08/05/24 02:33

Re: 旧ユーゴの国々

① マケドニアで「警察にパスポートを預ける」と書かれているのは、いつ頃の地球の歩き方でしょうか。もし最近の版だとすると、明らかに誤報だと思います。少なくともマケドニア(FYROM)独立後はそのようなシステムはありませんし、(旧)ユーゴスラヴィア連邦時代にもそんなことはなかったはずです(チトーがソ連と袂を分かつ前ぐらい昔の話でしたら、有り得なくもないですが...)。
 ただ、ホテルが外国人の滞在届(恐らく制度上はまだ残っている)を行う場合は、ホテルが書類を作る間、チェックイン時から少しだけパスポートを預かります。外出時に必要なら(この国ではコピーではなく本物を携帯することを強くお勧めします)、言えば返してくれます。

② セルビアの宿泊証明もホテルが処理してくれるはずです。自分から能動的に何かアクション(警察への出頭等)を起こす必要はなく、もらった紙を出国時まで大事に保管しておけば問題ありません。

③ 「旧ユーゴの治安」というのは、恐らく旧ユーゴ連邦各国ということではなく、今はなき「新ユーゴ」(現在のセルビアとモンテネグロの両国)を指すものと思いますので、その前提で書きます。尚、情勢は激動中ですので、必ず最新の詳しい情報を外務省の安全情報(危険情報)等から入手して下さい。
 一口にセルビア(やモンテネグロ)といっても、場所によって民族的にも経済的にもかなりの違いがあり、治安もまちまちです。大雑把に言うと、モンテネグロの海岸地帯は概ね良好です。セルビアもベオグラード周辺は以前に比べ良いと言われていますが、決して西欧的な治安の良さではないです。セルビアの中でもコソヴォやアルバニアに接する地域は治安情勢が複雑で立入るべきでなく、モンテネグロ・セルビアの国境地帯の山の中などには旅行者が立入らないほうが良い場所も点在します。コソヴォ独立後、セルビアで最も民族構成が複雑となったヴォイヴォディナ地方についても、現状は安定していますが、将来的にどうなるかはわかりません。
 尚、この地域では中国(大陸)からの経済移民の方々と間違われると、時として非常に不快な(あるいは厄介な)経験をさせられることがあります。ここでは、日本人であることをアピールすることが、かえって身の安全につながる場合がありますので、念の為。

 ついでに、それ以外の「旧ユーゴ連邦」諸国についても:
(1)スロヴェニア、クロアチアは極めて良好
(2)ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニアはethnic group間の対立はあるものの、旅行者が普通の観光ルートを辿る分には概ね問題なし
(3)コソヴォは治安が不安定で、観光には適さず(そもそも主な観光の対象が破壊されたり、KFORの兵士により閉鎖・監視下にある)
尚、(2)(3)は必ず外務省の情報をご覧下さい。

④ サラエボ~コトル~オフリド
 サライェヴォからコトル・ポドゴリッツァ方面は山の中の道路が直通しており、スケジュールが合えばバスがつかまると思います。ドゥブロフニク乗換でも行けますが。
 コトルからオフリドまで最短ルートはアルバニアを突っ切ることですが、地図で見るよりは時間がかかりますし、肉体的・精神的労力も要します。楽に行きたければ陸路ベオ経由でスコピェに出る(時間がかかる)か、ユーゴ航空JATでベオ乗継などを検索されると良いでしょう。

 安全で楽しいご旅行を。

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3件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    08/05/25 01:58

    ③について

    ベオグラード周辺の治安はいったいどんな感じなのでしょうか?テロ、戦争ゲリラ系、強盗、殺人、治安にもいろいろなジャンルがありますよね?

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    08/05/25 04:08

    ベオグラード市内・近郊

     現在のセルビアの政治情勢や、同国を取り巻く国際情勢からすると、テロの可能性が皆無という訳ではないですが、それよりはデモが暴徒化する危険の方が過去数ヶ月間は問題視されていました。コソヴォ(コソヴァ)を国家承認した国(米国やスロヴェニア)の公館や、それらの国に本拠を置く(と一般市民が考える)企業の出先・店舗などがターゲットになっています。
     現在のベオ市内・近郊に限ると、戦争・ゲリラ活動というものは想像し難いと思います。最後の戦争(に近い状態)が終わってから、もう9年近く経ちますので。
     
     殺人・強盗のような凶悪犯罪はないとは言えませんが、一般旅行者が巻き込まれる可能性はさほど高くないと思います。尚、強盗のような財産犯的な凶悪犯罪だけではなく、政治がらみあるいは地下社会がらみの殺傷事件の起きる危険が(数年前より減ったとはいえ)依然残っているところが、セルビアの特徴です。
     窃盗等の、より軽微な犯罪は、周辺諸国に比べても群を抜いて多いというほどではないと思います。従って、街を歩く観光客の体感治安はさほど悪くないと思います。この街で観光客が対象となる犯罪にはある程度のパターンがあるので、ガイドブックや外務省などの情報で対策を講じて下さい。

     テロ、デモ、各種犯罪等については、度々恐縮ですが、日本外務省(および米国国務省)の安全情報を詳しくご覧になって下さい。この掲示板のレスでお伝えできることには限界がありますし、ことセルビアに関してはここで伝えきれない複雑・詳細な情報も知っておかれた方が良いと思います。

  • 退会ユーザ @*******
    08/05/25 01:50

    ahojさん貴重な情報ありがとうございます。

    今06~07の中欧を見ています、ロンリープラネットにしかアルバニア情報は載っていないのでしょうか・・・、アルバニアの出入国、宿、見所などわかる範囲で教えてもらえないでしょうか?

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    08/05/25 03:24

    アルバニアの出入国、宿、見所など

    については、お手元にLonely Planetがあるようでしたら、先ずはそちらをご参照になって下さい。(尚、Bradt社の「Albania」のほうが役立つかも知れません)
     何故かというと、私の情報がLP社のそれを凌駕する自信は全くありませんし、一般論としてLP社の取材結果のほうが掲示板の書き込みよりは信頼できると考えるからです。また、特定の場所・事項に限定せず、アルバニア全体について出入国・宿・見所について網羅的に書き並べていくと、私の拙い編集能力ではレスが膨大になってしまい、結果的に貴方様にご迷惑をお掛けしかねませんので。
     ご理解、ご容赦の程お願いします。

  • 08/05/24 03:12

    訂正 ③

    ③の第2段落に訂正です。

    誤「セルビアの中でもコソヴォやアルバニアに接する地域は治安情勢が複雑で立入るべきでなく...場所も点在します」
       ↓
    正「セルビアの中でもコソヴォやマケドニアに接する地域は治安情勢が複雑で立入るべきでなく...場所も点在します」

    具体的には、メドベジャ、ブヤノバツ、プレシェボの各地域です。

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