レポート

ジゴロとジゴロもどき

公開日 : 2008年08月02日
最終更新 :

バリ島旅行で注意すべきなのが、「ジゴロ」である。
バリ島のインドネシア人男性は、ほぼ全員、「ジゴロもどき」だと思っていて間違いない。
チャンスさえあれば、ジゴロ(ヒモ)になりたいと思っている。
特に、問題なのが、安宿の従業員である。
ビーチボーイなら、ビーチへ行かなければ会わないが、宿の従業員は、毎日顔を合わせるからである。
ジゴロだから、男性客には、害がない。
「いいバンガローだったじゃないか」で終わってしまう。

私が泊まったのは、ガイドブックに載っている安宿である。
そこの従業員を仮に「K」と呼ぼう。
Kは、日本語が上手である。
ローマ字で書いた日本語のテキストを持っていて、ときどき勉強している。

Kは、用もないのに、部屋に入ってこようとした。
入れなかったが。
Kは、意味もなく、上半身裸になり、私の目の前をウロウロした。
(私は、初め、暑いのかと思った)
男性の裸を見ると、女性は欲情すると思っているようだ。
私が、自分の年齢の話をすると、
「年じゃないよ!ハートだよ!」
と言った。
ネパールの男の子も、インドの男の子も、同じことを言った。
「年齢じゃないよ!ハートだよ!」
「お前の、そのハートが大問題なんだ!」
と、言ってやりたいところだ。
少し親しくすると、勘違いする。
「メイクラブするのも、愛があったほうがいいだろ」
と言って、また、部屋に入ってこようとする。
入れなかったが。
私があきらめさせようと思って、
「あんた、28才でしょ。私は、25才以下でないと、ダメなんだよ」
と言うと、次の日、本当に、25才の男の子を連れてきた。
手はつけなかったが。
一番我慢できなかったのが、干渉してくることである。
「あっちのほうは、危ないから、行っちゃダメ。クタ?クタは危ないから、行っちゃダメ」
どこへ行くのも、反対する。
私は、構わず、出かけた。
すると、Kは
「今度、クタへ行くときには、僕も一緒に行く」
ただの客と従業員の関係で、なんで、こんなこと言われなければ、ならないのか?

Kで感心したのは、キメのせりふをいくつか持っていることである。
(誰が、教えたんだろう?)
私が、
「部屋には従業員をいれちゃダメって、ガイドブックに書いてあるんだ」と言うと、
「なんで、そんなこと、言うんだ?」
と言う。
私が
「バリ島はジゴロに注意しないといけないって、ガイドブックに書いてあるんだ」と言うと、
「なんで、そんなこと、言うんだ?」
と言う。
私が、寝坊して、遅く降りていくと
「なかなか起きてこないから、心配したんだよ」
と言う。
私が、クタから遅く帰ってくると
「なかなか帰ってこないから、心配したんだよ」
と言う。

あれでは、そのうち、若い女の子が引っかかるだろう。

クタビーチのビーチボーイのことは、よく知らない。
何度か、見に行って感じたのは、安宿の従業員と違い、クタビーチのビーチボーイは「プロである」ということだ。
慎重に相手を品定めし、値踏みしている。
がっつくと、相手が逃げることを知っている。
裸を見せびらかさなければならないので、カラダづくりしているし、おしゃれである。
私が、クタビーチで会ったビーチボーイは、ジャワ島やスマトラ島から来ていた。
出稼ぎである。

ビーチボーイをしていたこともある、というバリ島の男の子に、ビーチボーイと、普通の男の子の違いを聞いた。
少し考えてから返ってきた答えが
「ビーチボーイは毎日、ビーチへ行く」
アメリカの女の子からもらったという腕時計も見せてくれた。
高そうには見えなかったが。

日本の女の子は、ちやほやされるのが好きである。
(誰でもかもしれないが)
私が、バリ島のジゴロもどきから感じたのは、「計算しつくしている」ということである。
恋愛なんて感情ではない。

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