08/06/09 18:21

商品としてのボランティア

たしかに、旅行会社側からみて、商品としては、いい戦略かもしれませんね。そもそも「ボランティア・ツアー」などと言っている時点で、本格的にボランティアを志そうとしている人は、最初から敬遠するかもしれません。

それにしても、目的と手段が入れ替わっているというか・・・物事の順序が逆さまなのは、奇妙を通り越して滑稽な光景です。この滑稽さは日本社会のあらゆるところで見受けられますけれども。

たまたまボランティア経験や旅行経験をもった人を、その内容によって企業側が考慮する、というのが本来の形でしょう。しかし、応募する側もそこが考慮されることを事前に知っていてそのためにボランティアや旅行をする、企業側も応募者がそのように旅行やボランティアを「利用」してくることを重々承知の上でそこを重視する。さらにはそういう現状を知っている旅行会社が「ボランティア」を宣伝に掲げる。

皆でよってたかって「ボランティア」という言葉を利用しているわけですね(笑)なんだかODAの論理とよく似ています。「援助」をすれば国連常任理事国入りの1票を入れてくれるのではないかな~、という期待をちらつかせてしまう日本。

もちろん「商品としてのボランティア」であっても、ウラのあるODAであっても、役に立っていることはあるかと思います。ただ、こうなったらさらに1歩進めて、さらに現地で役に立ちそうな商品を出していったらどうでしょうかね?

たとえば「中国四川省周辺でのボランティア」だとか。これは今だしたら、就職と関係ない人でも飛びつきます。たぶん30万や40万のツアーでも行く人はいるでしょう。ただ、受け入れ先に問題があって、こういう民間企業に対して、受け皿を見つけるのは大変でしょう。それに技術をもっていない人がどう役に立てるのか? それでも、テントが不足しているなら旅行会社は30万円のうち10万円はテント代にあてて大量のテントを買って、そのテントを参加者に配布してもらうだけでも役に立ちそうですけれども。

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1件のコメント

  • 企業は結局、入社の時に「ボランティアをやってました」と言うような要領のいい人を求めているのでは?

    >>応募する側もそこが考慮されることを事前に知っていてそのためにボランティアや旅行をする、企業側も応募者がそのように旅行やボランティアを「利用」してくることを重々承知の上でそこを重視する。さらにはそういう現状を知っている旅行会社が「ボランティア」を宣伝に掲げる。

    でもまあ企業というのは、
    ボランティア経験が考慮されると知っていて、
    ボランティア経験を作って持ってくるような、
    要領のいい人間を求めているのでは(笑)?

    企業の意図を読み取ってうまく立ち回る人間は、
    企業の不正行為があっても、
    告発したりしませんからね。

    >>それに技術をもっていない人がどう役に立てるのか?

    ですからもっと誰でも入りやすいようなボランティア活動
    を、政府が支援したらいいと思いますよ。

    日本人は一般的にはまじめですから、
    若者を短期間送り出して、
    現地の人と接触させるだけでも、
    日本人の印象はよくなりますからね。

    みどりのくつした

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    08/06/10 09:32

    誰でも入りやすいボランティア

    要領のいい人間を集めるだけだったら、
    もっと要領のいいやり方があるかとは思いますがそれはさておき(笑)

    「誰でも入りやすいようなボランティア活動」ですが、これは結局技術の問題になってしまうんでないかと個人的には感じてしまいます・・・。

    このボランティア・ツアーは参加者に対して試験とかあるんでしょうか? まさか!ですよね? ツアーと銘打っている以上、誰でも申し込めるのではないかと思います。

    そうするとあらゆる人が申し込めるわけです。
    極端にいうと、日本でもボランティアなどやったことがない、それどころか何の社会経験もない、下手するとバイト経験もない、海外旅行経験もない、そういう学生でも誰でも申し込めるという話になります。

    技術もなくて人の役に立とうとするのは、本当に難しいことかと考えます。

    日本に「誰でも入りやすいボランティア」がないのはそのためでしょう。

    本当に人の役に立てるのは、きちんとそのボランティアをする内容の分野で知識をもっていたり技術を得た人間だけでしょう。何の知識もなくて旅行の延長線上でやるようなボランティアには自ずと限界があります。

    「誰でもできるような仕事」であれば、それこそ現地で現地の人を雇ってやったほうがずっと効率いいかもしれません。現地に対する知識も、現地にずっと住んでいてあらゆる状況を理解している人たちと、現地を初めて訪れる日本人とでは、それこそ雲泥の差があるかと・・・。

    ボランティアをやる期間にもよりますが、1週間とかであったら現地に慣れることもできないまま終わってしまう人も続出しそうな匂いすらします(笑)しかもボランティアではよくある団体作業・・・いきなりツアーで集まった顔も知らない人たちが本当に力をあわせてできるんでしょうか?(笑)

    考えれば考えるほどミステリアスなボランティア・ツアー。
    その実態やいかに?
    どなたか参加された方はどうかレポートください。興味あります。

    このツアー、就職のことを抜かして考えれば、技術はなくてもキモチはアツい、そういう人に向けてのツアーかと思います。もちろん、本当にキモチがアツければ、自然と技術を学ぼうとするようになるのが普通だとは思いますが・・・どうであれそのアツい気持ちは尊重されるべきかと思います。

    ただ、このボランティアツアーを取っ掛かりにして、後に本格的にボランティアをやる人が出てくるのであれば、それはいいことですよね。
    HISはぜひその部分を狙ってほしいです。動機は最初は「就職に有利」であったとしても、何年かのちに、やっぱりボランティアがやりたくなってその就職先を辞める人が出てきたら、それは「成果」です。つまり、大きな目でみれば、就職のためのツアーではなく、退職のためのツアーです(笑)