12) 第二次大戦中の戦車 の展示(F 思い出したので書き込み 2) アンバリッドに行った。 ナポレオンの墓のあるところだが、軍事博物館の方が展示物は数多くある。 中を順に見学していたら、第二次大戦中の仏軍の戦車(ルノー社製)と、 独軍のパンター戦車の、両方とも砲塔部分が並べての展示してあった。 戦車全体は、全長8~9m近くにもなるから、部屋には入らないので、 砲塔(上部の大砲やそれをを取り付ける部屋部分)のみを展示しているようだ。 まず、フランスの戦車の砲塔部分 戦闘員が外を見るために、正面と左右側面の装甲のまん中に 高さ2mm、横の長さ30cmほどのスリットが水平に切ってあって、 戦闘になったらそこから外部を見るようだ。 でもこれって、一番被弾確率の高い砲塔のまん中にこんなスリットを付けたら、 被弾した際、スリットのところから装甲が内側へひん曲がって、砲弾の破片が内部に降り注ぎ、 戦車兵は戦闘能力を失ってしまうんじゃないか ? それに、前と横の3ヶ所しか見るところがないから、歩兵が入り交じる戦闘になったら、 後ろから敵歩兵が近づいても発見できず、爆薬を仕掛けられたら、 後部にあるエンジンが破壊されて、移動不可能になる可能性がある。 (戦車が動けなくなれば、ただのトーチかで、戦線の移動に対応できない) 一方、ナチスドイツのパンター戦車は、装甲の一番上の水平の天井板との境目に、 高さ2cm、長さ30cmほどのプリズムが水平に取り付けてある。 上面から見ると、砲塔は6角形なので、6個、全周囲が監視できるようになっている。 兵員は、プリズムから入った外部の状況を、L型に下に光を曲げるスコープ等で、 中から監視するようだ。 (蓋が開けられないので、砲塔内部は見学できなかった。) それに、上部の天井板との境目は、砲弾が命中する確率は低いであろう。 装甲には、スリットなどの弱点がない。 さすがに、名戦車と言われたパンター戦車だ。 当時の独仏の光学のテクノロジーの差が、戦車の装備に現れている。 それにしても、フランスのこんな戦車じゃ、ドイツ軍の戦車に勝てるわけないよ !! 実際、第二次大戦が始まると、フランス軍は押されっぱなしで、 ついにパリを含むフランスの北半分をドイツに占領されてしまったのも事実。 大戦末期に、フランスのンノルマンジーに上陸した連合軍の戦車は、 パンター戦車の前に、パンター戦車1台撃破する間に、米軍製の戦車5台が破壊されたという。 (とは言っても、アメリカから戦車10台持ってくれば、戦局は有利になると言うことだけど。) 戦争は、第二次大戦の時から既に、旧某帝国軍のように精神力でやるものではなく、 武器でやるものだというのは、当然だけど、 武器には、テクノロジーの裏打ちが絶対必要だと言うことでしょう。 (素人目にも明らかだった) フランス軍は、ドイツ軍に負けたわけだけど、こんな不名誉な事でも、 隠さずに展示しているフランス人は、ある意味で偉いのかな~。