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インド最後の夜(その2)

こんにちはゲストさん

タクシーが止まった。
私は、タクシーから降り、左右を見回した。
オートリキシャを見つけ、手を上げる。
オートリキシャが、そばに来て、止まった。
やった!
オートリキシャは、タクシーより安い。
私は、タクシーのトランクから、スーツケースを引っ張り出し、オートリキシャの後部座席に押し込んだ。
タクシーのあんちゃんが、車から出てきた。
「金を払え!」
「ノー!お前は、契約を破った!お前は、違う車を持って来た!お前は、壊れた車を持ってきたんだ!」
「ここまで走ったんだから、金を払え!」
「ノー!お前が悪い!お前が、契約を破ったんだ!」
言い争っていると、インド人が集まってきた。
大勢のインド人に囲まれて、言い合いをするのは、これで何度目だろう。
慣れてくると、快感になってくる。
双方とも英語が下手なので、「舌戦」と言えないのが悲しいが。
「100ルピー!」
とあんちゃんが叫ぶ。
「ノー!お前が、契約を破った!お前は、違う車を持ってきた!」
私は、オートリキシャに乗った。
あんちゃんは、オートリキシャに足をかけ、手でつかんで、行かせまいとした。
「100ルピー!」
あんちゃんが、目をすごませる。
コルカタのインド人は、よくすごんでくる。
こういう場合の対抗策は唯ひとつ、徹底的に怒ることだ。
「ノー!お前が悪い!お前が、契約を破ったんだ!お前は、壊れた車を持ってきたんだ!」
「50ルピー!」
「ノー!」
私は、オートリキシャの運転手に
「Go to the airport.I must hurry」
と言った。
タクシーのあんちゃんは、じっと私の顔を見ていたが、ようやく、私に、1ルピーも払う気がない、ということに気づいた。
やっと、オートリキシャから、足をどけ、手を離した。
オートリキシャの運転手に、ベンガリー語で何か言っている。
「ファイブハンドレッドルピー」という言葉が聞こえた。
「空港まで500ルピーの約束だから、500ルピー請求しろ」とでも言ったんだろう。
インド人なら、それくらいのことは、言う。

オートリキシャは、走り出した。
「How much?」
と聞くと、案の定
「500ルピー」
と言ってきた。
「ノー。200ルピーでどうだ?」
と言うと、
「タクシーの運転手は、500ルピーの約束だったと言っていたそ」
「彼はウソを言ったんだ。220ルピーの約束だ。200ルピーでどうだ?」
「500ルピーだ」
それから、「500」「200」と言い合いが続いた。
空港まで遠かった。
私は、バンガロールで、よく、オートリキシャにメーターで乗った経験から
「この距離だと、相場は150ルピーだな」
と見当がついた。
空港に着いた。
オートリキシャの運転手は「500」と言い張る。
私は「200」と言った。
「私は知っている。相場は150だ。私は200払おう」
そう言うと、オートリキシャの運転手は、200ルピー受け取って、オートリキシャに乗り、去っていった。

やはり、「相場は150」は図星だったようだ。
たまたま通りかかって、あのオートリキシャの運転手は、割りのいい仕事にありついた。
タクシーのあんちゃんは、欲をかきすぎて、1ルピーにもならなかった。
タクシーを走らせた分、損をした。
私は、220ルピーのはずが、200ルピーで空港まで来れた。

あのタクシーのあんちゃん、まともに仕事をしていたら、今夜の稼ぎはあったのに。
私には、1ルピーも払う気がない、ということを、やっと悟った瞬間の、あんちゃんの表情はすごかった。
あんな表情をするくらいなら、最初から、きちんと仕事をすればいいのに。

空港に着いたとき、チェックイン開始までに1時間あった。
インドでは、大幅に時間を見積もっておくのは、常識である。

「仕事はまじめにしなければならない」という教訓を与えたつもりだが、インド人のことだから、すぐ忘れて、またぞろやらかすだろう。

「インド疲れ」という言葉があるが、インドが日常になると、「インド疲れ」なんて、言っていられない。
インドの長旅は、格闘技の修行をするのに似ていたような気がする。

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