6月12日の夜、ノイバイ空港に到着。入国審査を終えて、到着ロビーの外に出たのは10時過ぎでした。初ハノイでしたが、ガイドブックで下調べした通り、すぐにタクシー乗り場を発見。
トランシーバーのようなものを持った係員がいたし、車体に「ノイバイタクシー」と書かれた車が止まっていたので、まずはひと安心。
念のために係員に「ノイバイタクシー?」と確認すると、「そうだ」と言って誘導、すぐに一人の運転手がスーツケースを取ってトランクに入れようとしたので、さらに念のために「ハウマッチ?」と尋ねると、英語がわからない(←後で考えるとふり)といった感じで、「OK、OK」を連発して車内に促しました。
一律12ドルという情報を得ていたので、率直に「12ドル?」と聞いてもよかったんだけど、セコい私は「為替の変動もあり得る」というガイドブックのコメントが頭にあって、「実は10ドルかもしれないし・・・」という腹もあり、「ハウマッチ?」とやってしまったのです。
5分ほど走ったところで、この運ちゃん、突然後ろを向いて「フォーティーダラー」とのたまうじゃあーりませんか!!
一瞬、耳を疑いましたが、「あっ、フォーティーンと言ったのかも」と思い、「フォーティーンダラー?」と聞き返すと、「ノー!フォーティー」と語気を荒げます。
「やられた~」と思いつつ、とりあえずお決まりの「トゥーイクスペンシィブ!フォーティーン」と切り替えしたところ、運ちゃん、さらに強い口調で「ノー!ネバー!!」
最終的にぼったくられた場合、ダメ元でノイバイタクシーに通報してやろうと、車両番号とか運転手名とかの表示はないかしら、と車内を見回したところ、ふと後ろのガラスに「ビエットタインタクシー」の文字が・・・。
私はノイバイタクシーのつもりで乗ったのに、もしかしてこれって評判の悪い新規参入のタクシー?とガックリ。
「もうぅ~、あたしったらどうして確認しなかったんだろう!もう最悪!でも、絶対払うもんか!!」と、同乗者の連れ合いに息巻いてました。(連れ合いは英語が苦手なので、海外では私がいつもガイド状態)
連れ合いいわく「ここは大人しくしといた方が得策。まだ市内までは相当あるから、キレて怒りっぱなしだと、この客は払う気なしと見て、怪しい所に連れて行かれて、実力行使に出られる可能性があると思う。大人しくしてたら、観念して払うかも・・・という期待が続くから、とりあえず目的地あたりまでは連れて行くよ。それに黙ってた方が、ある意味不気味だよ」と。
「う~む、それもそうか」と思い、後はひたすら外の景色に目を凝らしてました。
ソフィテルプラザが見えたので、タイ湖あたりまで来たことは確認。しばらく行くと、写真で見た旧市街らしき雰囲気の一角に入って・・・そうしたら、奇跡的に今夜のミニホテル「コンチネンタル」の看板が目に入って、ほっとしたのもつかの間、その前を行き過ぎそうになったので、「ヘイ、ヘイ、ここだよ、ここっ!」と運転席をバンバンたたいてアピール。
ほんの少し過ぎた所で、運ちゃん車を止めました。
さあ、ここからが勝負!黙って14ドルを差し出すと、怖~い顔でにらみながら、「ノー!フォーティー」。
ところが、私たちって、いずれにせよ15ドルしか持ってなかったのよね。(翌朝、銀行で円をドンに替えようという計画だったので、タクシー代プラスアルファのつもりで15ドルのみ日本で用意)
こっちも負けずに運ちゃんをにらみ返し、ゆっくりといつもより低い声で「アイドントハブサッチアビッグマネー。ビコーズアイクドゥントゥゴートゥーザバンク。ユーノー?」と何度も繰り返し言いました。(心臓はバクバクでしたが・・・)
私が必死で運ちゃんと渡り合っている最中、ナント連れ合いは車を降りたので、「なんで降りるのよぉ~、なんでぇ~」とわけがわからなくなり、薄暗い外を見ていたら、「ほら、ホテルの人が来てくれたよ。トランクも開いたよ」と連れ合いが再登場。
私も外に飛び出し、トランクからスーツケースを出してくれてたニイチャンに「コンチネンタルホテルの人?私、予約している○○です」と告げ、九死に一生(というか、地獄で仏というか・・・ホントにそんな気分でした)を得ました。
後で連れ合いに聞くと、私が必死で渡り合ってる時に、ふと外を見るとホテルから人が出てきたので、すぐさま車を降りて、「トランクが開かない」というジェスチャーをしたそう。
すると、ホテルのニイチャンはすぐに事態を呑み込んで、タクシーの窓をたたき、運ちゃんにベトナム語で(おそらく)トランクを開けるように言ったそう。
長々と失礼しましたが、最終的には事なきを得ました。
しかし、あらためて「料金が不明瞭な場合は、事前にしっかり確認して、納得してから利用する」という基本を忘れちゃいけないなぁ、と猛反省した出来事でした。