レポート

旅順観光について

公開日 : 2008年08月30日
最終更新 :

 今夏、職場の同僚と2人で大連を訪れた。今回は大連だけではなく旅順と瀋陽にも行った。ここでは旅順行きについて記したい。

 旅順には「外国人が入れない場所がある」と聞いていたので、「地球の歩き方」やネットを利用して色々と調べたが、どこが入れて、どこが入れないのか、結論は「よく分からない」だった。ただ、二〇三高地と水師営には問題なく行けるようだ。東鶏冠山は微妙で、旅順監獄や旅順博物館は難しい。更に旧関東軍関係の施設は絶対に行けない、と理解できた。

 色々とアプローチした中で「専用車+ガイド」にもかかわらず、一番、費用が安く(950元=約15000円、二人だったので半分ずつ)、しかも私が訪れたいマニアックな場所を、一番「行けます」と回答してくれた「J●Nトラベル」を選んだ。しかし、この会社には問題点があったので、ここに報告したい。

 1つ目の問題。私は、車とガイドの手配を依頼した後、事前に日本円で費用を支払った。しかし、これは単純なミスだろうが、当日、観光が終わって大連まで戻った後、ガイドは「車代は、客から現地でもらい、直に運転手に渡すように」と現地支店から指示があったということで、車代を要求してきた。ガイドは、その書類を見せてくれたので嘘は言っていない。

 日本で既に費用を支払っている以上、更に400元(約6000円)を出す気はなかったが、この運転手も直ちに旅順まで帰るわけだし、待たせるのも可愛そうなので、この私が400元を支払った(どう考えても、会社のミスであることは明白だったので、帰国後、返金してもらえると確信していたから)。

 この時は土曜日の夕方で、日本の本社にも中国の支店にも連絡がつかなかった。丸1日、旅順まで観光し、くたくただったが、少しガイドと言い争ってしまい、本当に気分が悪かった。帰国後、400元分の返金を要求し、会社はこれに応じてくれた。しかし、初歩的なミスは勘弁してほしかった。

 2つ目の問題。旅順に行った翌日、列車で瀋陽を往復した。切符は大連に着いてから自分で買おうと思っていたが、心配なので、このJ●Nトラベルに購入を依頼した。このチケット代も事前に日本円で払った。しかし、事情があったらしく、希望のランクの席がとれなかった。

 これは仕方がないとして、何故、J●Nトラベルは事前に私にそのことを伝えなかったのか。そして、高い料金を払ったのに、安いチケットをとったのだから、当然、その差額を返金すべきだと思った。この件もクレームをつけ、この差額分の返金も要求し、会社はこれにも応じてくれた。ただ、ミスが多い会社だと思った。

 3つ目の問題。旅順にて、私たちは事前に「行ける」と言われた場所に、運転手から「行けない」と言われ、そこに行くために余計に300元を払った。しかも、そのうちの何ヶ所かは、J●Nトラベルに問い合わせた結果、「行ける」と回答があった。しかし、迎えに来たガイドはビーチサンダルを履いた学生アルバイトだったし、運転手は、外国人は「東鶏冠山には行けない」「旅順監獄にも行けない」の一点張りで、私たちは、かなりのショックを受けた。

 仕方ないので、行くことが可能な二〇三高地に先ず行くと、その観光案内所のような場所で、或るガイド(プロ)から1人150元で「東鶏冠山も行ける」「旅順監獄も行ける」と言われ、お願いした。もともと個人でも二〇三高地と水師営は行けるらしいが、それ以外は現地のタクシー運転手が「行けない」という以上、仕方ないので2人で300元を払ったのだ。

 この旅順での昼食も、確かに良いものを食べたが、大連の街中で火鍋をお腹いっぱい食べても2人で71元(1000円ちょっと)だったこと、もっと庶民的な店で、水餃子と小龍包を食べきれないくらい食べて、ビール1本を飲んでも2人で20元だったことを考えると、運転手とガイドにご馳走した昼食は4人で4000円もしてた。この旅順観光は、食事やガイドの入場料も含めて高くついてしまった。ちなみに、追加で払った300元も、この会社は返金してくれた。

 以上。この会社は、その後の対応は紳士的かつ真摯的であったが、仕事そのものが雑であるように思えた。また、この会社に限らず、考慮すべき点は、ガイドの身分のこと、入場料や昼食代は含まれれるか否か、ということ。

 もし、次、二人で行くとしたら、少しは中国語が出来るので、大連でタクシーを借りきり(400元?)、自分たちだけで二〇三高地と水師営(ここで昼食)に行く。二〇三高地で、現地ガイドを1人150で雇い、東鶏冠山や監獄、そして関東軍関係の施設は車窓見学をする。ガイドの入場料も不要で、かなり安い。

  • いいね! 0
  • コメント 3件

3件のコメント

  • Re: 旅順観光について 参考になります。

     シニカル3720さん、はじめまして。
     私は今年まで、個人旅行しかしなかったのですが、
    90歳を過ぎた身内がツァー旅行を申込み、
    同行することになり2月に初めての中国旅行とツァー旅行を体験しました。
     また来月に大連(旅順)瀋陽の三泊四日ツァーに参加同行すること
    になりました。
     身内は一人で行けないということではなく、話し相手の
    同行者が必要になってきたと解釈しています。
    (身内は今年はすでに一人でツァー旅行のモンテネグロや
    戦友追悼のためニューギニアを訪れているので)

     ツァー行程には二〇三高地や水師営は組みこまれているのですが
    個人的に訪れたいと思っていた旅順監獄は含まれていませんでした。
     同じ旅行会社で大連二日間自由行動の航空便とホテル指定だけの
    企画はあったのですが、身内主導の旅行なので選べませんでした。
     
     大連市内観光が半日あったので(「満鉄本社」跡? アジア号? 
    見学など)、旅行会社に電話をして半日だけ「離脱」(旅順監獄に
    行くので)できないかと相談をしたのですが、予想通り「却下」され
    ました。ホテル到着後ならばいくらでも自由行動はかまわない、と言われましたが、暗い中、時間と金額をかけて外から旅順監獄を見ても
    意味はないのであきらめ、今回の旅は個人旅行で企画をたてるための
    「経験」旅行とすることにしました。

     ツァー代金は4万円弱+燃油チャージ代17,000円+税金で
    6万円余りの払い込みになります。(大連自由行動企画のも確かほぼ同額)。希望出発日は定員いっぱい、第二候補日ですでに60人近く申し込みがあり受付完了寸前でした。
     2月にツァー旅行を初めて体験して、やはり個人旅行の「自由」さを
    改めて感じました。この「格安」旅行代金レベルだと、今回もそうですが、現地中国の旅行会社に「丸投げ」をする企画、現地係員の同行なので当然ながら余分な「土産物店」立ち寄り行程も組みこまれてしまいます。
     ともあれEAVOさんのレスを含めて(せめてEAVOさんが購入された旅順監獄が収載されている写真集だけでも購入したいと思っています)このようなトピックがたてられたことはとても参考になりました。
     感謝します。
     

    • いいね! 0
    • コメント 1件

    確かに・・・

     私も、初めての場所は最初「ツアー」で行き、再度、行く場合は「個人で」というパターンが多かったです。

     確かに、完全なるツアーだと、途中で「トイレに行きたい」「買い物に行きたいとか」とか、「もっとここを見たい」「別に、××に行きたい」とか、こういう融通がきかず、時間設定が早め早めのなので(それ
    でも遅刻する人がいて遅れることが・・・)、時間的にロスも大きい。

     中国は、そういう適当な場所が少ないので、それほど酷くないですが、台湾とか韓国だと免税店が充実しているので、やれトイレ休憩だとか、やれ両替できますとか、無料でお茶が飲めますとか・・・、色んな名目のもとで免税店を「はしご」させられた。無駄な時間でした。

     実は、今回もそうでしたが、私はツアーでも「中抜けツアー(フリープラン)」を利用することが多い。飛行機とホテル(朝食あり)と「市内と空港」間の送迎のみ、あとは自由。その分、昼食・夕食と、交通費は自分で。ただ、団体扱いになるので、JAL・ANAなどが安く利用できる。

     あと旅順ですが、やはり「二〇三高地」「水師営」だけか、これプラス・アルファか、パターンは2つに分かれるようですね。前者だけなら、どのツアーでもカバーしています。
     私は、学生時代に歴史を専門としていましたので、ややマニアックでしたが、結局、今回は「二〇三高地」「水師営」と、旅順監獄・東鶏冠山を見学し、関東軍司令部跡(現在は軍の施設?)と粛親王府跡(川島芳子の父親である、清朝八大親王家筆頭の粛親王ゼンキの家。川島芳子が川島浪速の養子となるまで数年暮らした家、溥儀も一時期、滞在したらしい)を車窓見学しました。

     おそらく、現地の正式ガイドが同行すれば、旅順博物館(シルクロード関係で、大谷探検隊のコレクションがあるらしい)も可能かも知れません。本当は旅順駅の写真も撮りたかったのですが、今回は時間切れでした。漱石が宿泊した旧ヤマトホテル(現在は旅行社)も、旧市街にあるようですが行けませんでした。

     中でも、個人的には旅順監獄が、見ごたえありました。広いので1時間以上は見たと思いますが、それでもあっという間でした。ソウルの南山公園にある安重根記念館にも行ったことがあり、彼が収容されていた部屋は、ちょっと見物でしたねェ。一番、印象に残ってしまったのは、処刑室でした。

  • Re: 旅順観光について

    こんばんは。

    いやな思いをされたようですが、中国の旅行ではこのようなことはありえることと
    理解された方が、よろしいかと思います。

    今回の例で言えば、手配を依頼した旅行会社に切符の手配状況と
    現地での緊急連絡先を、日本にいるうちに確認しておくのが良いと思います。
    また、EAVOさんがおっしゃるように、最初からツアーに参加するのも有効な
    方策かと思います。

    それでは。

    • いいね! 0
    • コメント 2件

    ずいぶんとトーンが落ちたね

     勢いが無くなったな。

     緊急連絡先に電話しても、曜日と時間帯の関係で、日本の本社も、中国の支社も、このJ●Nトラベルは出なかった。

    • いいね! 0
    • コメント 0件
  • 08/08/30 15:43

    旅順

    判定が難しい場所はツアーが良いです。
    私は値段が下がった正月直後の39800円のJTBツアーに参加しました。

    東鶏冠山北堡塁、旅順博物館、203高地、水師営なども日本語ガイド付きで見ました。

    添乗員付きのツアーは旅ではないと粋がっている人もこの掲示板では見かけますが、
    余り自分を縛ってしまうと見られるものも見られなくなります。
    南極などはその良い例です。

    ついでの話ですが、私は終戦直後未だ残っていた広瀬中佐と杉野兵曹長の銅像を神田須田町交差点で見ました。
    今の西遊旅行社やファイブスター社の近くです。その頃は電気街が神田駅付近で秋葉原に移っていなかった時です。

    現地で買ってきた旅順口の写真集から抜粋した旅順監獄と関東軍司令部の写真です。
    http://www.c-player.com/ac45785/thread/1100072467113

    http://www.c-player.com/ac45785/thread/1100072467147

    • いいね! 0
    • コメント 1件

    いくら安くても安いのは・・・

     寒く無かったですか?。我慢できる程度ですかねェ。
     あと、反論するわけではないですが、「旅」には3つの楽しみがあると言いますね。

     ①行く前に準備をする楽しさ。
     ②実際に行った時の楽しさ。
     ③そして行った後の楽しさ(写真をみたり、思い出話をしたり)。

     旅の楽しさは、②だけではないですよね。特に、私は①を重視します。個人で色々と調べ、マネージメントをするのが楽しいのです。これが、毎日、忙しく、ストレスの多い仕事をしている私の、最大の癒しなのです。

     ちょっとツアーだと味気なく感じてしまいます。時と場合にも寄りますが・・・。