノン方向に道を見て道の右側にある一番大きくて人の出入りが多い建物がパスポート・コントロールの建物。ここでカードをもらい、道をはさんで向かい(左側)にある建物で二人で550シリアポンドの出国税を払ったが、50はぼられた可能性もある。再度、パスポート・コントロールに戻ってカードの必要事項を記入し、提出。OKをもらうと、徒歩で検問所を抜ける。
 検問所を越えたところにセルビスのたまり場があるので、ここでセルビスに乗車。人が一杯になったら出発する。実際にはいつ国境を越えたのか分からなかったのだけど,このセルビス乗り場のすぐそばが国境だったようだ。レバノンポンドを持ってないのでビクビクしてたが、セルビスもドルが使えるのでレートが悪いことを覚悟すれば全く問題はない。これで終わりかと思っていたら、しばらく行ったところにレバノン側の国境検問所がある。
 ここで入国審査(エントリーカードの記入とパスポートの押印のみでお金は取られない。旅の目的とどこに泊まるのか聞かれた記憶有り。)を済ませると、セルビスに戻り(乗客全員が審査を終えるまで待っていてくれる)、あとはバールベックへ一路だ。

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4件のコメント

  • お返事ありがとうございます

    3人もコメントをいただけるとは思いませんでした。情報が補強されて私の不十分な情報がまともになってきました。ありがとうございました。

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  • 貴重な情報ですね&補足

    私もホムス〜バールベック国境を越えたことがないので、大変参考になりました。貴重な情報ありがとうございます。またブログも拝見させていただきました。

    ドアルトドモールとはドワール・タドモール(パルミラ交差点)のことですね。ブログ上の航空写真の左側に写っている円形交差点です。ドワールの右上にあるカラージュは、正式名称はよくわからんのですが、よく南バスターミナル(カラージュ・ジャヌーブ)とか、カラージュ・ヤナースとか呼ばれていたりします。交差点から右に延びる道路はパルミラ街道で、タドモールから暑くてのろいミクロバスに乗ってホムスに来ると、このターミナルで降ろされて路頭に迷うことになります。

    私が行った時には、プルマンバスターミナルから市街までの間、建物の裏にひっそりとあるカラージュ・タマーニア(8)・アザールが乗用車形の国際セルビスの発着地となっていました。トリポリ(orベイルート)とバールベック(orシュトゥーラ)へと走っていましたが、はっきりいってお客が全然集まらず、結局一人で根切りに値切って乗ったセルビスが、クラックデシュバリエの近くで故障し、放り出されてしかたなく通りかかったバスを止めてホムスに戻り、こんどはプルマンバスターミナルの横のミクロバスターミナル(クラックデシュバリエ行きがあるところ)からワゴン形セルビス(というかミクロバス)でトリポリに行きました。

    ちなみにホムスのカラージュ・プルマン前で客待ちするタクシーにろくなのはいません。シリア一ひどいといっても過言ではありません。パルミラでさえ、なかにはまともな運転手もいるというのに。「ハマまでタクシーはどう? たった500SPだよ」と、当時18SPしかしないセルビスが頻発しているというのに、しつこく声をかけてきて、二言目には「セルビス? 今日は走っていないよ」とお約束のウソ情報です。ホムスのカラージュ・プルマンにはシリア中からバスが集まり、よく事情を知らないシリア人のおのぼりさんもたくさん来るからで、なかにはこの呼び込みに誘われてハマまでタクシーに乗る人もいるんでしょうから、まあ商売としては妥当なのでしょう。

    ちなみに、私もブログにシリア・ヨルダンのバス事情を連載していますので、よかったらどうぞ。ホムスのターミナルについても書いています。

    http://ameblo.jp/aadydeiko/

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  • Re: シリアのホムスからレバノンのバールベックへ陸路で移動する方法

    ホルムからバールベックへの移動情報、ありがとうございます。
    私もバールベックのバスを探しましたが判らず、セルビスでベイルートに向かいました。
    町の中心にある時計台、その交差点の角にセルビスを手配する事務所がありました。
    セダンタイプの車で一人5$、その昔鉄道が走っていたルートに沿ってトリポリ経由でベイルートに、国境もローカル色があって簡単にトランジットスタンプを押してくれました。

    ベイルートもまだダウンタウンを少し離れただけで現実の傷跡が残っていますね。

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  • Re: シリアのホムスからレバノンのバールベックへ陸路で移動する方法

     5年前にこれの逆ルート(バールペック→ホムス)で国境を超えました。

     やや複雑なこの国境通過方法はベイルートのタラルズニューホテルのオヤジ
    が懇切丁寧(紙にメモ)に教えてくれたからです。

     おかげで最も安くかつ早くシリアに行けた実感です。

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