11) ツアー代金の おつり (F 追加書き込みです) カマルグでのツアー料金は、35ユーロだった。 (乗る前に、観光案内所で確認して、35ユーロのツアーを選択した。 支払は、ガイドのドライバーに直接現金で払うようになっていた。) 支払の時に、事務所じゃないから、5ユーロのおつりがないと言われると、 おつりを受け取る権利を放棄しないといけなくなるかも知れないと思い、 財布を見ると、小銭がじゃらじゃらあって、5ユーロぐらいはありそうだった。 乗る時間までに時間があるので、アルルの町をぶらぶら散歩していて、 喉が渇いたので、無意識に、1.5ユーロのミネラルウオーターを買って飲んだ。 乗車地点に向かうときに、小銭を見ると、4.8ユーロしか残っていない。 (あれ、しまった。でも、まあ何とかなるだろう。) ツアーの状況は、先に書いたとおり。 他に客が5人いるから、5ユーロぐらいのおつりは、何とかなるだろうと思った。 ツアーが終わって、降りる段になると、他の客は、ホテルまで送ってもらうから、 乗車地点で降りるのは、私だけということになった。 車外に出て、ガイドのドライバーに紙幣で40ユーロを出すと、 ガイドは、「申し訳ないが、おつりの5ユーロがない」と言い出した。 (しまった、憂慮していたことが起こった。) ガイドが、「本当に、小銭はないですか」と聞きながら、私の小銭入れの端に 人差し指を曲げて、少し引っかけ、中が見えるようにして中をのぞき込むので、 小銭を左手の上に全部出して広げて見せて、「4.8ユーロしかありません」 と言うと、たいへん困った表情をしていた。 で、ガイドは、思い切ったように、次のように言った。 「Je vous dois 5 euros. あなたに5ユーロ借りておきます。(借りています)」 (ツアー中に、明日私がパリに戻るとか、他の客も交えて、色々な話をしたので、 もう会えないことは十分知っているのである。 返せないことを、借りておくという別のきれいな表現で言う言い方なのでしょう。) 私は、「Non、Non、(だめですよ)、あなたは小銭はないのですか」 と言いながら、彼の財布を、人差し指の先で引っ張り開けながら、覗くと小銭がいくらかあった。 「持っているじゃないですか」と言いながら、1ユーロや、10サンチーム(0.1euro)の黄銅貨を つまみ出して、左手の上に並べると、4.4ユーロあった。 残りは、1サンチームなどの小粒の銅貨だったのでもらってもしょうがないし、 「これだけでいいです。後は要りません。」というと、 ガイドは、 「えっ、それでいいですか ? メルシー、ムシュー。親切にありがとう。 日本への良いご帰還をお祈りします。さようなら。良い夕べを。」 と、急ににこやかになって、握手して、決着が付いた。 ガイドは車に戻って手を振り、他の5人もみんな手を振って分かれた。 あのガイドは、チップが欲しかったのかな~。 でも、フランスで、このようなツアーガイドにチップを出さなければならないという事があるかどうか、 よく知らないしね。 支払やチップは、あの5人がどうするか、見てからにしようと思っていたのだが、 同じ場所で降りなかったし、、、。 でも、100円程度で、旅行者全員が、にこやかに別れたのは、気分が良かった。 おつりがないことは、フランスではよくあって、小さい店などで、 小銭のほとんど入ってないおつり箱を見せて、おつりがないです、なんて言って、 おつりをもらう権利を放棄するように、暗にほのめかされるうことがありますね。 7~8年前に、パリの国鉄駅で早朝切符を買った時も、 その担当者のところに端数の20~30円程度のおつりがなくて、 最初、おつりがないので、少ないおつりで承諾して欲しい、 と言われたのですが、私が、不承知だ、と首を縦に振らなかったので、 その係員は、他の係員に、何人も小銭を崩せないか、聞いて廻って、 個人の財布からようやく準備してもらえたことがあります。 でも、その係員は、なかなかあきらめないしつこい客だな、と言う表情でした。 (私も、まだ、その頃、旅行者がカードで払うのがそれほど一般的でなかったのと、 おつりがないことがよくある、その場合は、国鉄といえども、権利放棄せざるをえない、 と言うことを、あまり知りませんでした。)