08/06/21 18:45

5) クルミ割り (F)

マルセイユに行ったので、ブイヤベースを食べた。入った店は、旧港に面した庶民的な店である。
オマールエビの片身(半分のこと)が入っているものを選択したら、クルミ割りのような道具が出てきた。これでハサミの部分を挟んで圧縮したら、いとも簡単にハサミの腕の殻が割れて、身を取り出すのが簡単だった。

「そうだ、パリへ戻ったら、蚤の市でこんな道具を探してみよう !」
(家でズワイガニなどを食べるとき、ハサミの付いている腕は硬いから、身が取り出しにくい。包丁を入れておくといいんだが、うちのかみさんは、面倒なことがきらいで、、、。)

パリに戻って、ヴァンヴの蚤の市でクルミ割りを5ユーロで買った。
どんなものかを分かりやすくするために、クルミ割りの通信販売のサイトを添付します。(参考)
http://www.twenga.fr/dir-Maison,Ustensiles-de-cuisine,Casse-noix
買ったのは、最初の列の右端、11.17euroのものに近い形のもの。
挟むところが大小、2段になっている。

パリ郊外Essonne県のいつも宿泊させてもらっているフランス人の家で、「蚤の市で何か見つけたの」と聞かれたので、買ったクルミ割りを見せたら、
「きれいで、いいクルミ割りだね。大きい方はクルミnoix 割り用、小さい方はnoisetteノワゼット割り用だね。」
と指を挟みながら言われた。
仏語では、クルミ割りは casse-noix と言う。

小さい方は、カニのハサミを割るのかと思っていたけど、そうじゃないようだ。
(上に示した写真には、カニのハサミを割るためらしい名前付けのものものもある。)

noisetteというのは、日本語訳ではハシバミとなっていて、フランスの家庭の庭でも比較的植えてある木である。
ドングリみたいな実がなって、クッキーなどに使う。
noisetteは、こんな感じ。↓ 根元から枝分かれして、大木にはならない。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Noisetier_commun
日本では、英語名が通っていて、ヘーゼルナッツと言うようだ。
(フランスで食べるnoisetteと、日本で食べるヘーゼルナッツが、全く同じものかどうかは自信がない。)

インターネットで casse-noix を調べていたら、casse-noisette と言う言葉が、たくさん出てくる。
casse-noisetteというのは、バレエのクルミ割り人形のタイトルだった。
日本語では、クルミ割り人形と言うけど、フランスでは、道具のクルミ割り casse-noix とは違う言葉を使うらしい。

バレエのタイトルは、何でnoixじゃなくてnoisetteを使うの ?
これじゃ、タイトルはクルミ割りじゃなくてハシバミ割りじゃないか ?
英語では、道具のクルミ割りとバレエのクルミ割り人形は、別の言い方なんだろうか。
このあたり、詳しい方がいたら、お教え願いたいです。

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1件のコメント

  • casse-noisette

    mamoru さん、こんばんは。

    私は詳しくはありませんが、クラシック音楽系劇場作品に興味があるので、ちょっと調べて見ました。

    参考URLは:

    (1) http://www.balletmet.org/Notes/NutHist.html

    (2) http://deutschmachtspass.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/nussknacker__dcc7.html

    です。

    (1) から、チャイコフスキーの胡桃割人形の台本は、大デュマの L'Histoire d'un Casse Noisette (The Story of a Hazelnut-cracker) を元に書いたとあるので、フランス語では Noisette になったのではないかと思います。
    又、この大デュマの作品は、E.T.A.Hoffmann の Nussknacker und Mausekonig (The Nutcracker and the King of the Mice) の翻案(日本語の Wikipedia)であるとありますので、ドイツ語では、Nussknacker と書かれるのでしょう。

    更に、(2) の記事本体のおしまい部分にドイツでは Nuss と言っても、胡桃よりはハシバミの方が身近な Nuss だとの話があるので、Nussknacker が Casse Noisette になるのも不思議は無いのかも知れません。

    問題は、E.T.A.Hoffmann の時代のドイツ人が (2) の様な所謂「胡桃割り人形」を胡桃を割るのに使っている(た)のか、ハシバミを割っていたのかが判らない事です。両方とも割っていたなら、日本語では、「木の実割り人形」とかの方が良かったのかも知れませんね?

    仏語も独語もチンプンカンプンなオジサンの空想でした。

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    08/06/25 00:40

    Re: casse-noisette

    ボーやさん レスありがとうございます。

    大もとの話は、ドイツだったんですね。
    ドイツでも、クルミよりハシバミ(ヘーゼルナッツ)の方が身近らしいようで、
    フランスからドイツにかけては、よくとれるものらしいと言うことが分かりました。

    フランスでは、ハシバミ noisette はたいへんポピュラーで、クッキーの上に乗っていたりして、
    よく食べられています。


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