6) 墓地でお墓を探すには (F) モンパルナスへ行った後、時間が余ったので、モンパルナスの墓地へ行って私の比較的好きな作家、モーパッサンの墓を探そうと思った。 思いついて行ったので、下調べをしていないから、墓地に着いたら、係の人に地図をもらって、モーパッサンの墓の位置を調べた。 場所は26区画となっている。 26区画をさんざん探したが、見つからない。落ち着いてよく見ると、地図の道路の色が違う表示になっているところは、塀の外の一般の道路らしい。 ちょっと、ちょっと、どうなってるの、これ。26区画の外に塀があって、その外に一般の道路があって、また塀があって、その向こうがまた26区画だなんて。 気を取り直して、隣の敷地の26区画を探し始めた。でも、隣接の25区画との間には通路がないので、内部を歩いていると、どこまでが26区画か、わかりにくい。 おまけに、家型のチャペルみたいな背の高い墓が林立していて見通しがきかないので、自分がどの位置に立っているか分からなくなる。 ブロックごとに、縦並びだったり、横並びだったりして、通路がしらみつぶし的に歩けないので、既に見たところか、まだ見ていないところか、区別が付けにくい。 木陰がないから、じりじりと太陽に照らされて暑く、かれこれ1時間ほど探したが見つからず、あきらめかけて呆然としていたら、20mぐらい向こうにいた男の人が、 「ムシュー、モーパッサンを捜しているのですか」と声をかけてきた。 「そうです。見つけられなくて」と言うと、 「あっちですよ、私の後についてきてください」と、親切にも案内してくれた。 さらに30mぐらい向こうだった。ふう~、でも助かった。 「もらった地図を見て探したんですけど、見つからなくて」というと、その人は、 「地図は正しくないですよ。Le plan n'est pas bon.」と言っていた。 モーパッサンの墓は、縦型で、形を知っていれば、平たい墓の文字を読みながら探すこともなかった。 それに暑かった。 モーパッサンの墓 ↓ http://www.landrucimetieres.fr/spip/spip.php?article943 http://maupassant.free.fr/deces.htm (誰か木を植えたんですね。下側の写真は気が小さいけど、上の写真は木が大きくなっています。 でも、私が行ったときは、木はなくすっきりしていたので、誰か木は切ったのでしょう。) モーパッサンの短編小説で、比較的好きな作品の一つ「頸飾り(くびかざり)」を紹介します。 青空文庫というところが版権の切れた小説をネット公開しているので、もし時間があれば読んでみてはいかが。(短編なのですぐ読めます) 昔のフランス人の生き方や知恵が何となく感じられる作品です。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000903/files/43555_16642.html