輪舞曲 ♪キャンドルに 表通りを歩いていると子供たちが「1ブル、1ブル」と言って、挨拶代わりに手を出してくる。 幼い子供は別として、まあ、大抵は無視している。 これが裏通りの住宅街となると、子供はせびってこない。 訳あって裏通りを黙々と歩いていると、5歳ぐらいの少女がニコニコしながら私の周りをクルクル回るようについてくる。 クルクル、クルクル 何か言いたげな表情なのだけど、少し困ったような表情にも見える。 「はろー・・・」 そう少女は言うと私に握手を求めた。 そして恥ずかしそうにブルーシートで出来た家の中へと逃げていった。 そのとき、私にはハローじゃなくて、別の旋律が聞こえました。 わかった。 私とダンスに付き合ってくれたのだから、お返しに「輪舞曲」でも奏でましょう。